マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー

『マイケル・ジャクソンズ ムーンウォーカー』(Michael Jackson's Moonwalker)とは、1989年にU.S. Goldより発売された各種ホビーパソコン対応ゲーム及び1990年8月25日にセガから発売されたアーケード用、メガドライブ用ゲーム。

自身がゲームファンであるマイケル・ジャクソンが監修を務めた、マイケルの主演映画『ムーンウォーカー』(1988年)をベースとしたゲーム。多くの子供たちを誘拐する暗黒組織に対し、マイケルが子供たちを救出するために立ち向かう。BGMや特殊攻撃にはマイケルの音楽作品やダンスが盛り込まれた。

アーケード版およびメガドライブ版は、マイケルがセガ運営のアミューズメント施設を訪れて気に入ったことがきっかけで、1989年にマイケルから自身を主人公としたゲームの制作を提案され開発が始まり、提示された構想内容を見たマイケルから「人を殺すような攻撃は望んでいない」などの意見を受け、約1年かけて制作された[1]。

アーケード版とメガドライブ版は全く異なる内容であるが、どちらの版でもロボットに変身するのは、原作の映画終盤の演出からである。

ホビーパソコン版

マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー
ジャンル アクションシューティング
対応機種 Amiga
Amstrad CPC
Atari ST
コモドール64
PC/AT互換機
MSX
ZX Spectrum
開発元 Emerald Software
Keypunch Software
発売元 U.S. Gold
プログラマー ジョン・マッキャン
ボビー・ヒーリー
人数 1人
メディア カセットテープ
ロムカセット
フロッピーディスク
発売日 アメリカ合衆国 1989年
ヨーロッパ 1989年

イギリスを中心に発売されていた8ビット、16ビットの各種ホビーパソコン向けに発売された。開発元はアイルランドのエメラルドソフトウェア、アメリカ合衆国のキーパンチソフトウェア。映画公開から最も早くゲーム化された作品である。

ゲーム内容

トップビュー視点の迷路状になった街を進むステージ、横スクロールのアクションステージ、3Dシューティングステージの3つの要素がある。BGMとして、「バッド」(1987年)、「スピード・デーモン」(1987年)、「スムーズ・クリミナル」(1988年)、「ザ・ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール」(1987年)の4曲が使用されている。

アーケード版

マイケル・ジャクソンズ ムーンウォーカー
ジャンル クォータービューアクション
対応機種 アーケード
開発元 セガ
発売元 セガ
デザイナー マイケル・ジャクソン
人数 1 - 3人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
稼働時期 アメリカ合衆国 199007241990年7月24日
日本 199008251990年8月25日
デバイス 8方向レバー
3ボタン
システム基板 セガ・システム18

クオータービューの見下ろし型斜めスクロールアクションゲーム。ステージ途中にいる子供たちの全員を解放し、ステージ最後にいるボスを倒す。3人同時プレイが可能で、それぞれマイケルのプレイヤーカラーが1Pが白、2Pが赤、3Pが黒になる。

システム

ボタンで手から放つ衝撃波(溜め撃ちが可能)で敵を倒せるほか、もう1つのボタンで画面のすべての敵にダメージを与える「ダンス・マジック」(回数ストック制)を発動可能(発動時はマイケル全員にスポットライトが当たり、マイケルの楽曲とともに敵も踊りだす)。道中の子供には、助けると体力回復やダンスの残り回数が回復する特典があるものもいる。

ステージ中の決まった地点に来ると出現するバブルス君(マイケルが飼っているチンパンジー)に触れると一瞬巨大化してロボットに変身する。ロボット形態になると腕から射程の長いレーザーを発射するようになり、溜め撃ちはミサイル攻撃に変わる。

ステージ構成

  • ラウンド1 - CAVERN(音楽:「バッド」)
  • ラウンド2 - AMUSEMENT QUARTER(音楽:「スムーズ・クリミナル」)
  • ラウンド3 - NIGHT STREET(音楽:「今夜はビート・イット」)
  • ラウンド4 - GRAVEYARD(音楽:「アナザー・パート・オブ・ミー」)
  • ラウンド5 - EVIL FORTRESS(音楽:「バッド」)

メガドライブ版

マイケル・ジャクソンズ ムーンウォーカー
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 メガドライブ (MD)
開発元 セガ
発売元 セガ
デザイナー 小泉治
音楽 久保田浩
中村隆之
長井和彦
美術 DOYJOY
吉田千恵
石渡爾奈
人数 1人
メディア 4メガビットロムカセット[2]
発売日 アメリカ合衆国 199008241990年8月24日
日本 199008251990年8月25日
ヨーロッパ 199101251991年1月25日
その他 型式:日本 G-4028

