塩化マグネシウム
塩化マグネシウム(えんかマグネシウム、magnesium chloride)とは、マグネシウムの塩化物であり無機化合物の一種で、化学式 MgCl2•6H2O、6水和物は式量 203.3022 の白色結晶である。にがりの主成分のひとつ。
| 塩化マグネシウム | |
|---|---|
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Magnesium chloride | |
| 識別情報 | |
| CAS登録番号 | 7786-30-3, 7791-18-6(6水和物) |
| J-GLOBAL ID | 200907015086431804 |
| E番号 | E511 (pH調整剤、固化防止剤) |
| RTECS番号 | OM2975000 |
| 特性 | |
| 組成式 | MgCl2(無水物) MgCl2·6H2O(6水和物) |
| モル質量 | 95.211 g/mol(無水物) 203.31 g/mol(6水和物) |
| 外観 | 無色固体 |
| 密度 | 2.325 g/cm³(無水物) 1.569 g/cm³(6水和物) |
| 融点 |
714 °C, 987 K, 1317 °F |
| 沸点 |
1412 °C, 1685 K, 2574 °F |
| 水への溶解度 | 54.3 g/100 cm³ (20 °C) |
| 構造 | |
| 結晶構造 | 塩化カドミウム型(無水物) |
| 配位構造 | 8面体型6配位 |
| 熱化学 | |
| 標準生成熱 ΔfH |
−641.32 kJ mol−1(無水物) −2499.02 kJ mol−1(6水和物) |
| 標準モルエントロピー S |
89.62 J mol−1K−1(無水物) 366.1 J mol−1K−1(6水和物) |
| 標準定圧モル比熱, Cp |
71.38 J mol−1K−1(無水物) 315.06 J mol−1K−1(6水和物) |
| 危険性 | |
| EU Index | リスト記載無し |
| 主な危険性 | 刺激性 ( Irritant ) |
| Rフレーズ | R36 R37 R38 |
| Sフレーズ | S22 S23 S24 S25 |
| 引火点 | 無 |
| 発火点 | 無 |
| 関連する物質 | |
| その他の陰イオン | フッ化マグネシウム 臭化マグネシウム ヨウ化マグネシウム |
| その他の陽イオン | 塩化カルシウム 塩化ストロンチウム 塩化バリウム |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | |
製法
塩酸に水酸化マグネシウムを溶解して中和させ、濃縮すると6水和物が析出する。
また塩酸にマグネシウムを加えると、水素を出しながら溶けるが、そのときに塩化マグネシウムが生成する。その過程を化学式で表すと
となる。
工業的には製塩の副産物として海水から取り出されている。またカリウムとの複塩であるカーナル石 (KCl·MgCl2·6H2O) からも得られる。
性質
通常6水和物として市販されている。潮解性があり、水およびエタノールなどにきわめて溶けやすい。塩化マグネシウムを主成分とする水溶液は強い苦味をもち、にがりと呼ばれる。飲み過ぎると下痢になる。密度は、無水物は2.325 g/cm3、6水和物は 1.569 g/cm3。
水溶液は極僅かしか加水分解せず、ほとんど中性であるが、水酸化ナトリウム水溶液あるいはアンモニア水を加えて塩基性にすると水酸化マグネシウムを沈殿する。
6水和物を加熱すると徐々に結晶水を失うが強熱により加水分解も進行し、塩基性塩を生じるため脱水により無水物を得ることは困難である。
事件と薬効
近年、癌や糖尿病、育毛、生活習慣病やその予防などに効果があるとうたって塩化マグネシウムを販売し、販売者が薬事法違反で逮捕される事件が起こっているが[1][2]、2009年現在、これらの薬効は医学的に立証されていない[3]。なお、ラットでのにがりの抗腫瘍活性については奥田拓道らによって報告されている[4][5]。
脚注
- 1989年12月08日 夕刊 2社 「「病気に効く商品」 無許可で販売図る 緑区内の業者摘発【名古屋】」
- 2008年01月28日 中部朝刊 中社会 29頁 「「がんに効く」無許可商品販売 愛知県警、薬事法違反容疑で獣医師逮捕へ=中部」
- 学術論文も見当たらず、医薬品としての認可も得ていない以上、立証されたとはいえない。
- 毎日新聞 2002年11月14日
- 高久武司,木村善行,奥田拓道「機能性食品のEBM-海からの贈り物 1. 天然にがりの抗癌作用」『日本体質医学会雑誌』第65巻1/2、2003年。 科学技術文献情報データベース

