早野 (川崎市)
早野(はやの)は、神奈川県川崎市麻生区の大字[5]。住居表示は未実施である[6]。面積は92.5 ha[2]。
| 早野 | |
|---|---|
| 大字 | |
![]() 早野聖地公園 | |
| 北緯35度34分25秒 東経139度31分00秒 | |
| 国 |
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| 都道府県 |
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| 市町村 |
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| 行政区 | 麻生区 |
| 人口情報(2024年(令和6年)3月31日現在[1]) | |
| 人口 | 630 人 |
| 世帯数 | 296 世帯 |
| 面積([2]) | |
| 0.924990029 km² | |
| 人口密度 | 681.09 人/km² |
| 設置日 | 1939年(昭和14年) |
| 郵便番号 | 215-0016[3] |
| 市外局番 | 044(川崎MA)[4] |
| ナンバープレート | 川崎 |

地理
麻生区の南東端に位置し、鶴見川と支流の早野川が流れる南側は低地となっており、北や東は丘陵地帯となっている[7]。一帯は大半が市街化調整区域や農業振興地域に指定されている[8][9]こともあり、南方の平地は水田として使われ、また丘陵地は畑や雑木林となっている[7]ほか、中央から北部にかけて霊園・公園である早野聖地公園が所在している。また、神奈川県道12号横浜上麻生線の沿線には住宅や商店、また早野聖地公園があることにより石材店なども見られる[10]。
早野は北端で王禅寺・虹ケ丘と、東端から南端にかけて横浜市青葉区のもみの木台・鉄町・寺家町と、西端では下麻生・王禅寺東と接している(特記のない町域は川崎市麻生区)。
水利
早野は周囲を鶴見川や早野川が流れているが、水田より低く、農業用水として活用することはできなかった[11]。そのこともあり、時期は不明であるが、『新編武蔵風土記稿』にも7つのため池(上池・五郎池・林ケ池・中ノ谷池・堤入池・竜ケ谷池・下谷池)が作られていたことが残っている[11] [12]。池の水は厳密に管理されていたが、土地改良前には田から田へと水を流さざるを得ず、水を無駄にしないよう細心の注意を払うこととなった[13]。
池の維持管理(補修・泥浚いなど)は、住民の手で行われてきたが、1991年(平成3年)には災害対策事業としてため池の改修工事の申請が行われ、国費が1/2、県費が1/4、地元負担が1/4で事業が進み、3年後に完工した[14]。もともとため池の地権者が川崎市であったこともあり、維持管理費は川崎市から委託するという形で水利組合へ支出されるようになった[14]。
用水に悩むのは早野ばかりでなく、隣接する鉄村では鶴見川から水を引いていたが、この用水路が早野を通過しており、早野が堀敷料を受け取っていた。不作の年は堀敷料をめぐって争いも起こったが、この関係は戦後に早野を通過せず鶴見川から水を汲み上げるポンプ場を設置するまで続いた[15]。
歴史
当地では8世紀頃に築造されたと推定され、人馬の線刻画が描かれた早野横穴墳墓が発見されており、勅旨牧である石川牧との関連も指摘されている[16]。一方、早野の文献への初出は時代を下って1559年(永禄2年)の「小田原衆所領役帳」で、「小机早野郷」として残る[7]。
江戸時代の当地は旗本の富永氏領であった[7]。村高は、正保年間の「武蔵田園簿」で220石5斗あまり、「元禄郷帳」や「天保郷帳」では225石5斗あまり、幕末の「旧高旧領取調帳」では250石(うち5石5斗は戒翁寺領)というように推移していた[7]。「新編武蔵風土記稿」によれば家は25軒で[5][12]、水利のために溜池が設けられていた[17]。隣村の鉄村との間では境界争いも行われ、争いにまつわる言い伝えが残る「鉄火の松」や境界線に築かれた「境塚」などの名が、現代にもその名残りを伝えている[17]。
明治以降、当地は都筑郡早野村から柿生村を経て、川崎市に編入された。農業として、明治からの稲作以外に昭和からは野菜作り、戦後には庭木やシイタケ栽培[5]も行われ、第二次大戦までは養蚕も盛んであった[18]。早野の農地を大きく分けると「広地中」・「谷戸田」・「山田」に分かれるが、広地中は21世紀でも農業が続いている一方、ほとんどの谷戸田は埋められ早野聖地公園となり、そして山田は大規模開発で虹ケ丘へと変貌し、農地は見る影もない[19]。
地名の由来
由来ははっきりしないが[7]、いくつかの説が唱えられている。
沿革
- 1868年(明治元年)- 明治維新。当地は神奈川県に属する。
- 1874年(明治7年)- 大区小区制により、当地は第6大区第7小区に属する。
- 1889年(明治22年)- 町村制施行により柿生村が成立。早野はその大字となる。
- 1904年(明治37年)- 日露戦争。早野からは6人が出征したが、1人の戦死者も出すことがなかった[20]。
- 1923年(大正12年)- 電線が引かれる[5]。
- 1939年(昭和14年)- 柿生村が川崎市に編入される。川崎市早野となる。
