炭素回収技術研究機構

炭素回収技術研究機構(たんそかいしゅうぎじゅつけんきゅうきこう、英:Carbon Recovering Research Agency)とは、二酸化炭素回収装置の開発・販売などを行っているベンチャー一般社団法人である。略称はCRRA(シーラ)。

炭素回収技術研究機構
Carbon Recovering Research Agency
種類 一般社団法人
略称 CRRA
本社所在地

日本の旗 日本
〒135-0063
東京都江東区有明3丁目7番18号

有明セントラルタワー17F
北緯35度37分56.1秒 東経139度47分38.0秒
設立 2020年4月7日(一般社団法人化)
業種 その他製品
法人番号 9010905003939
事業内容 #事業内容 の項を参照
代表者 村木風海(代表理事・機構長)
従業員数 20人(非常勤・インターンシップ含む)[1][注 1]
外部リンク https://www.crra.jp/

概要

代表理事・機構長は発明家、起業家で、ホリプロに所属するタレントである村木風海[4][5]。2017年10月5日に創立、2020年4月7日に一般社団法人化した[1]。

「地球温暖化を止め人類77億人全員を救う」「空気中の二酸化炭素からあらゆる有機製品を合成(全合成)・石油製品を置き換える」「人口爆発に備え火星移住を推進する」という、3つの野心的な目標を掲げているが[6]、上記目標実現のための具体的な技術、事業収支や事業計画などについては、非公開や不明瞭な点が多い[注 2]。経営は合議制を採用しておらず、法人のすべての方針を村木が決定する独任制である[8]。

事業内容

現在は二酸化炭素回収装置「ひやっしー」の開発と販売、二酸化炭素から製造する燃料(バイオ燃料・E-fuel)「そらりん」の開発、サイエンスショー、講演会などを行う。

同社が行うとしている事業は以下の通り[注 3][1]。

そのほか、2023年5月には学校創設の計画があることを明らかにしている[9]。

なお同社は、2024年4月現在において鉄道事業に係る各種登録や許可、航空運送事業者及び航空機使用事業者許可、宅地建物取引業免許、旅行業事業者登録、学校法人認可等、上記事業に必要な登録・許可・免許の多くを有していない。また、文部科学省指定の研究機関ではない[10][11]。

沿革

  • 2017年 - 村木の「温暖化対策を身近に ― CO2直接空気回収マシーン CARS-α ―」が総務省・角川アスキー総合研究所の異能vationプログラム[注 4]の「破壊的な挑戦部門」技術課題に採択される[14]。支援金は300万円[15]。
    • 10月5日 - 村木がCRRAを設立。この時点では一人で運営を行っていた[16]。
    • 12月 - 総務省から支給された研究費をもとに、二酸化炭素直接空気回収装置(ひやっしー)の初号機を作成[17][18]。当初は自走式のロボットを予定していた[19]。
  • 2019年 - 村木が高校の夏休みに祖父と「ひやっしー」21台を手作りした[20][14]。
  • 2018年 - 二酸化炭素直接空気回収装置を山梨県北杜市の小中学校及び北杜市役所須玉総合支所に無料で貸し出した[21]。
  • 2019年12月18日 - 回収した二酸化炭素を気体に戻し高圧貯蔵する装置「とるっしー」の初号機を作成[22]。
  • 2020年4月7日 - CRRAが一般社団法人化。
  • 2021年
  • 2022年
    • 1月26日 - 二酸化炭素回収装置ひやっしーの第4世代の販売を開始。同時にカーボンニュートラルな「二酸化炭素経済圏」を実現することを目指して、二酸化炭素回収量に応じたポイントサービス「ひやっしーマイル」を開始。ポイントは現在Amazonポイントとして使用できるほか、実店舗での支払いでも使えるよう協賛企業と調整を進めているとしている[37]。また同日、本社を世田谷区赤堤から東京都江東区青海に移転[注 3]。
    • 3月26日 - もくもく2.5の放球に成功したが、着水後に通信が途絶[38][39]。
    • 6月16日 - スマート農業ベンチャーのHappy Qualityと業務提携[40][41]。
    • 7月6日 - ひやっしーマイルに付随し、二酸化炭素回収量に応じてCRRA公式ホームページや公式YouTubeチャンネルであるCRRA国際放送の動画などに出稿できる広告枠が付与されるサービス「まいたんサポーター」を開始[42][43]。後述するCRRA傘下で計画されているそらりんを使った輸送サービス開始時には、各交通機関にも広告を出稿可能とした。
    • 8月30日 - もくもく3放球の無期限延期を発表[44]。
    • 9月15日 - 本社を江東区青海から現在の江東区有明に移転[注 3]。
    • 12月20日 - 山梨県との連携協定を締結[45][46][47]。県はCRRAに二酸化炭素からの代替燃料製造の実証実験の場を提供するほか、回収した二酸化炭素を施設園芸農業で活用して生産性を高める取り組みなどへの協力も視野に入れているとした[48][注 5]。
  • 2023年

二酸化炭素回収装置「ひやっしー」

CRRAでは村木が高校生時代に取得した特許[21]及び2021年に出願の特許[60]に基づく小型二酸化炭素回収装置「ひやっしー」の開発・販売を行う。当初の正式名称は「二酸化炭素直接空気回収装置(CARS-α)」で[61]、愛称は温暖化する地球を「冷やす」装置であることに因む。水酸化ナトリウム水溶液に吸気した空気を通気することで起こる、吸気中の二酸化炭素との中和反応を用いたものである[62][注 6][注 7][注 8]。

