伊納駅

伊納駅(いのうえき)は、北海道旭川市江丹別町春日にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線廃駅)である。駅番号A26電報略号イノ事務管理コードは▲120106[2]

伊納駅
駅舎(2017年7月)
いのう
Inō
A25 納内 (12.7 km)
(6.1 km) 近文 A27
地図
所在地 北海道旭川市江丹別町春日
北緯43度45分45.8秒 東経142度16分18秒
駅番号 A26
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 函館本線
キロ程 413.0 km(函館起点)
電報略号 イノ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
2人/日
-2013年-
開業年月日 1898年明治31年)7月16日[1]
廃止年月日 2021年令和3年)3月13日[JR 1][JR 2][新聞 1][新聞 2]
備考 無人駅
伊納駅
いのう
Inō
神居古潭 (8.9 km)
(6.1 km) 近文
所属事業者 日本国有鉄道
所属路線 函館本線(旧線)
廃止年月日 1969年昭和44年)9月30日
備考 線路付け替えにより廃止

歴史

1977年の伊納駅と周囲1km範囲。上が旭川方面。駅周囲の村落は伊納大橋が架けられる前で孤立状況に近い。上下線別々の単式ホームではあるが、ホームは細い簡易型で上下線間が広く、ホームの拡張と併せてもう1線簡単に敷ける程である。駅舎は古い木造のものが、線路移設前の位置にそのまま残され、旧線跡を転用した道路が改札口側を通り抜ける一風変わった状況にある。もっとも既に無人化されていて、駅舎は待合室として使用されている。本線の滝川側には上下線共外側に保線用の側線が分岐している。新線に移行して、トンネル間の駅となった。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

年表

駅名の由来

当駅近辺の地名より。当駅の対岸を流れる現在の伊野川に由来するアイヌ語地名と考えられている[5]

由来については諸説あり、知里真志保は「イルオナイ(i-ru-o-nay)」(それ(=熊)・の足跡・多い・沢)が「イロナイ」→「イノナイ」→「イノ」と転訛したもの、としている[6][5]

このほか、永田方正が「イヌンオペッ[注釈 1](inun-o-pet)」(漁期の仮小屋・ある・川)が原義である、とする説を唱えており[6]、1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』でもこの説を採る[7][5]

また、山田秀三は単に「イヌン(inun)」(漁期の仮小屋)が、「イヌン」→「エヌ」→「イノ」と転訛したことによる、とする説を推測している[6][5]

なお、所在地区名の「江丹別」はアイヌ語の「エタンネペッ(e-tanne-pet)」(頭・長い・川)もしくは「エトタンネペッ(etok-tanne-pet)」(水源が・長い・川)に由来するとされる[6]

駅構造

上下方向別単式ホーム2面2線を有する地上駅だった。ホームは2面とも線路の東側(旭川方面に向かって右手側)に存在した。互いのホームは跨線橋で連絡しており、2番線(下り)に行くためには跨線橋を渡る必要があった。ホームは高台に設置されており、地平へは階段を降りる形となっていた。

旭川駅管理の無人駅となっていた。有人駅時代の駅舎は改築され、白一色に塗られた車掌車改造の貨車駅舎が2両分横に、間隔を空けて向かい合った形で並べられて設置されていた[8]。なお、塗色は1985年(昭和60年)時点は白地に青帯であったが[8]、その後現在の色に変わっている。そのうち待合室として使われていなかった一両が2014年平成26年)秋に撤去された。

駅舎の南を通っている旭川サイクリングロード単線時代の旧線跡を利用した物で、旧駅舎はその南側にあった。旧ホームの一部は2010年(平成22年)現在も残存している[9]。また、1番線の南側には本線と全くつながっていない側線があり、保線と電気作業の訓練等に使用されている。この側線(訓練設備)には架線が張られ、転轍器も2箇所に設けられている[9]。 2021年7月24日現在、跨線橋と下り 旭川方面のホームが解体済である。

のりば

番線路線方向行先
1 函館本線 上り 滝川岩見沢方面
2 下り 旭川方面

利用状況

駅が立地する江丹別町春日地区は、農家が数軒存在するのみであった。石狩川を挟んだ対岸の台場地区に北海道旭川北都商業高等学校が存在し、その生徒による通学利用が大半を占めていたが、2011年(平成23年)3月に同校が閉校したことで、その数は激減し、2021年3月の廃止に至った。

  • 1992年度(平成4年度)の平均1日乗降客数は412人[10]
  • 2011 - 2015年(平成23 - 27年)の乗降人員調査(11月の調査日)平均は「1名以下」[JR 3]
  • 2014 - 2018年(平成26 - 30年)の乗降人員調査(11月の調査日)平均は「3名以下」[JR 4]
  • 2015 - 2019年(平成27 - 令和元年)の乗降人員調査(11月の調査日)平均は「3名以下」[JR 5]

1日の平均乗降人員は以下の通りである[11]

乗降人員推移
年度 1日平均人数
2011 2
2012 0
2013 2

駅周辺

江丹別町春日地区は、現在は農家や酪農家が数軒存在するのみとなっている。

旧線路跡を転用したサイクリングロードについては、落石等の危険があるとして、本駅付近の「伊納ゲート」から旧神居古潭駅近辺の「神居古潭ゲート」までの間は長期通行止めとなっており、近文大橋方面のみ通行が可能である[12]

駅跡

  • 2021年度中に貨車駅舎、ホーム、跨線橋が全て撤去された。
  • 2023年現在、旧線のホーム跡の一部と保線訓練設備と思われるものは、現存している。

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
函館本線(当駅廃止時点)
納内駅 (A25) - *神居古潭駅 - *春志内信号場 - 伊納駅 (A26) - 近文駅 (A27)
*打消線は廃駅および廃止信号場

脚注

注釈

  1. 連音化し、「イヌノペッ」と表記されることもある。

出典

  1. 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、823頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
  2. 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、216頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧
  3. 「営業開始」『官報』1900年5月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 書籍『無人駅探訪』(監修:西崎さいき、文芸社2011年6月発行)148ページより。
  5. 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. p. 218. ISBN 978-4-88323-114-0
  6. アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2012年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
  7. 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、48頁。ASIN B000J9RBUY
  8. 書籍『ダルマ駅へ行こう!』(著:笹田昌宏、小学館文庫2007年5月発行)61-64ページより。
  9. 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)98-100ページより。
  10. 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)62ページより。
  11. 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月21日閲覧
  12. 旭川サイクリングロードについて - 旭川市

JR北海道

  1. 来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。 オリジナルの2020年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201209060401/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201209_KO_kaisei.pdf2020年12月9日閲覧
  2. 2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。 オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218050637/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201218_KO_Daikai.pdf2020年12月18日閲覧
  3. 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在) (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
  4. 駅別乗車人員 (PDF). 全線区のご利用状況(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. 2020年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月20日閲覧。
  5. 駅別乗車人員 (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。

新聞記事

  1. “無人2駅ありがとう 旭川市内「伊納」「北日ノ出」12日限りで廃止 鉄道ファンら別れ惜しむ”. 北海道新聞. (2021年3月9日). オリジナルの2021年3月10日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/2QtJ8 2021年3月10日閲覧。
  2. “18無人駅に「ありがとう」 JRダイヤ改正で廃止 住民やファン 各地で別れ”. 北海道新聞. (2021年3月13日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/k4tNW 2021年3月13日閲覧。

関連項目

外部リンク

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