カイル・シュワーバー

カイル・ジョセフ・シュワーバー(Kyle Joseph Schwarber, [ʃwɔːbər]; 1993年3月5日 - )は、 アメリカ合衆国オハイオ州ミドルタウン出身のプロ野球選手(外野手)。右投左打。MLBのフィラデルフィア・フィリーズ所属。愛称はシュワブス(Schwarbs)[2]。

カイル・シュワーバー
Kyle Schwarber
フィラデルフィア・フィリーズ #12
2023年4月8日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オハイオ州の旗 オハイオ州ミドルタウン
生年月日 (1993-03-05) 1993年3月5日(31歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
229 lb =約103.9 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手→左翼手
プロ入り 2014年 MLBドラフト1巡目
初出場 2015年6月16日
年俸 $20,000,000(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2023年
獲得メダル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
銀2023

経歴

プロ入り前

地元のミドルタウン高等学校在籍時の4年間で、打率.408、18本塁打、103打点を記録した[3]。高校卒業後、インディアナ大学へ進学した[4]。

大学時代、好成績を記録し、大学野球アメリカ合衆国代表にも選出された[5][6]。

プロ入りとカブス時代

2014年のMLBドラフト1巡目(全体4位)でシカゴ・カブスから指名され、プロ入り[7]。傘下のA-級ボイシ・ホークスでプロデビューし[8]、その後、A級ケーンカウンティ・クーガーズ、A+級デイトナ・カブスに昇格した。

2015年はAA級テネシー・スモーキーズでプレーし、58試合で打率.438、63安打を記録。6月16日にメジャー昇格を果たし、ミゲル・モンテロの負傷に伴い、クリーブランド・インディアンス戦でメジャーデビューを果たした[9]。翌日の試合では指名打者で出場し、MLB初安打を含む5打数4安打、2打点を記録した。MLBで6試合に出場し、打率.364、1本塁打、6打点、8安打を記録したが、モンテロの負傷からの復帰に伴い、AAA級アイオワ・カブスに降格した[10]。7月12日にオールスター・フューチャーズゲームにアメリカ合衆国選抜として出場し、3打数1安打、2打点を記録しMVPを受賞した[11]。7月16日、モンテロの負傷に伴い、再びメジャー昇格した[12]。デビュー1年目は主に左翼手や捕手として出場機会を得て、69試合の出場ながら打率.246、16本塁打、43打点、出塁率.355を記録した。右投手相手には打率.278、14本塁打と得意にしていたのに対し、左投手相手には打率.143、2本塁打と左投手への対応に課題を残した。自身初のポストシーズンでは、外野守備で拙守を露呈したが、打撃ではワイルドカードゲームでピッツバーグ・パイレーツのゲリット・コールから豪快な2点本塁打を放ったのを皮切りに、続くセントルイス・カージナルス戦では4試合で2本の本塁打を放った。ニューヨーク・メッツとのリーグチャンピオンシップシリーズでも同じく4試合で2本塁打を放ち、新人ながらポストシーズンで計5本塁打を記録した。

2016年は開幕から3試合目となった4月7日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦、2回裏の守備でジーン・セグラの左中間への打球を追って、中堅手のデクスター・ファウラーと交錯し、負傷退場した(セグラの打席の記録はランニング本塁打)。その後、左膝の前十字靭帯と外側側副靱帯の断裂が判明し、シーズン中の復帰は絶望となり[13]、4月11日に60日間の故障者リストに登録された。このシーズンは僅か2試合の出場に留まり、1安打も記録することができなかったが、10月22日に故障者リストから復帰するとアリゾナ・フォールリーグのメサ・ソーラーソックスに参加し、指名打者で出場した[14]。10月25日にワールドシリーズのアクティブロースターに登録され、第1戦から「5番・指名打者」で先発出場した[15][16]。ワールドシリーズでは打率.412でチームの優勝に貢献した。

