後立山連峰
後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)は、飛騨山脈(北アルプス)の北部が、造山過程で裂けて黒部川が流れ、この東岸に連なる連峰群。西岸の立山連峰と双対している。
| 後立山連峰 | |
|---|---|
![]() 後立山連峰と仁科三湖(解説画像) | |
| 所在地 | 富山県・新潟県・長野県 |
| 位置 | 北緯36度37分28秒 東経137度44分49秒 |
| 上位山系 | 飛騨山脈(北アルプス) |
| 最高峰 | 白馬岳(2,932 m) |
概要
後立山連峰の山稜に沿って、富山県と新潟県の県境、および富山県と長野県の県境が設けられている。その最高峰は、標高2,932 mの白馬岳である。山の上部は森林限界の高山帯でハイマツなど高山植物の群生地があり、ライチョウの生息地となっている。
後立山連峰の北端は、旧北陸道最大の難所とされた親不知の断崖となって日本海に落ち込んでいる。南端は諸説あるが、一般的には針ノ木岳と蓮華岳の間の針ノ木峠とされている。その先で裏銀座へと稜線が連なる。東側がフォッサマグナの大断層の急峻な地形で、西側は緩やかな斜面である非対称山稜となっている[1]。東斜面には白馬大雪渓や針ノ木雪渓などの万年雪となる谷部がある。
「後立山」という名称は、立山連峰の背後にあることを意味するもので、加賀藩(石川県・富山県)の古文献に「錫杖ヶ岳(不帰岳)、赤鬼ヶ岳(大黒岳)、大蓮花山、小蓮花、大蓮花、餓鬼ヶ岳、地蔵岳、後立山(ごりゅうざん)」という山名があり、後立山は、今の鹿島槍ヶ岳[2]、又は、五竜岳とされている。立山は古来より信仰対象だが、立山連峰に比べると後立山連峰の山は宗教色が薄い[3]。現在の山名は、優先的に長野県側から見ての名称を用いている。
歴史
⁂ 1583年(天正11年)4月の賤ヶ岳の戦いで柴田勝家に付いて、頭を丸めて微妙な情勢になった佐々成政。小牧・長久手の戦いの和睦で、西に前田家と東に上杉家に挟まれて、再び微妙な立場に立たされた富山城主の佐々成政。年齢50歳前後の男が、1584年(天正12年)旧暦の12月積雪期に3週間をかけて、決死の覚悟で北アルプス山中のザラ峠を越え、針ノ木峠を越え、浜松城にいる徳川家康に会いに行ったとされる[1](ただし異論もある。「佐々成政#さらさら越え」参照)。この逸話を北アルプスを縦走するものの頭の中にある。
⁂ 1880年には、後立山連峰を横断する有料道路(立山新道)が開通したが、2年のシーズンのみで営業を廃止した。
⁂ 1934年(昭和9年)12月4日に、長栂山の北側の特別天然記念物「白馬岳連山高山植物帯」から南部の山域が、中部山岳国立公園に指定された[4]。親不知から針ノ木峠までの主稜線には、ほぼ尾根伝いに登山道が整備されている。親不知から朝日岳までの北部の登山道は栂海新道と名付けられている[5]。各要所には山小屋や避難小屋が整備され、白馬岳山頂直下にある白馬山荘は日本最大規模の収容能力があり、多くの登山者が訪れる[6]。
主な山
| 北アルプス・後立山連峰の地形図 ※表示環境によっては文字がずれることがあります |

| 山容 | 名称 | 標高 (m)[7] |
三角点等級 基準点名[8] |
白馬岳からの 方角と距離 (km) |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白鳥山 | 1,286.9 | 三等「しな谷」 | 白鳥小屋 | ||
| 菊石山 | 1,209.8 | 三等「法り込」 | |||
| 犬ヶ岳 | 1,592.5 | 二等「犬ケ岳」 | 栂海山荘 | ||
| 初雪山 | 1,615.0 | 三等「初雪山」 | |||
| 風吹岳 | 1,888 | 風吹大池 | |||
| 朝日岳 | 2,417.97 | 二等「雪倉」 | 日本三百名山 朝日小屋 | ||
| 乗鞍岳 | 2,469 | 白馬大池の東 | |||
| 雪倉岳 | 2,610.87 | 三等「六兵衛」 | 日本二百名山 雪倉岳避難小屋 | ||
| 清水岳 | 2,603 | (しょうずだけ) | |||
| 鉢ヶ岳 | 2,563 | 長池 | |||
| 小蓮華山 | 2,766 | 山頂部崩落 | |||
| 白馬岳 | 2,932.24 | 一等「白馬岳」 | 後立山連峰の最高峰 | ||
| 旭岳 | 2,867 | ||||
| 杓子岳 | 2,812 | ||||
| 鑓ヶ岳 | 2,903.11 | 三等「鎗ケ岳」 | 白馬鑓温泉 | ||
| 不帰岳 | 2,053.5 | 三等「狢谷」 | (かえらずだけ) 不帰岳避難小屋 | ||
| 唐松岳 | 2,695.8 | 二等「唐松谷」 | 日本三百名山 八方尾根、唐松岳頂上山荘 | ||
| 白岳 | 2,541 | 遠見尾根、五竜山荘 | |||
| 五竜岳 | 2,814 | 日本百名山 | |||
| 鹿島槍ヶ岳 | 2,889.08 | 二等「鹿島入」 | 日本百名山 キレット小屋 | ||
| 爺ヶ岳 | 2,669.82 | 二等「祖父岳」 | 日本三百名山 種池山荘・冷池山荘 | ||
| 岩小屋沢岳 | 2,630.3 | 三等「西岳」 | |||
| 鳴沢岳 | 2,641 | 新越山荘 | |||
| 赤沢岳 | 2,677.8 | 三等「牛小屋沢」 | |||
| スバリ岳 | 2,752 | ||||
| 針ノ木岳 | 2,820.6 | 三等「野口」 | 日本二百名山 針ノ木小屋 |
地理

右上、鹿島槍ヶ岳のある山稜が後立山連峰
山脈を貫く唯一のトンネルは、関西電力が黒部ダムを建設する際に掘削した関電トンネルである。現在は立山黒部アルペンルートの観光用の関電トンネルトロリーバスの専用道となっている。
スキー場
脚注
- 『コンサイス日本山名辞典』三省堂、1990年10月、57頁。ISBN 4385154031。
- 深田久弥『日本百名山』朝日新聞社、1990年12月、183-184頁。ISBN 4022608714。
- 『日本の山1000』山と溪谷社、1992年8月、374-375頁。ISBN 4-635-09025-6。
- “中部山岳国立公園区域の概要”. 環境省. 2011年8月4日閲覧。
- 小野健『栂海新道を拓く 夢の縦走路にかけた青春』山と溪谷社、2010年11月。ISBN 9784635330473。
- “白馬村山岳情報”. 白馬村 (2011年7月29日). 2011年8月4日閲覧。
- “日本の主な山岳標高”. 国土地理院. 2011年8月4日閲覧。
- “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年8月4日閲覧。




