栗木 (川崎市)

栗木(くりぎ)は、神奈川県川崎市麻生区の地名。 1999年(平成11年)に住居表示が施行された町丁としての栗木1丁目から栗木3丁目と、2021年6月現在住居表示未実施の大字栗木が並存している。

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栗木
町丁大字
真光寺緑地
北緯35度36分13秒 東経139度28分24秒
日本の旗 日本
都道府県 神奈川県の旗 神奈川
市町村 川崎市
行政区 麻生区
人口情報2024年(令和6年)3月31日現在[1]
 人口 1,641 人
 世帯数 631 世帯
面積[2]
  0.70926393 km²
人口密度 2313.67 人/km²
設置日 1939年昭和14年)
郵便番号 215-0033[3]
市外局番 044(川崎MA[4]
ナンバープレート 川崎
ウィキポータル 日本の町・字
神奈川県の旗 ウィキポータル 神奈川県
ウィキプロジェクト 日本の町・字

地理

川崎市麻生区の西北部に位置する[5]。全域が多摩丘陵丘陵地の中にある[5]鶴見川水系麻生川の支流片平川の最上流部に位置し、かつては樹枝状に複雑な形で谷戸が刻みこまれ源流域を形成していた[5]。標高はおおむね50メートルから120メートルであり、北部の黒川との境に近づくほど標高が高い。

栗木1丁目から3丁目土地区画整理事業によって均された土地が広がり、住宅と畑が混在している。2丁目は「かわさきマイコンシティ」として整備され[5]、情報・電子関連の企業の研究所や関連施設が立地する工業団地となっている。3丁目の南側は桐光学園の敷地となっており、小学校・中学校・高等学校が置かれている。

住居表示未実施の栗木は地区南端に残存し、かつて京衛谷戸[6]と呼ばれた谷戸に住宅が集中する。周囲は山林に囲まれ、片平に続く金井原[7]の台地に農地が広がっている。栗木3丁目との境界には桐光学園の関連施設がある。

栗木地区は北は川崎市麻生区内の黒川、東は栗木台、南は片平に隣接する[5]。黒川との境は多摩川水系三沢川と鶴見川水系片平川の分水嶺となっており、かつてババ尾根[6]と呼ばれた峠道があった。北西から南東にかけては神奈川県道137号上麻生連光寺線に面し、栗木台との境界となっている。片平との境は緩やかな台地が広がっている。

西は東京都町田市真光寺広袴と接し[5]、県境の尾根に帯状の緑地(真光寺緑地)が残され遊歩道が整備されている。

地価

住宅地の地価は、2024年令和6年)1月1日公示地価によれば、栗木1-13-3の地点で17万7000円/m²となっている[8]

歴史

古代以前

  • 縄文時代-地区内の遺跡より早期・前期・中期の遺物が出土している。[5]

南北朝時代

江戸時代

武蔵国都筑郡栗木村であった。

明治時代~戦前

江戸期から盛んであった炭焼きは明治に入ってからさらに隆盛となり、黒川炭として出荷された。禅寺丸柿の生産、養蚕業も盛んであった[10]

戦後~現在

小田急多摩線の開通とともに東京のベッドタウンとしての開発が進む。多摩丘陵に抱かれた農村であった栗木は激変し、住宅街へと生まれ変わる。

  • 1972年(昭和47年)-川崎市が政令指定都市となり、区制施行。多摩区が誕生する。神奈川県川崎市多摩区栗木となる[10]。この年栗木第一土地区画整理事業が発足。小田急線多摩線の敷設も進行し、地域の東半分の開発が進められる[10]
  • 1974年(昭和49年)-小田急多摩線が開通。栗木の東部を横断する。片平との境界に栗平駅が開設[10]
  • 1976年(昭和51年)-区画整理による住居表示実施で栗平駅周辺が栗平1丁目・2丁目となり栗木から分離[10]栗平は栗木の「栗」と片平の「平」による合成地名[11]
  • 1982年(昭和57年)-川崎市が区制を再編し多摩区から麻生区を分区。神奈川県川崎市麻生区栗木となる[10]
  • 1983年(昭和58年)-栗木第一土地区画整理事業が竣工。地区の東半分が栗木台1丁目~5丁目として住居表示実施、栗木より分離[10]。開発総面積は63ヘクタール余り[10]、丘陵の雑木林に囲まれた細い谷戸が伸び、水田が広がっていた農村は広大な住宅街に生まれ変わった。この年黒川との境の山にあった柿生小学校黒川分校が閉校し、栗木台5丁目に栗木台小学校が開校。
  • 1987年(昭和62年)-残った西半分で栗木第二土地区画整理事業が開始[10]
  • 1994年平成6年)-天王山と呼ばれた山に鎮座していた御嶽神社が、開発により山がなくなり現在地に移転[12]
  • 1995年(平成7年)-川崎市により、区画整理事業地に計画されるかわさきマイコンシティへの企業誘致開始。
  • 1999年(平成11年)-栗木第二土地区画整理事業が竣工。開発総面積45ヘクタール。山は削られ谷戸は埋められ、旧来の面影は全く失われた[10]。区画整理により住居表示実施、栗木1丁目~3丁目成立[10]。従来の住居表示未実施の栗木は南端部に残るのみとなった。ここのみ土地区画整理事業から外れ、旧来の農村の面影が残っている。
  • 2006年(平成18年)-かわさきマイコンシティへの企業誘致完了

