デビッド・ロス (野球)

デビッド・ウェイド・ロス(David Wade Ross , 1977年3月19日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州ディケーター郡ベインブリッジ出身の元プロ野球選手(捕手)、監督。

デビッド・ロス
David Ross
シカゴ・カブスでの監督時代
(2023年4月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ジョージア州ディケーター郡ベインブリッジ
生年月日 (1977-03-19) 1977年3月19日(47歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1998年 MLBドラフト7巡目
初出場 2002年6月29日 アナハイム・エンゼルス戦
最終出場 2016年11月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督歴
  • シカゴ・カブス (2020 - 2023)

経歴

プロ入り前

高校卒業時の1995年のMLBドラフト19巡目(全体527位)でロサンゼルス・ドジャースから指名されるが、契約せずにオーバーン大学へ進学。

2年時の1997年にはカレッジ・ワールドシリーズに出場する。

その後フロリダ大学へ編入し、1998年には63試合に出場して打率.332、19本塁打、69打点と活躍。チームのカレッジ・ワールドシリーズ進出に貢献する。この時はジョシュ・フォッグ、ブラッド・ウィルカーソン、マーク・エリスらとチームメイトであった[1]。また2大学でのカレッジ・ワールドシリーズ出場は数少ないケースである。

プロ入りとドジャース時代

1998年のMLBドラフト 7巡目(全体216位)で再度ドジャースからで指名され、契約。プロとしてのキャリアをスタートさせる。

2002年には6月29日にメジャー初昇格を果たすが3試合のみの出場で、控え捕手であるチャド・クルーターが故障者リストから戻ってくるのと同時に、傘下のAAA級ラスベガス・フィフティワンズへ降格となった。AAA級ラスベガスでは計92試合に出場し、打率.297、15本塁打、68打点を記録し、9月1日のセプテンバー・コールアップで再昇格を果たす。翌2日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦は、6回終了時点で10対0と大差をつけていた。勝利を確信し、レギュラー選手を下げ始めた7回、ロスはデーブ・ロバーツに代わる代打として打席に立ち、メジャー初安打となる二塁打を打つ[2]。さらに18対0となった9回には、敗戦処理で登板したマーク・グレース一塁手が投げた70mph(約113km/h)の球を打ち、メジャー初本塁打を放った[3]。これは野手からのメジャー初本塁打という珍記録となった。

2003年、2004年はポール・ロデューカの控え捕手として過ごした。

パイレーツ時代

2005年開幕直前の3月30日に金銭トレードで、ピッツバーグ・パイレーツへ移籍した。しかしウンベルト・コタ、ライアン・ドゥーミットに次ぐ3番手で、出場機会は限られていた。

パドレス時代

2005年7月28日にJ.J.ファーマニアックとのトレードで、サンディエゴ・パドレスへ移籍するものの、パドレスにはラモン・ヘルナンデスらがいたため、さらに出場機会は減った。

レッズ時代

シンシナティ・レッズ時代
(2008年5月11日)

2006年3月21日にマイナー選手とのトレードで、シンシナティ・レッズへ移籍し、正捕手となる。開幕から好調で8月頭までは3割を超える打率であった。フィールドが狭く打者有利のグレート・アメリカン・ボール・パークを本拠地とするチームへ移籍したことで、持ち前のパンチ力が生かされ、わずか247打席で21本塁打を放った。2007年は開幕から不調でシーズンを通して打率2割前後を推移。8月13日のパドレス戦では本塁上のクロスプレーでマイク・キャメロンと交錯、脳震とうを起こし故障者リストに入ったが、最短の15日で復帰した[4]。

2008年は打率.231、3本塁打と不振が続き、8月10日にDFAとなった[5]。その後、19日に放出された。

レッドソックス時代

2008年8月22日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結び[6]、29日にメジャー昇格[7]。シーズンオフの10月30日にFAとなった。

ブレーブス時代

アトランタ・ブレーブス時代
(2009年6月14日)

2008年12月5日にアトランタ・ブレーブスと300万ドル+出来高330万ドルの2年契約で合意[8]。

2010年7月27日に2012年シーズンまでの2年契約を結んだ[9]。

2012年10月29日にFAとなった。

レッドソックス復帰

ボストン・レッドソックスでの現役時代
(2014年6月8日)

2012年11月10日にレッドソックスと2年620万ドルで契約に合意し[10]、11月14日に球団が発表した[11]。

2013年5月11日のトロント・ブルージェイズ戦で負傷し、翌12日に7日間の故障者リスト入りした[12]。6月25日に60日間の故障者リストに異動となり[13]、8月19日に復帰した[14]。36試合に出場して打率.216、4本塁打、10打点、1盗塁を記録した。ポストシーズンではディビジョンシリーズからロースター入りし[15]、4試合に出場。ワールドシリーズにおいては、勝ち試合全てスタメン起用され、第5戦では決勝二塁適時打を放つなど、ワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。