2017年の序盤は不振にあえぎ、6月下旬にはマイナーに降格した[17]。それまでの成績は打率.171、12本塁打、28打点で、3打数に1三振を喫した。7月6日にメジャーに昇格すると、最終的に129試合に出場し、打率.211、30本塁打、59打点、出塁率.315を記録した。

シカゴ・カブス時代
(2018年9月1日)

2018年は前年オフに30lb(約14kg)減量して開幕を迎えた[18]。オールスターゲームの本塁打競争に参加し、決勝まで進んだ[19]。このシーズンは137試合に出場して自身初となる規定打席に到達し、打率.238、26本塁打、61打点、出塁率.356を記録し、敬遠数ではナショナルリーグ最多となる20を記録した。

2019年は自己最多となる155試合に出場し、キャリアハイとなる打率.250、38本塁打、92打点、出塁率.339を記録した。しかし、守備面では左翼手の失策数でナ・リーグ最多となる6を記録し、守備率.947はナ・リーグワーストだった。

2020年は新型コロナウイルスの影響で60試合の短縮シーズンになった中、59試合に出場してナ・リーグワーストとなる打率.188、11本塁打、24打点、出塁率.308に留まった。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[20]。

ナショナルズ時代

2021年1月9日にワシントン・ナショナルズと700万ドルの単年契約を結んだ[21]。2022年シーズンは相互オプションとなり、バイアウトの際は300万ドルが支払われる。シーズンでは5月17日にリグレー・フィールドでの前年まで所属したカブス戦に出場すると、カブスファンからはスタンディングオーべションを受け、この試合では本塁打も記録した[22]。6月19日のメッツとのダブルヘッダー2試合目に2本の本塁打を記録し、翌20日のメッツ戦では1回にタイフアン・ウォーカーから先頭打者本塁打を放つと、5回にも再びウォーカーから本塁打、7回にはジェウリス・ファミリアから2点本塁打を放ち、ナショナルズではアンソニー・レンドン以来、史上3人目となる1試合3本塁打を記録した。また、この2試合で計5本塁打を記録しており、2試合で5本塁打はナショナルズではブライス・ハーパー以来となる球団史上2人目の記録となった[23]。6月29日のタンパベイ・レイズ戦でリッチ・ヒルから先頭打者本塁打を放ち、サミー・ソーサ、バリー・ボンズに並ぶMLB歴代10位となる「月間16本塁打」を記録し[24]、6月の月間本塁打数ではソーサの20本塁打に次ぐ歴代2位となった[25]。また、19日のメッツとのダブルヘッダー2試合目から、29日までのレイズ戦の10試合の間で計12本塁打を記録し、1995年にアルバート・ベルが記録した「10試合で12本塁打」に並ぶMLB記録となった[26]。ナショナルズ監督のデーブ・マルティネスは「野球ファンならシュワーバーを見たら、本当すごいって言葉しか出ないと思うよ。私は野球に長いこと携わってきたが、こんなことは見たことない」とコメントした[27]。前述の活躍から6月は打率.280、16本塁打、30打点、出塁率.362、長打率では脅威の.760を記録し、自身初となるプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞した[28]。しかし、7月2日のロサンゼルス・ドジャース戦で走塁の際に右ハムストリングを痛め交代し[29]、翌3日にMRI検査を行ったところ異常が発覚した為、10日間の故障者リスト入りした[30]。7月4日に選手間投票で控え野手として自身初めてオールスターに選出されたが、辞退している[31]。

レッドソックス時代

2021年7月29日にアルド・ラミレスとのトレードで、ボストン・レッドソックスへ移籍した[32]。オフの11月5日にオプションを破棄してFAとなった[33]。

フィリーズ時代

2022年3月20日にフィラデルフィア・フィリーズと4年総額7900万ドルの契約を結んだ[34]。2年連続でオールスターゲームに選出された。最終的にキャリアハイとなる46本塁打を記録した[35]。オフの12月5日には自身初となるセカンドチームの外野手の1人としてオールMLBチームに選出された[35]。

2023年はシーズン開幕前の2月10日に第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のアメリカ合衆国代表に選出された[36]。