地名の由来

「急な崖の目立つ地」という説がある[5]。 クリは崖が刳られたような急な形になっている様子を表す地名語で、キは単に場所を表し、「栗木」の漢字表記はのちの当て字とみる[5]。 江戸時代の貞享、元禄年間の文書には「栗喜」と書かれたものもある[7]

また、単純にクリが多く生えていたからという説もある[5]

周辺住民や一部の道路地図では「くりき」と呼称する例があるが、「くりぎ[5][7] が正式な読み方である。

字名・旧地名

字名

栗木村には1875年に4つの新字が確定され、字名には数字番号が用いられた[13]

字名読み方現在地その他
1号[13] いちごう 村域の東北の字[13]。大字栗木の北部に現存。かつては栗木台1丁目と4丁目、栗平1丁目から2丁目の各一部も含んだ[13]
2号[13] にごう 村域の東南の字[13]。大字栗木の南部に現存。かつては栗木1丁目・3丁目の一部を含んだ。
3号[13] さんごう 村域の西北の字[13]。1983年の住居表示で消滅。現在の栗木台1丁目から5丁目、栗平2丁目の各一部。
4号[13] よんごう 村域の西南の字[13]。1999年の住居表示で消滅。現在の栗木2丁目の全域と栗木1丁目・3丁目のそれぞれ一部。

旧地名

現在の栗木1丁目~3丁目、大字栗木の旧地名について述べる。

谷戸名

  • なか谷戸やと

旧栗木地区の中央、神奈川県道137号上麻生連光寺線に沿う大きな谷戸[6]。バス停名に仲谷戸として残る。

  • 大森だいもり谷戸やと

栗木3丁目12番地、桐光学園の北側辺りから2丁目のかわさきマイコンシティを通り黒川との境まで刻まれた長大な谷戸[6]

  • 畑谷はたやと

栗木3丁目6番地辺りで大森谷戸から分岐しマイコンシティへ向かって伸びていた谷戸。

  • 松原まつばら谷戸やと

栗木1丁目24番地辺で中谷戸から分岐し[6]、黒川との境界の山に入り込む谷戸。

  • 土地とちくぼ谷戸やと

栃窪谷戸とも。栗木3丁目13番地辺、現在桐光学園があるところ[11]

  • きょう衛谷戸えやと

大字栗木322番地辺より南に入る谷戸[6]。土地区画整理事業地から外れたため、現在も地形が残り田園風景がみられる。東には片平に続く金井原の台地が広がる。

小地名

  • みず

3つの大きな谷戸が片平川の谷に合流するところ。上麻生連光寺線と栗木台からの大通りの交差点辺り。村の中心的な場所だった[13]

  • かめ

上麻生連光寺線沿いの片平との境界辺り。片平側にも同じ亀井の地名がある [10][7]

  • かなばら

大字栗木の東側から片平字金井原に続く緩やかな台地[7]。畑が多い。

  • おお芝原しばらだい

大森谷戸と畑谷の間の台地。栗木2丁目6番地辺りから南東に細長く続いていた。シバラは村の端の採草地などに付けられる地名[13]。栗木1丁目17番地の栗木おおしばら公園に名を留める。

  • 観音かんのん

栗木3丁目6番地辺り、大森谷戸から畑谷が分かれるところにあった畑[11]。由来不詳[11]

  • 高山たかやま

栗木2丁目8番地、黒川との境の山。ここに榛名山の祠があったという[6]

