市振駅

市振駅(いちぶりえき)は、新潟県糸魚川市大字市振にある、えちごトキめき鉄道あいの風とやま鉄道である[3][6]。新潟県最西端に位置する駅である。

市振駅
駅舎(2019年8月)
いちぶり
Ichiburi
所在地 新潟県糸魚川市大字市振913[1]
北緯36度58分49.47秒 東経137度39分2.03秒
所属事業者 えちごトキめき鉄道[2]
あいの風とやま鉄道[2]
電報略号 フリ[3]
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線[3]
乗車人員
-統計年度-
42人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1912年大正元年)10月15日[3]
乗入路線 2 路線
所属路線 えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン*[2][4][5]
キロ程 0.0 km(市振起点)
から9.4 km
(8.6 km) 親不知
所属路線 あいの風とやま鉄道線*
キロ程 100.1 km(倶利伽羅起点)
米原から294.5 km
越中宮崎 (4.7 km)
備考 共同使用駅(えちごトキめき鉄道の管轄駅)
無人駅[3]
* 両線で相互直通運転実施。

概要

えちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインと、あいの風とやま鉄道のあいの風とやま鉄道線が乗り入れている。会社境界駅であり、当駅から直江津方面が日本海ひすいライン[4][6]富山倶利伽羅方面があいの風とやま鉄道線となっている[4][6]。当駅は両社の共同使用駅で、えちごトキめき鉄道の管轄駅である[5]。あいの風とやま鉄道で唯一、新潟県に所在する駅である(ただし、あいの風とやま鉄道の管轄駅はすべて富山県に所在)。当駅の西側を流れる境川が富山県・新潟県の両県境である。鉄道資産上は県境付近が両社の境界だが、営業上では当駅が境界で、運賃体系も変わる。

元々は両路線とも西日本旅客鉄道(JR西日本)の北陸本線であったが、2015年3月14日北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴う並行在来線の経営分離により[7][6]、当駅を境に直江津方はえちごトキめき鉄道[2]、倶利伽羅方はあいの風とやま鉄道へ承継され[2]、駅施設もえちごトキめき鉄道へ移管された。

営業上の境界駅は当駅だが、運転系統上での境界駅は朝日町役場の最寄り駅である泊駅となっていて、あいの風とやま鉄道線の泊駅 - 市振駅間は、日本海ひすいラインと一体的な運用が行われている(ただし、糸魚川・直江津方面を結ぶ日本海ひすいラインの急行は当駅発着で運行される)。えちごトキめき鉄道の車両はあいの風とやま鉄道線内では泊駅までの運行、あいの風とやま鉄道の車両は日本海ひすいライン内では糸魚川駅までの運行である。なお、当駅での乗務員交代は行われず、えちごトキめき鉄道またはあいの風とやま鉄道の乗務員が通しで乗務する。

あいの風とやま鉄道線ではJR西日本発行のICカードICOCAが導入されているが、当駅はえちごトキめき鉄道管轄である(えちごトキめき鉄道はICカードを導入していない)ため2023年時点で使用できない[8][9][10]

歴史

駅構造

島式ホーム1面2線を有する地上駅である[21]。駅舎側ののりばに富山方面の列車が、駅舎とは反対側ののりばに直江津方面の列車が発着する。ホームの親不知方の端は緩やかな坂になっており、ここから駅舎へ遮断機・警報機つきの構内踏切が伸びている[21]。駅は海岸沿いに設けられておりホームから海面をのぞむことができる[6][21]。ホームの両側の先に片渡り線が設置されており、急行は親不知寄りの渡り線を利用して折り返す。

JR西日本時代、新潟県ではJR西日本管内最西端の駅であり、当駅から東は糸魚川地域鉄道部の管轄であった[22][23]

駅舎は1908年(明治41年)に竣工した古くからのもので木造平屋建ての建築物である。開業4年前に駅舎が竣工していたのは、かつて当駅が隧道建設の基地であったためであるという[24]。瓦葺き切妻屋根、回廊を巡らした造形など明治期の駅舎の様子が現存しており、屋根の上には雪下ろしの際に命綱を結びつける金具が残っている。駅舎内部には待合所と駅事務室があるが無人駅である[21]

駅の構内には駅舎の越中宮崎方の脇にレンガ積みのランプ小屋が一棟残っている[21]。駅舎および付属のランプ小屋は、2023年2月27日に国の登録有形文化財に登録されている[20]

のりば

ホーム路線行先備考
駅舎側 あいの風とやま鉄道線 富山金沢方面 日本海ひすいライン方面の臨時急行はこのホームから発着
反対側 日本海ひすいライン 糸魚川直江津方面  
  • 案内上の乗り場番号は設定されていない。
  • 警報器から流れるメロディは、糸魚川・直江津方面が『エリーゼのために』、泊・富山・金沢方面は『村の鍛冶屋』である。

利用状況

2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員42人である[25]

各年度の1日平均乗車人員は以下の通り[26][27]

年度1日平均
乗車人員
2004年72
2005年65
2006年60
2007年56
2008年53
2009年49
2010年44
2011年41
2012年44
2013年39
2014年31
2015年56[28]
2016年50[29]
2017年57[30]
2018年43[31]
2019年40[32]
2020年24[33]
2021年30[34]
2022年42[35]

