多重指数
数学において多重指数記法(たじゅうしすうきほう、英: multi-index notation; 多重添字記法)は、添字記法を順序組を用いて多重化(多変数に一般化)する表記法であり、多変数微分積分学、偏微分方程式論、シュヴァルツ超関数論などの分野において、主に整数冪の冪指数などの添字を多重化した多重指数、多重添字を用いて様々な式の表記を簡潔にする。
主な定義
非負整数からなる n-次元(あるいは n-変数)の多重指数あるいは多重添字αとは非負整数全体の成す集合 N0 の n-重デカルト積 N0n の元を言う。すなわち、α1, α2, ..., αn∈N0 とすると
である[1]。場合によっては整数からなる多重指数や実数からなる多重指数も必要に応じて用いられる。
多重指数を利用して数ベクトルや勾配作用素の多重指数による冪を次のように定義する。
応用例
多重指数記法を用いれば、初等解析学における多くの公式をほとんどそのままの形で、対応する多変数の式にすることができる。以下はそのいくつかの例である。すべて, , ().とする。
関連項目
- アインシュタインの縮約記法
- リッチ計算法[注 1]
出典
注釈
- (矢野健太郎 1971)に「リッチ計算法」と書かれているためこの訳を採用
参考文献
- Saint Raymond, Xavier (1991). Elementary Introduction to the Theory of Pseudodifferential Operators. Chap 1.1 . CRC Press. ISBN 0-8493-7158-9
- 小澤徹 (2008年). “多重指数” (PDF). ,小澤徹 (おざわ とおる) 数学小ネタ集. 早稲田大学. 2021年11月7日閲覧。
- 矢野健太郎「幾何学部門報告」『数学』第23巻第2号、日本数学会、1971年、101-106頁、CRID 1390001205067286016、doi:10.11429/sugaku1947.23.101、ISSN 0039470X。
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