  • 犬塚いぬづか

栗木2丁目8番地、黒川との境の山。昔狩りに来た殿様の犬が猪とたたかって死んだのでその犬を葬った塚と伝わっている[6]

  • ばば尾根おね

中谷戸の奥、上麻生連光寺線が黒川へ抜ける切り通しが造られている尾根[14][6]。牛馬も通るのに骨が折れたと言われるほど険しい尾根道だった[14]

  • 天王山てんのうやま

御嶽神社があった山。開発により山はなくなり、御嶽神社は今の位置に移った。大正時代までここに天王社八雲神社)があったためこの名がついた[6][7]

  • 山王山さんのうやま

大字栗木287番地辺。何故か兵隊道とも呼んだ[6]栗木山王山特別緑地保全地区がある。

  • 合院塚ごういんづか

跡地は大字栗木280番地。金井原の台地上にこんもりとした塚が7基あり、修験者代々の墓所と思われた[6][11]。土地の者は法印様ほーえんさまと呼んだ[12]

  • 高札こうさつ

大字栗木183番地、テニスクラブの前あたりにあった[10]

世帯数と人口

2024年(令和6年)3月31日現在(川崎市発表)の世帯数と人口は以下の通りである。栗木2丁目は全域がマイコンシティ栗木地区となっているため住居はなく、住民登録している住民はいない[1]

大字丁目世帯数人口
栗木 74世帯 154人
栗木1丁目 417世帯 1,080人
栗木3丁目 140世帯 407人
631世帯 1,641人

人口の変遷

国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[15]
304
2000年(平成12年)[16]
743
2005年(平成17年)[17]
987
2010年(平成22年)[18]
1,053
2015年(平成27年)[19]
1,243
2020年(令和2年)[20]
1,501

世帯数の変遷

国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[15]
82
2000年(平成12年)[16]
230
2005年(平成17年)[17]
308
2010年(平成22年)[18]
364
2015年(平成27年)[19]
409
2020年(令和2年)[20]
514

学区

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2021年12月時点)[21][22]

大字・丁目番・番地等小学校中学校
栗木全域川崎市立栗木台小学校川崎市立白鳥中学校
栗木1丁目全域
栗木2丁目全域
栗木3丁目全域

事業所

2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[23]

大字丁目事業所数従業員数
栗木 3事業所 40人
栗木1丁目 5事業所 13人
栗木2丁目 59事業所 2,974人
栗木3丁目 7事業所 271人
74事業所 3,298人

事業者数の変遷

経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[24]
68
2021年(令和3年)[23]
74

従業員数の変遷

経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[24]
3,372
2021年(令和3年)[23]
3,298

その他

日本郵便

警察

町内の警察の管轄区域は以下の通りである[26]

大字・丁目番・番地等警察署交番・駐在所
栗木全域麻生警察署栗平駅前交番
栗木1丁目全域
栗木2丁目全域
栗木3丁目全域

脚注

  1. 令和6年町丁別世帯数・人口 3月末日現在 (XLS). 川崎市 (2024年4月25日). 2024年4月26日閲覧。 (ファイル元のページ)(CC BY 2.1 JP DEED)
  2. 町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)」の数値)”. 川崎市 (2018年5月22日). 2021年12月12日閲覧。
  3. 栗木の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
  4. 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. 川崎地名辞典(下)』、p.189。
  6. 川崎地名辞典(下)』、p.192。
  7. 川崎市の町名』、p.273。
  8. 不動産情報ライブラリ 国土交通省地価公示(標準地) 川崎麻生-32”. 国土交通省. 2023年4月9日閲覧。
  9. 新編武蔵風土記稿 栗木村.
  10. 川崎地名辞典(下)』、p.190。
  11. 川崎市の町名』、p.274。
  12. 川崎地名辞典(下)』、p.193。
  13. 川崎地名辞典(下)』、p.191。
  14. 川崎市の町名』、p.276。
  15. 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  16. 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  17. 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  18. 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  19. 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  20. 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  21. 麻生区の小学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2021年12月12日閲覧。
  22. 麻生区の中学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2021年12月12日閲覧。
  23. 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  24. 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  25. 郵便番号簿PDF(2023年度版) 表紙等付属資料 (PDF). 日本郵便. 2024年2月10日閲覧。 郵便番号データダウンロード 郵便番号簿PDF(2023年度版)
  26. 交番案内/麻生警察署/神奈川県警察”. 神奈川県警察. 2024年3月19日閲覧。

参考文献

関連項目

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