サイドビューの縦横スクロールアクションゲーム。ステージの各所にいる子供たちを解放することがラウンド5までの目的で、ひとり解放する毎にライフが回復し、全員を解放するとバブルス君(マイケルが飼っているチンパンジー)が現れて、敵のボスであるミスター・ビッグの居場所を教えてくれる。だがその場所にたどり着いても「HAHA!YOU'LL NEVER CATCH ME!」と挑発的なセリフをフキダシで表示するだけで、後を部下に任せて逃げてしまう。

最終面であるラウンド6は宇宙船に変身したマイケルと宇宙船に乗ったミスター・ビッグが戦う3Dシューティングゲーム(ナムコのスターラスター風)となっている。

システム

3つのボタンで攻撃、ジャンプ、マジック(後述)を行う。

マジック
下記のマジックを使うとボタンを長押しした量に応じてライフを消費する。
スピンアタック(ライフ消費小)
その場で回転を始めて触れた敵を弾き飛ばす。回転しながら移動することも可能なほか、回転中は無敵状態になるため銃弾ですら通り抜ける。後述するダンスアタックまで溜める際にも無敵が継続するため、確実に発動することができる。
ハットアタック(ライフ消費中)
帽子をブーメランのように投げて敵を倒す。投げられた帽子には貫通能力があるため複数の敵を倒すことが可能。なおこの際は敵が「爆発」する。
ダンスアタック(ライフ消費大)
一定時間回転を続けるとマイケルが「フー!」と叫んで回転が止まり、ダンス開始のポースを取る。続いて画面上のすべての敵(人間のみならずゾンビや野犬まで)がマイケルと一緒にダンスを踊り続けて、踊り疲れさせることによって敵全員にダメージを与える。ボス敵など一回では倒せない敵も存在する。
ムーンウォーク
Bボタンを押しながら移動すると「ムーンウォーク」しながら移動する。発動中は通常移動だと速度が遅くなるエリアの効果を受けない。
ポーズ
ドアやトランク、マンホールの蓋を開ける際には、回転してポーズを決めながら開ける。
階段上で十字ボタンの下とマジックボタンを同時押しすると、「フー!」と叫びながら手すりの上を滑り落ちる。当たり判定が存在するため、階段上にいる敵を倒すことも出来る。
ロボット
各ステージで特定の位置にいる子供を最初に助けると流れ星が出現する。取れば一定時間ロボットに変身し、空中を飛行したり、ビームやミサイル等、圧倒的火力によって敵を倒す事ができる。ロボットになっている間は子供を助けられなくなるが、隠れている位置が分かるようになるため、変身解除後に位置がわかった状態で探すことができる。
通常、敵の撃破は画面外から無尽蔵に沸いてくるシステムなので全く意味がないが、ラウンド5ではストーリーの都合上子供を全員助け出した後、強制的にロボットに変身し、一定数の敵を撃破することで敵の基地も破壊されラウンドクリアとなる。

ステージ構成

  • ラウンド1 - CLUB30(音楽:「スムーズ・クリミナル」)
  • ラウンド2 - STREET(音楽:「今夜はビート・イット」)
  • ラウンド3 - WOODS(音楽:「アナザー・パート・オブ・ミー」)
  • ラウンド4 - CAVERN(音楽:「ビリー・ジーン」)
  • ラウンド5 - THE ENEMY HIDEOUT(音楽:「バッド」)
  • ラウンド6 - MICHAEL'S BATTLE PLANE

初期出荷バージョンのみ、ラウンド3とラウンド5でダンスアタックを使用した際スリラーが流れる。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 Michael Jackson's Moonwalker アメリカ合衆国 1990年
ヨーロッパ 1991021991年2月
セガ・マスターシステム アークシステムワークス セガ ロムカセット 7052

スタッフ

メガドライブ版
  • 企画:KOI(小泉治)
  • プランナー・アシスタント:CAPTAIN ELF
  • デザイナー:DOYJOY、CHIE SAMA(吉田千恵)、JIYNA(石渡爾奈)
  • プログラマー:EKAS、MT.BOOK(山本正伸)、610
  • プログラム・アシスタント:NAS ATAGAN
  • サウンド・コンポーザー:JIMITA(久保田浩)
  • サウンド・アシスタント:MIDDLE VILLAGE(中村隆之)、IAGAN(長井和彦)
  • サウンド・アドバイザー:上保徳彦
  • スペシャル・サンクス:アル・ニルセン
  • ゲーム・コンセプト:マイケル・ジャクソン
  • デザイン:マイケル・ジャクソン

