成相寺
成相寺(なりあいじ)は、京都府宮津市成相寺にある橋立真言宗の寺院。山号は成相山。本尊は聖観世音菩薩。西国三十三所第28番札所。境内から日本三景のひとつ天橋立が一望できる。
| 成相寺 | |
|---|---|
![]() 本堂 | |
| 所在地 | 京都府宮津市成相寺339 |
| 位置 | 北緯35度35分43.58秒 東経135度11分14.54秒 |
| 山号 | 成相山 |
| 宗旨 | 真言宗 |
| 宗派 | 橋立真言宗 |
| 本尊 | 聖観世音菩薩 |
| 創建年 | 伝・慶雲元年(704年) |
| 開山 | 真応上人 |
| 開基 | 文武天皇(勅願) |
| 正式名 | 成相山 成相寺 |
| 別称 | 成相観音 |
| 札所等 | 西国三十三所第28番 |
| 文化財 |
絹本著色紅玻璃阿弥陀像・鉄湯船ほか(重要文化財) 本堂・鎮守堂・成相寺参詣曼荼羅ほか(府指定有形文化財) |
| 法人番号 | 9130005009619 |
![]() 成相寺 | |
2017年(平成29年)4月、文化庁により、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリー「日本遺産」の「丹後ちりめん回廊」を構成する文化財のひとつに認定された[1][2]。
本尊真言:おん あろりきゃ そわか
ご詠歌:波の音松のひびきも成相(なりあい)の 風ふきわたす天の橋立
歴史
寺伝によれば慶雲元年(704年)、真応上人の開山で文武天皇の勅願寺となったというが、中世以前の寺史は判然としない。
寺は天橋立を一望する鼓ヶ岳(標高569m)の南東山腹の標高328m辺りにあるが、創建時は山のさらに上方に位置し、修験道の道場となっていた。現在地に移ったのは応永7年(1400年)の山崩れ以降である。山号は古くは「世野山」と称し、雪舟の『天橋立図』(京都国立博物館蔵、国宝)には、「世野山成相寺」の書き込みとともに当寺が描かれている。
本尊
本尊の聖観音立像は33年に一度開扉の秘仏で平安時代の作、近年では2005年(平成17年)に開扉された。なお、西国三十三所観音霊場の中興の祖とされる花山法皇の一千年忌を記念して、2008年(平成20年)から2010年(平成22年)にかけて各札所寺院で本尊の開帳が行われ、当寺の本尊は2008年(平成20年)9月6日 - 11月30日、2009年(平成21年)4月5日 - 5月30日に開帳された。
由緒:当地の雪深い草庵に篭り上人が修行中、食糧も絶え餓死寸前となったとき、本尊に食べ物を求めると庵の外に傷ついた鹿が倒れていた。背に腹は替えれず肉食の禁戒を破り鹿の腿をそいで鍋にして食べてしまった。やがて春になり、本尊を見ると腿が切り取られていた。身代り観音であると悟った上人は木屑を拾って腿につけると元の通りになったという。以来、この寺を願う事成り合う寺、成合(相)寺と名付けたという。
境内
- 本堂(京都府指定有形文化財) - 安永3年(1774年)再建。堂内には中央の厨子内に秘仏本尊、厨子前に前立・聖観音立像、向かって左に地蔵菩薩坐像(重要文化財)、右に千手観音立像を安置する。本堂内陣の右側頭上に左甚五郎の作といわれる「真向(まむき)の龍」の彫刻がある。
- 十王堂 - 閻魔大王像と孔雀明王像を安置。
- 熊野権現社(京都府指定有形文化財) - 延宝4年(1676年)建立。鎮守の祠に簡素な覆い堂。
- 鉄湯船(重要文化財) - 本堂手前左側にあり、手水鉢に転用されている。正応3年(1290年)銘がある。
- 観音堂 - 西国三十三所観音霊場のそれぞれの札所の本尊を模した33体の観音像を祀る。
- 鐘楼(京都府指定有形文化財) - 江戸時代再建。袴腰形式。釣られている梵鐘(宮津市指定有形文化財)は「撞かずの鐘」と呼ばれる。逸話として、鐘鋳造のとき見物に連れられて来た子供が坩堝の中に落ちて亡くなった。その鐘を撞くと子供の泣き声が聞こえてくることから撞かなくなったという。
- 五重塔 - 本堂下、山門近くの広場に面して建つ。1998年(平成10年)に完成した新しい塔だが、鎌倉時代の建築様式を再現した木造塔である。
- 山門(仁王門) - 入母屋造単層の八脚門。バス、タクシーでの参拝の場合は直接本堂下まで車が入るため、山門をくぐる参拝者はまれである。
- パノラマ展望所 - 本堂より更に上にあり本堂側の駐車場に展望所まで約2kmの表示有り。好天時はここから天橋立、宮津湾が一望できる。まれに越前海岸や白山が見えることがある。
- 弁天山展望所 - 成相寺の池の付近にある階段を登ると行ける展望所。傘松公園より高所から景色が楽しめる。

五重塔
展望所にある石碑
天橋立を望む
成相寺に咲くシャクナゲ
成相寺参道から宮津湾を眺望
脚注
- 文化庁. “日本遺産認定ストーリー一覧” (PDF). 「日本遺産(Japan Heritage)」について. 2020年11月11日閲覧。
- 文化庁. “300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊”. 日本遺産ポータルサイト. 2020年11月11日閲覧。
- 平成28年10月3日文部科学省告示第140号。
- “京都府指定・登録等文化財”. 京都府教育庁. 2015年2月16日閲覧。
参考文献
- 『日本歴史地名大系 京都府の地名』平凡社
- 『角川日本地名大辞典 京都府上巻』角川書店