駅周辺

駅の東側には市振集落が、西側には玉ノ木集落があり、特に市振の集落には市振郵便局がある。かつては郵便局の近くに糸魚川市立市振小学校も存在したが、児童数減少のために糸魚川市立青海小学校統廃合された。現在は校舎が解体され、石碑が残っている。当地は古くは越後国越中国の境となっており、関所(市振関)が置かれていたほか、難所親不知が市振の集落から東側に15キロメートルほど続いている[21][23]。「市振」の地名は松尾芭蕉の『奥の細道』に掲載された句(奥の細道#市振の関を参照)にも登場する。

新潟県では最西端の駅である。富山県との県境は近く、当駅の西1キロメートルほどのところで日本海に注ぐ境川が県境である。駅の東500メートルの長円寺には、芭蕉の句を記念する句碑が建立されている。

当駅前からあいの風とやま鉄道・泊駅まで朝日町「あさひまちバス」が運行されている[36]

バス路線

糸魚川市コミュニティバス 青海地域
  • きらら玉ノ木線[37]
  • 市振上路線
  • 各路線とも12月29日 - 1月3日と、祝日に重なった場合は運休[37]。1乗車100円[37]
朝日町 あさひまちバス
  • 市振線[36]
    • あさひ総合病院・泊駅前方面 (1日5便のみ)

隣の駅

えちごトキめき鉄道
日本海ひすいライン
  • えちごトキめき鉄道 臨時急行発着駅
市振駅 - 親不知駅
あいの風とやま鉄道
あいの風とやま鉄道線
越中宮崎駅 - 市振駅

その他

1979年公開の映画「戦国自衛隊」のロケ地のひとつであり、岡田奈々演じる新井和子が、にしきのあきら演じる婚約者(菊池一等陸士)と駆け落ちするためにホームで待つシーンがある。 なお、劇中では、ホーム上の駅名が「いまぶり」に差し替えられている。

脚注

  1. 沿線ガイド(市振駅)<日本海ひすいライン|えちごトキメキ鉄道”. えちごトキメキ鉄道. 2016年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月5日閲覧。
  2. 浅見茂晴(2015年3月13日). “北陸新幹線:「あす開業」「鉄道網」様変わり 運賃、路線、三セク…”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  3. 鉄道友の会新潟支部『新潟県鉄道全駅 増補改訂版』新潟日報事業社、2015年6月30日、253頁。ISBN 9784861326066。
  4. “気ままにマイ・レールウェイ 越後~越中 各駅下車の旅”. 新潟日報モア. (2019年1月11日). オリジナルの2019年2月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190209201710/http://www.niigata-nippo.co.jp/select/railway/087160.html 2021年8月1日閲覧。
  5. “妙高山染める紅葉<えちごトキめき鉄道>”. 読売新聞オンライン. (2020年10月10日). オリジナルの2020年10月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201019045650/https://www.yomiuri.co.jp/local/niigata/feature/CO047212/20201009-OYTAT50168/ 2021年8月1日閲覧。
  6. 富山から石川への峠をめざして 旅行作家・下川裕治がたどる「奥の細道」旅13”. 朝日新聞デジタルマガジン & Travel (2021年2月17日). 2021年8月1日閲覧。
  7. 浅見茂晴、山本愛、板鼻幸雄(2015年3月15日). “北陸新幹線:開業 上越に変革、期待背負い”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  8. ICカードについて|きっぷ・ICカード - あいの風とやま鉄道
  9. ご利用可能エリアICOCA:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
  10. よくある質問 Q8 - えちごトキめき鉄道.2023年11月25日閲覧
  11. 大正元年鉄道院告示第29号(『官報』、1912年(大正元年)10月12日、内閣印刷局)
  12. 石野哲、『停車場変遷大事典 国鉄・JR編Ⅱ』、1998年(平成10年)10月、JTB
  13. 昭和32年日本国有鉄道公示第441号(『官報』、1957年(昭和32年)11月13日、大蔵省印刷局)
  14. 日本国有鉄道編、『日本国有鉄道百年史年表』、1972年(昭和47年)10月、日本国有鉄道
  15. 昭和47年日本国有鉄道公示第261号(『官報』、1972年(昭和47年)10月2日、大蔵省印刷局)
  16. 昭和59年日本国有鉄道公示第174号(『官報』、1984年(昭和59年)1月30日、大蔵省印刷局)
  17. “「通報」身延線甲斐常葉駅ほか36駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 3. (1985年3月27日)
  18. 市振駅 - えちごトキめき鉄道
  19. 国鉄形観光急行~Series455 413~ 運行日・運行時刻”. えちごトキめき鉄道. 2021年8月26日閲覧。
  20. 文化振興課. 糸魚川市内の指定・登録文化財”. 糸魚川市. 2023年11月1日閲覧。
  21. 郡司武編、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地』43号、2013年(平成25年)6月、朝日新聞出版
  22. 隣の越中宮崎駅以西は富山地域鉄道部管轄
  23. 金沢支社エリア - 2009年(平成21年)5月11日、西日本旅客鉄道
  24. 萩原義弘、『にっぽん木造駅舎の旅100選』、2009年(平成21年)12月、平凡社
  25. えちごトキめき鉄道ご利用状況
  26. 統計いといがわ(平成28年度) (PDF)
  27. 統計要覧 統計いといがわ - 糸魚川市
  28. 平成27年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2016年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
  29. 平成28年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2017年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
  30. 平成29年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2019年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
  31. 2018年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2019年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
  32. 2019年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2020年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
  33. 2020年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2021年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月3日閲覧。
  34. 2021年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2022年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
  35. 2022年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2024年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月28日閲覧。
  36. あさひまちバス路線マップ・時刻表 - 朝日町
  37. コミュニティバス・乗合タクシー - 糸魚川市

関連項目

外部リンク

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