2014年は50試合に出場したが、打率.184で自身10年ぶりに2割を切るなど、打撃面では低調な成績に終わった。また、盗塁阻止率がキャリア最低の22%に終わるなど、守備面での衰えも見せた[16]。オフにFAとなった。

カブス時代

シカゴ・カブス時代
(2016年6月30日)

2014年12月23日にシカゴ・カブスと総額500万ドルの2年契約[17]を結んだ[18][19]。

2015年4月5日のセントルイス・カージナルスとの開幕戦では、レッドソックス時代からバッテリーを組んでいたジョン・レスターとの相性を買われ、先発出場した。5月9日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では8回裏に投手としてメジャー初登板[20]、7月26日のフィラデルフィア・フィリーズ戦では9回表に2度目の登板を果たした[21]。シーズン終了後、翌2016年シーズン限りで現役を引退する意向を表明した[22]。

2016年は自身9年ぶりとなる2桁本塁打を記録するなど、少ない打席数ながらOPS.784と、自身の通算成績の平均水準を上回った。チームにとって71年ぶりの出場となった2016年のワールドシリーズでは最終第7戦の6回に中継ぎエースだったアンドリュー・ミラーから現役最後の安打となるソロ本塁打を放った。チームは108年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たし、引退の花道を飾った[23]。

引退後

2017年4月12日、リグレー・フィールドで開催された試合前の始球式を務め、捕手役のレスターに対してストライクゾーンへ見事な投球を披露した[24]。

2020年シーズンからはカブスの監督を務める[25]。

プレースタイル

晩年はジョン・レスターの専属捕手として知られた。打撃面ではパンチ力があり変化球を苦にすることもないが、積極的すぎる面もあり三振が多い。守備面では変化球の捕球には少し難があるが、肩は強く通算盗塁阻止率34.7%を誇る。(同時期のメジャー平均は約28%)[26][27]。

詳細情報

年度別打撃成績

年

度
球

団
試

合
打

席
打

数
得

点
安

打
二
塁
打
三
塁
打
本
塁
打
塁

打
打

点
盗

塁
盗
塁
死
犠

打
犠

飛
四

球
敬

遠
死

球
三

振
併
殺
打
打

率
出
塁
率
長
打
率
O
P
S
2002 LAD 813102210162000020140.200.385.600.985
2003 4014012419327010691800011302424.258.336.556.892
2004 701901651328315481500051515623.170.253.291.544
2005 PIT 4011910892480341150013601243.222.263.380.643
SD 1119172601080001000140.353.389.471.860
'05計 51138125113081349150023602283.240.279.392.671
2006 CIN 902962473763151211435200453773754.255.353.579.932
2007 1123483113263100171243900523040929.203.271.399.670
2008 521731341731903491301513241363.231.381.366.747
BOS 8981100010001000030.125.125.125.250
'08計 601821421832903501301613241393.225.369.352.721
2009 ATL 541511281835907652000102101391.273.380.508.888
2010 5914512115351322582801212001285.289.392.479.871
2011 521701521440706652301201600514.263.333.428.761
2012 621961761845709792310021800605.256.321.449.770
2013 BOS 361161021122504391010201101423.216.298.382.681
2014 501711521628707561501211610581.184.260.368.629
2015 CHC 7218215962890140910212070611.176.267.252.518
2016 6720516624386010743201453060543.229.338.446.784
MLB:15年 883264422802545211165106965314353227287301773549.229.316.423.739

年度別投手成績

年

度
球

団
登

板
先

発
完

投
完

封
無
四
球
勝

利
敗

戦
セ
丨
ブ
ホ
丨
ル
ド
勝

率
打

者
投
球
回
被
安
打
被
本
塁
打
与
四
球
敬

遠
与
死
球
奪
三
振
暴

投
ボ
丨
ク
失

点
自
責
点
防
御
率
W
H
I
P
2015 CHC 200000000----62.000000000000.000.00
MLB:1年 200000000----62.000000000000.000.00

年度別守備成績

年
度
球
団
投手(P)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2015 CHC 20000----
MLB 20000----
捕手守備
年
度
球
団
捕手(C)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
捕

逸
企
図
数
許
盗
塁
盗
塁
刺
阻
止
率
2002 LAD 6192001.00001011.000
2003 382592642.9862452916.356
2004 673552130.9926392712.308
2005 PIT 351832334.98641459.643
SD 7280011.0000110.000
'05計 422112335.98741569.600
2006 CIN 754803385.9854311714.452
2007 1086625057.9936613625.410
2008 463232934.9926342410.294
BOS 8230001.0000220.000
'08計 543462934.9926362610.278
2009 ATL 523143716.9975402119.475
2010 572762240.987126188.308
2011 493373232.9922332211.333
2012 543662724.9954341915.441
2013 BOS 362881312.9972321913.406
2014 503812773.983341329.220
2015 CHC 593973613.9984664917.257
2016 584334493.9812674918.269
MLB 80551244225446.99051567370197.347
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