評価

評価
集計結果
媒体結果
GameRankings54.2%(MD)[3]
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム3/5stars(SMS)[4]
Computer and Video Games90%(AC)[5]
70%(SMS)[4]
Crash70%(ZX)[6]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー28/40点(MD)[7]
ファミ通26/40点(MD)[8]
IGN4.5/10点(MD)[7]
Sinclair User6/10点(ZX)[9]
92%(AC)[10]
Your Sinclair75%(ZX)[11]
Zero71%(Amiga)[12]
68%(ST)[13]
Amiga Format68%(Amiga)[12]
The Games Machine65%(Amiga)[12]
63%(ST)[13]
62%(C64)[14]
60%(ZX)[15]
Commodore User63% (Amiga)[12]
Zzap!6461%(Amiga)[12]
60%(C64)[16]
Aktueller Software Markt5/12点(Amiga)[12]
5/12点(ST)[13]
5/12点(C64)[14]
Amiga Power1/6stars(Amiga)[12]
ACE650/1000点(ST)[13]
610/1000点(C64)[14]
ST Action51%(ST)[13]
Commodore Format41%(C64)[14]
メガドライブFAN21.09/30点(MD)[17]
MegaTech85%(MD)[18]
Mega78%(MD)[19]
Sega Power90%(MD)[20]
Compute's Guide19/20点(MD)[21]
受賞
媒体受賞
第3回ゲーメスト大賞ベストアクション賞 8位[22]
ベスト演出賞 7位[22]
ベストVGM賞 3位[22]
年間ヒットゲーム 46位[22]
アーケード版

ゲーム誌『ゲーメスト』(新声社)誌上で行われていた「第4回ゲーメスト大賞」(1990年度)においてベストアクション賞で8位を獲得、その他にベスト演出賞で7位、ベストVGM賞で3位、年間ヒットゲームで46位、ベストキャラクター賞ではマイケルが8位を獲得した[22]。

メガドライブ版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは、6・6・8・6の合計で26点(満40点)となっており[23][8]、レビュアーの意見としては、「操作感がちょっとノロいかなあってほかは、じつにフツー」などと評されている[23]。
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.09点(満30点)となっている[17]。また、同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、本作がマイケル主演の同名映画を題材としている事を指摘した上で、「華麗なダンスで敵を倒していくのだが、そのアクションは実物そっくりだ」と称賛した[17]。
項目 キャラクタ音楽操作性熱中度お買得度オリジナリティ 総合
得点 4.034.023.063.103.243.64 21.09

関連項目

脚注

  1. フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 19』講談社、2007年。
  2. 前田尋之 2018, p. 69- 「Chapter 2 メガドライブトソフトオールカタログ 1990年」より
  3. http://www.gamerankings.com/genesis/586315-michael-jacksons-moonwalker/index.html
  4. “Michael Jackson's Moonwalker for SEGA Master System (1990)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  5. C+VG magazine review, http://www.solvalou.com/subpage/arcade_reviews/248/229/moonwalker_review.html
  6. Crash issue 72, http://www.crashonline.org.uk/misc/reviews.htm
  7. “Michael Jackson's Moonwalker for Genesis (1990)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  8. “マイケルジャクソンズ ムーンウォーカー まとめ [メガドライブ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年2月15日閲覧。
  9. Sinclair User review, issue 95 “アーカイブされたコピー”. 2011年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月6日閲覧。
  10. “Michael Jackson's Moonwalker for Arcade (1990)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  11. Your Sinclair review, issue 49, “アーカイブされたコピー”. 2011年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月6日閲覧。
  12. “Moonwalker for Amiga (1989)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  13. “Moonwalker for Atari ST (1989)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  14. “Moonwalker for Commodore 64 (1989)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  15. “Moonwalker for ZX Spectrum (1989)”. MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  16. ZZap magazine review, issue 55 http://www.zzap64.co.uk/cgi-bin/displaypage.pl?issue=077&page=072&magazine=zzap
  17. メガドライブFAN 1993, p. 30.
  18. MegaTech magazine index, issue 5, page 77
  19. Mega rating, issue 9, page 23, Future Publishing, June 1993
  20. http://www.outofprintarchive.com/articles/reviews/MegaDrive/Moonwalker-SegaPower17-2.html
  21. Compute's Guide to Sega, Steven A Schwartz, ISBN 0-87455-238-9, p78
  22. ザ・ベストゲーム2 1998, p. 19.
  23. ファミコン通信 1990.

参考文献

  • 「新作ゲームクロスレビュー」『ファミコン通信』第19号、アスキー、1990年9月14日。
  • 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、30頁。
  • 「GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史」『ゲーメスト』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、19頁、ISBN 9784881994290。
  • 前田尋之『G-MOOK145 メガドライブパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2018年6月29日、69頁。ISBN 9784862977779。

外部リンク

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