多々羅大橋

多々羅大橋(たたらおおはし)は、広島県尾道市生口島愛媛県今治市大三島を繋ぐ道路橋瀬戸内海の島々を結ぶ西瀬戸自動車道「しまなみ海道」を構成する。1998年全建賞道路部門受賞、同年土木学会田中賞作品部門受賞[1]

西瀬戸自動車道 > 多々羅大橋
多々羅大橋
基本情報
所在地 起点側:広島県尾道市瀬戸田町垂水
終点側:愛媛県今治市上浦町井口[1]
交差物件 多々羅海峡(瀬戸内海
座標 北緯34度15分35.1秒 東経133度3分47.2秒
地図
多々羅大橋の位置(広島県内)
多々羅大橋
多々羅大橋の位置(愛媛県内)
多々羅大橋
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式

概要

吊橋の一種である斜張橋で、全長1,480 m、中央支間長890 mの「しまなみ海道」の橋梁のひとつ[2]。1999年5月供用開始[1]。総工費約1,400億円[3]。しまなみ海道にある一連の橋梁のうち本州(尾道)側から4番目にあたり、インターチェンジでいえば生口島南IC大三島ICの間にあたる。

2014年現在、国内最長の斜張橋であり、世界では第5位[1][4]。完成年度当時は世界最大の斜張橋であり[2][5]フランスノルマンディー橋とは同橋梁形式であることと多々羅大橋完成時点で1位2位の関係であったこと[6]から、2橋は姉妹縁組を結んでいる。

瀬戸田PA(上下線とも)から橋まで歩いて行くことができる[注釈 1]。遠方からの見物ポイントとして、多々羅しまなみ公園・瀬戸田PA・立石展望台(大三島)・開山展望台(伯方島)から見ることができる。

通行料金

自転車料金所

しまなみ海道は他の本州四国連絡道路と違い「瀬戸内海横断自転車道」として自転車歩行者道が整備されておりその通行料が発生する。

サイクリングのメッカでありそのための企画も行われており、例えば2014年7月から2015年3月末まで「しまなみサイクリングフリー」として他のしまなみ海道筋の橋と同様に自転車歩行者道を無料開放している[7]

構造

諸元

特徴

2005年

本州四国連絡道路が計画された当初は、この海峡を吊橋で渡るものとしていた[1][6]。これは幅約900 mの多々羅海峡に橋をかける場合、その当時技術経験的な面で吊橋が優位とされていたためである[1]。ただこの地は両岸とも平野部が狭くすぐ山が迫っていた立地条件であり、吊橋をかけるとなるとケーブルを固定するアンカレイジ設置のために山側を大規模に掘削しなければならなくなるが、瀬戸内海国立公園内に位置するこの地では自然公園法により大きな景観破壊は禁止されているため、別の案が考えられるようになる[1][6]。そこで斜張橋案が出てきて、比較検討した結果アンカレイジが不要で工費の面でも優位となった斜張橋とすることになった[1][6]

これら計画段階での諸問題は、先に完成した生口橋とほぼ同じであった。多々羅大橋を斜張橋として計画した場合も生口と同様に、主径間(2つの主塔の間)に比べ側径間(主塔から陸地側)が短いアンバランスな橋となり、更に立地条件から多々羅の側径間は生口島270 m・大三島320 mと非対称な橋となった[6]。そこで発生する力学的な問題を解決するため生口と同様に、主径間を軽い鋼製の桁(鋼箱桁)、側径間を重いコンクリート製の桁(PC箱桁)とすることによりバランスを保つ「複合斜張橋」が採用されることになった[1][6]生口橋#特徴と合わせて参照)。

主塔が200 mを超えたため耐風安定性を考慮した結果、逆Y型下絞り基部拡張形式となった[1][5]。これが鳴き龍現象が発生する要因となった(下記参照)。

多々羅鳴き龍

映像外部リンク
多々羅 鳴き龍(多々羅大橋) Tatara Bridge - 広島ニュース 食べタインジャー
説明看板とバチ

主塔部の歩道に立って大きな音を出すと、日光東照宮の鳴き龍と同じ現象である「多々羅鳴き龍」が発生する。

これは多重反響(フラッターエコー)と呼ばれる現象で、主塔が逆Y字型という特性から音が主塔の内側の面を繰り返し反射し共鳴しながら、上に向かって登っていくように聞こえる[8]。この現象を体験できるよう、この付近にはが置いてある[8]

なお、これを体験出来るのはあくまで歩道のみであり、車道に関しては駐停車が禁止されている。

ギャラリー

脚注

注釈

  1. 他方、バスでの往来はしまなみライナーの利用に限られる。

出典

  1. 多々羅大橋(たたらおおはし)”. 広島県. 2014年7月24日閲覧。
  2. 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日、226-227頁。ISBN 4-534-03315-X。
  3. 技術結集 大輪の花”. 中国新聞 (1998年3月31日). 2011年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月31日閲覧。
  4. 橋のデータ館”. 日本橋梁建設協会. 2014年7月24日閲覧。
  5. 多々羅大橋上部工の設計・製作・架設」(PDF)『川田技報』第18巻、川田建設、1999年、45-52頁、2014年7月24日閲覧
  6. 長大斜張橋-多々羅大橋-の計画概要」(PDF)『溶接学会誌』第60巻第8号、溶接学会、1991年、651-655頁、2014年7月24日閲覧
  7. 自転車乗りは急げ! 今だけ「瀬戸内しまなみ海道」を無料でツーリングできる”. マイナビニュース (2014年7月4日). 2014年7月24日閲覧。
  8. 多々羅大橋 鳴き龍、こだまする音は精密な橋の証? 広島県と愛媛県とを結ぶ世界最大級の斜張橋、多々羅大橋”. 広島ニュース 食べタインジャー (2014年7月22日). 2014年7月24日閲覧。

参考資料

関連項目

外部サイト

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