レギュラーシーズンでは、打率.197、215三振と粗さが目立ったが、47本塁打、104打点と長打力を発揮し、四球を126個選んだことで、出塁率は.343に達した。なお、打率1割台で40本塁打以上・100打点以上はNPB・MLBを通じて史上初の記録である。

詳細情報

年度別打撃成績

年

度
球

団
試

合
打

席
打

数
得

点
安

打
二
塁
打
三
塁
打
本
塁
打
塁

打
打

点
盗

塁
盗
塁
死
犠

打
犠

飛
四

球
敬

遠
死

球
三

振
併
殺
打
打

率
出
塁
率
長
打
率
O
P
S
2015 CHC 69273232525761161134333013614774.246.355.487.842
2016 2540000000000010020.000.200.000.200
2017 12948642267891613019759110059151506.211.315.467.782
2018 1375104286410214326200614312782011406.238.356.467.823
2019 155610529821322933828192230670551566.250.339.531.871
2020 5922419130366011752410003013663.188.308.393.701
2021 WSH 72303265426790251515311023115884.253.340.570.910
BOS 4116813434391007701800003301390.291.435.522.957
'21計 113471399761061903222171110264161274.266.374.554.928
2022 PHI 155669577100126213462919410102863420010.218.323.504.827
2023 160720585108115191472771040203126362154.197.343.474.817
MLB:9年 9793968336757976313012246165554822141165503534111343.227.340.492.831
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

WBCでの打撃成績

2023 アメリカ合衆国 520144300294000050111.214.450.643

年度別守備成績

捕手守備
年
度
球
団
捕手(C)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
捕

逸
企
図
数
許
盗
塁
盗
塁
刺
阻
止
率
2015 CHC 21110741.967217143.176
2017 490001.0000000----
2019 110001.0000000----
MLB 26120741.969217143.176
内野守備
年
度
球
団
一塁(1B)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2017 CHC 10000----
2021 BOS 1065118.985
MLB 1165118.985
外野守備
年
度
球
団
左翼(LF)右翼(RF)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2015 CHC 4142110.977430001.000
2016 210001.000-
2017 110141751.967-
2018 1201741110.995-
2019 140214760.974-
2020 48703001.000-
2021 WSH 72127331.977-
BOS 15231021.000-
'21計 87150433.981-
2022 PHI 138182310.995-
2023 103166250.971-
MLB 790114038224.982430001.000
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル

表彰

MiLB
MLB

記録

MiLB
MLB

背番号

  • 12(2015年 - 2021年途中、2022年 - )
  • 18(2021年途中 - 同年終了)

代表歴

脚注

注釈

  1. MLB歴代1位は20本塁打:サミー・ソーサ(1998年6月)、2位は18本塁打:ジャンカルロ・スタントン(2017年8月)、ルディ・ヨーク(1937年8月)、4位は17本塁打:バリー・ボンズ(2001年5月)、ソーサ(2001年8月)、アルバート・ベル(1995年9月)、ウィリー・メイズ(1965年8月)、ヨーク(1943年8月)、ベーブ・ルース(1927年9月)