- 1969年(昭和44年)- 水道が引かれる[21]。
- 1970年(昭和45年)- ほぼ全域が市街化調整区域に指定される[5]。
- 1972年(昭和47年)- 川崎市が政令指定都市に移行。川崎市多摩区早野となる。
- 1973年(昭和48年)- 一部で区画整理が行われ、虹ケ丘が分立[22]。
- 1982年(昭和57年)- 多摩区から麻生区が分立。川崎市麻生区早野となる。
- 1994年(平成6年)- ため池の改修工事が完成。
世帯数と人口
2024年(令和6年)3月31日現在(川崎市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
| 大字 | 世帯数 | 人口 |
|---|---|---|
| 早野 | 296世帯 | 630人 |
学区
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2022年7月時点)[30][31]。
| 番地 | 小学校 | 中学校 |
|---|---|---|
| 1150番地 | 川崎市立虹ヶ丘小学校 | 川崎市立王禅寺中央中学校 |
| その他 | 川崎市立東柿生小学校 | 川崎市立柿生中学校 |
その他
脚注
- “令和6年町丁別世帯数・人口 3月末日現在” (XLS). 川崎市 (2024年4月25日). 2024年4月26日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC BY 2.1 JP DEED)
- “町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)」の数値)”. 川崎市 (2018年5月22日). 2021年12月12日閲覧。
- “早野の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- 『角川日本地名大辞典』、p.728。
- “区別町名一覧表(麻生区)”. 川崎市 (2014年10月20日). 2021年12月12日閲覧。
- 『川崎地名辞典(下)』、p.240。
- 『角川日本地名大辞典』、p.728。
- “ガイドマップかわさき 都市計画情報 用途地域等”. 2024年5月1日閲覧。
- 『角川日本地名大辞典』、p.1070。
- 『七つの池とともに』、p.76。
- 新編武蔵風土記稿 早野村.
- 『七つの池とともに』、p.78。
- 『七つの池とともに』、p.81。
- 『七つの池とともに』、p.29。
- “早野横穴墓”. 川崎市. 2012年4月3日閲覧。
- 『川崎の町名』、p.267。
- 『七つの池とともに』、p.89。
- 『七つの池とともに』、p.86。
- 『七つの池とともに』、pp.51-52。
- 『七つの池とともに』、p.84。
- 『川崎地名辞典(下)』、p.241。
- 『川崎の町名』、p.268。
- “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
- “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
- “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
- “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
- “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
- “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
- “麻生区の小学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2022年7月31日閲覧。
- “麻生区の中学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2022年7月31日閲覧。
- “経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
- “経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- “神奈川県神社庁/神社検索/子ノ神社”. 神奈川県神社庁. 2019年9月13日閲覧。
- “郵便番号簿 2023年度版” (PDF). 日本郵便. 2024年5月1日閲覧。
- “交番案内/麻生警察署/神奈川県警察”. 神奈川県警察. 2024年5月1日閲覧。
参考文献
- 「早野村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ87都筑郡ノ7、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763987/1/106。
- 日本地名研究所 編 編『川崎の町名』川崎市、1995年。
- 『川崎地名辞典(下)』川崎市、2004年。
- 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年。
- 『七つの池とともに -ふるさと早野をかたる-』早野郷土誌刊行会、2001年。