  • 40(2002年 - 2004年)
  • 29(2005年 - 同年途中)
  • 9(2005年途中 - 同年終了)
  • 26(2006年 - 2008年途中)
  • 28(2008年途中 - 同年終了)
  • 8(2009年 - 2012年)
  • 3(2013年 - 2016年)

脚注

  1. “Team: Player Information : Biography and Career Highlights”. MLB.com. 2008年2月27日閲覧。
  2. “September 2, 2002 Los Angeles Dodgers at Arizona Diamondbacks Play by Play and Box Score”. Baseball-Reference.com. 2008年2月27日閲覧。
  3. “News: Grace's arm earns Blooper honors”. MLB.com. 2008年2月27日閲覧。
  4. “Reds activate C David Ross, who has recovered from concussion”. ESPN.com. 2008年2月27日閲覧。
  5. “Reds juggle catching rotation Ross designated for assignment; Hanigan called up”. MLB.com. 2008年8月12日閲覧。
  6. “Red Sox recall righthanded pitcher Chris Smith from Pawtucket”. MLB.com Red Sox Press Release (2008年8月22日). 2014年1月11日閲覧。
  7. “Red Sox place RHP Josh Beckett and 1B Sean Casey on 15-day disabled list”. MLB.com Red Sox Press Release (2008年8月29日). 2014年1月11日閲覧。
  8. “Braves agree to terms with catcher David Ross on two-year contract”. MLB.com Braves Press Release (2008年12月5日). 2014年1月11日閲覧。
  9. “Braves & David Ross agree to terms on contract extension”. MLB.com Braves Press Release (2010年7月27日). 2014年1月11日閲覧。
  10. Red Sox To Sign David Ross MLB Rumors
  11. “Red Sox sign C David Ross to two-year contract”. MLB.com Red Sox Press Release (2012年11月14日). 2014年1月11日閲覧。
  12. “Red Sox place Catcher David Ross on seven-day concussion DL; Recall Catcher Ryan Lavarnway”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年5月12日). 2014年1月11日閲覧。
  13. “Red Sox announce roster moves”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年6月25日). 2014年1月11日閲覧。
  14. “Red Sox announce roster moves”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年8月19日). 2014年1月11日閲覧。
  15. “Red Sox set roster for 2013 American League Division Series”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年10月4日). 2014年1月11日閲覧。
  16. Gordon Edes (2014年10月2日). “David Ross has role with Red Sox”. ESPN.com. 2014年10月12日閲覧。
  17. 各年それぞれ225万ドルで、契約金は50万ドル。
  18. “Cubs, Catcher David Ross Agree to Two-Year Contract”. MLB.com Cubs Press Release (2014年12月23日). 2014年12月24日閲覧。
  19. Jeff Todd (2014年12月23日). “Cubs Sign David Ross”. MLB Trade Rumors. 2014年12月24日閲覧。
  20. Chris Landers (2015年5月10日). “David Ross -- yes, that David Ross, the catcher -- pitched a clean inning for the Cubs Saturday” (英語). MLB.com. 2015年7月29日閲覧。
  21. Greg Garno (2015年7月26日). “Ross pitches perfect ninth, homers for Cubs” (英語). MLB.com. 2015年7月29日閲覧。
  22. Carrie, Muskat. “Cubs' David Ross plans to retire after 2016” (英語). MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/157500060/cubs-david-ross-plans-to-retire-after-2016/ 2016年11月5日閲覧。
  23. Jorge L., Ortiz (2016年11月3日). “David Ross' amazing exit Cubs catcher homers, wins Game 7, carried into retirement” (英語). USATODAY. https://www.usatoday.com/story/sports/mlb/2016/11/03/david-ross-retirement-world-series-game-7-home-run-carried-off/93227072/ 2016年11月5日閲覧。
  24. “David Ross returned to Wrigley to receive his World Series ring and throw a first pitch”. MLB.com (2017年4月12日). 2018年10月21日閲覧。
  25. Jordan Bastian (2019年10月28日). “New skipper Ross 'perfect' choice to lead Cubs” (英語). MLB.com. 2019年11月4日閲覧。
  26. “David Ross - Cincinnati Reds”. Sportsnet.ca. 2008年2月27日閲覧。
  27. “David Ross Stats, News, Photos - Cincinnati Reds - MLB Baseball”. ESPN.com. 2008年2月27日閲覧。

関連項目

外部リンク

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