出典

  1. “Kyle Schwarber Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2024年5月8日閲覧。
  2. Explaining Cubs Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  3. “All-Area Baseball Position Player of the Year: Kyle Schwarber”. journal-news.com. 2015年2月6日閲覧。
  4. “Ex-Bonanza star improves his baseball stock as collegian”. Lasvegassun.com. 2013年4月20日閲覧。
  5. “Schwarber to Join Team USA This Summer”. iuhoosiers.com. 2015年2月6日閲覧。
  6. INDIANA BASEBALL'S KYLE SCHWARBER WAS EASY CATCH FOR COACH SMITH
  7. “Catcher Schwarber is Cubs' first pick in 2014”. Chicago Cubs. 2016年10月26日閲覧。
  8. “Cubs' top pick Schwarber homers in pro debut”. MLB.com. 2016年10月26日閲覧。
  9. “Kyle Schwarber off to a hot start”. indystar.com. IndyStar. 2015年6月18日閲覧。
  10. “Schwarber ready to work in minors”. csnchicago.com. CSN Chicago. 2015年6月23日閲覧。
  11. Steve Gardner, USA TODAY Sports (2015年7月12日). “Kyle Schwarber headlines Team USA's win in Futures Game”. USA TODAY. 2015年7月21日閲覧。
  12. “Cubs promoting Schwarber in response to Montero injury”. csnchicago.com. Comcast Sportsnet. 2015年7月17日閲覧。
  13. “Schwarber has torn ACL, LCL; out for year” (英語). MLB.com (2016年4月9日). 2016年5月14日閲覧。
  14. Carrie Muskat (2016年10月22日). “Schwarber to AFL; World Series a possibility?” (英語). MLB.com. 2016年10月24日閲覧。
  15. Adam McCalvy (2016年10月25日). “Schwarber on Series roster, will DH in G1” (英語). MLB.com. 2016年10月26日閲覧。
  16. Adam McCalvy (2016年10月25日). “Schwarber doubles in 2nd at-bat for 1st hit of '16” (英語). MLB.com. 2016年10月26日閲覧。
  17. “Cubs send struggling Schwarber to Triple-A”. ESPN.com. 2019年3月12日閲覧。
  18. “Cubs Star Kyle Schwarber's 30-Pound Weight Loss Sets Stage for Monster 2018”. Bleacher Report. 2019年3月12日閲覧。
  19. “MLB球宴ホームランダービー、地元の英雄ハーパーが初優勝! 父と45本の放物線描く”. ベースボールチャンネル. 2019年12月17日閲覧。
  20. “Cubs Non-Tender Schwarber, Almora, Tepera” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月3日閲覧。
  21. “Nationals Sign Kyle Schwarber” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年1月9日閲覧。
  22. Jordan Bastian, Jessica Camerato (2021年5月18日). “'Special moment': Lester returns to Wrigley” (英語). MLB.com. 2021年5月19日閲覧。
  23. “Schwarber ties MLB record: 5 HR in 2 games” (英語). MLB.com. 2021年7月3日閲覧。
  24. “Nationals' Kyle Schwarber not interested in 2021 Home Run Derby despite Barry Bonds-like homer spree” (英語). CBSSports.com. 2021年7月3日閲覧。
  25. “Cubs: Why Kyle Schwarber Looks Like One That Got Away” (英語). NBC Chicago. 2021年7月4日閲覧。
  26. “Nationals' Kyle Schwarber ties MLB modern record with 12th home run in 10 games” (英語). CBSSports.com. 2021年7月3日閲覧。
  27. “Schwarber extends historic streak in Nats' W” (英語). MLB.com. 2021年7月4日閲覧。
  28. “Ohtani, Schwarber named June's top players” (英語). MLB.com. 2021年7月3日閲覧。
  29. “Schwarber latest victim of Nats' 'injury rat'” (英語). MLB.com. 2021年7月4日閲覧。
  30. “Schwarber to 10-day IL with hamstring strain” (英語). MLB.com. 2021年7月4日閲覧。
  31. Sarah Langs, Thomas Harrigan (2021年7月11日). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  32. “Red Sox Acquire Kyle Schwarber From Nationals” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月30日閲覧。
  33. Steve Adams (2021年11月5日). “Kyle Schwarber Declines Mutual Option” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年12月5日閲覧。
  34. “Press release: Phillies sign Schwarber”. www.mlb.com. 2022年3月20日閲覧。
  35. Paul Casella (2022年12月5日). “Here is the star-studded 2022 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2022年12月6日閲覧。
  36. “USA Baseball Announces 2023 World Baseball Classic Roster” (英語). USA Baseball: Home (2023年2月10日). 2023年6月6日閲覧。
  37. “All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2022年12月7日閲覧。
  38. “Cubs: Why Kyle Schwarber Looks Like One That Got Away” (英語). NBC Chicago. 2021年7月4日閲覧。

関連項目

外部リンク

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