年間165億トンの二酸化炭素回収を目指しており[67]、2018年時点のサイズ・性能では282兆台で地球温暖化を止めることができ、装置を24時間稼働できるようになれば47兆台、吸収性能を84倍にできれば5400億台で足りるとした[68]。またひやっしーのみで地球温暖化を止めるのではなく、二酸化炭素排出をゼロにしたうえで余剰分の二酸化炭素をひやっしーで100年かけて回収するという計画であった[69]。2021年8月のインタビューにおいては、村木はひやっしーを世界中に1億台単位で普及させたあと[注 9]、将来的には大型のDACのプラントを建設し残りの二酸化炭素を除去しようと考えていると述べた[70]。2023年の著書ではひやっしーで目指す二酸化炭素回収は地球上の10%、残り90%を大型DACプラントで回収したいとしている[71]。

2020年10月時点までの改良で初代機(1時間あたり0.04グラム・20ミリリットル[16])比で性能が195倍・1時間あたり4~5リットルの二酸化炭素を吸収可能[72]、翌2021年8月のインタビューでは、第3世代機を1年間連続稼働させた場合、二酸化炭素を約100kg回収可能である見込みと述べ[70]、同年9月時点では、2017年からの3年で性能が700倍に向上、1時間あたり約5.4グラムの二酸化炭素を回収可能としていた[20]。しかし2021年10月に、それまで二酸化炭素吸収性能の検証に用いていた中和滴定と新たに検証した赤外線によるガス濃度測定で、これまでカタログスペックとして表記していた吸収性能の数値と大幅に異なる結果が出たとして一時販売を停止し[73]、改良ののち2022年1月に新型(第4世代)として販売を再開した[37]。

2024年現在、この第4世代が最新版である。装置の形状は上部にタッチパネルのついたスーツケース型で[74][75][注 10]、縦72センチ、横48センチ、奥行き28センチ[80]。システムのクラウド化による二酸化炭素回収量の可視化や遠隔サポート機能、100%太陽電池による稼働などの機能を備える[注 11]。仮に火力発電所から供給される電力で稼働させた場合は、発電によって放出される二酸化炭素量がひやっしーが1年間に回収できる量を超えるとして、CRRAは太陽電池による稼働を推奨している。現行機は、二酸化炭素濃度が平均460ppmの環境において装置からの放出エア中の二酸化炭素濃度は平均200ppm、1,300ppm程度の環境では放出エア中の二酸化炭素濃度が約250ppm、4,800ppmの非常に高い二酸化炭素濃度の環境においては放出エア中のCO2濃度が約760ppmであり、吸気中から約60~80%の二酸化炭素を吸収する機能を持つとしている[37]。同社はホームページ上で内部構造を公開し、現行機には4本のカートリッジが内蔵されており、カートリッジの交換頻度は二酸化炭素濃度にもよるものの1~2ヶ月に1回程度[75]、使用済みカートリッジの返送・新しいカートリッジの送付については宅急便で対応するとしている[20][注 12]。現状、回収した二酸化炭素を含んだ使用済みのカートリッジは本社で保管しており、後述する「そらりん」の連続的・商業的生産には至っていない[62]。反応で回収できるカートリッジ1本あたりの(内蔵する水溶液が完全に中和するまでに吸収する)二酸化炭素の総量は明記されていないが、初代機比で840倍[84]、1年間に回収できる二酸化炭素量の目安は、二酸化炭素濃度400ppmの環境で平日日中8時間利用した場合に約1kg、毎日24時間連続運転した場合約4.1kgとしている[注 13][注 14]。

ひやっしーの製造から運用、廃棄まで通して見た場合に二酸化炭素排出量が実際にマイナスとなるかについては、2021年時点でライフサイクルアセスメントを行っており[86]、ひやっしー現行機(第3世代)において使用した外部電力(発電所における発電によって発生するもの)以上に二酸化炭素を回収できることが確認できているとしていた[26]。しかし2023年5月時点ではカーボンフットプリントの算出は終わっておらず、その上で村木は二酸化炭素収支について「十分にマイナスに働くんじゃないかなというある程度の勝算はある」と説明した[7][注 15]。2019年時点では生産目標75億台[88]、価格はスマートフォン1台分程度を予定しており[19]、2023年時点における第4世代機では、個人プランにして年間約50万円、企業プランで年90万円のレンタル(サブスクリプション)式となっている[89]。

当初2023年度中に完成予定としていた(現在は1号機を2024年度中に完成予定[84])中規模二酸化炭素回収装置「ひやっしーパパ」については、1年あたりの二酸化炭素吸収量は36トン程度を見込んでいるほか[90]、同社に客員研究員として所属する小学5年生の加藤諄之が二酸化炭素回収ドローンを開発している[91][92][93]。また船体に取り付けることで海中に溶存する二酸化炭素を回収する装置「ひやっしーまりん」の開発も進めており[91][80]、2024年中にプロトタイプを完成させ、船舶に搭載して稼働実験を行いたいとした[84]。

しかし二酸化炭素は空気中・海水中に放出された時点で希釈されて濃度が下がり、回収効率が低下してしまうため、二酸化炭素を回収するのであれば自動車や火力発電所等の二酸化炭素発生源から直接回収したほうがより効率的である。「ひやっしーパパ」は工場に後付設置することができるような形式を予定しているが[94]、ドローン型二酸化炭素回収装置は設置場所を必要としないこと・移動可能であることなどが特徴だとしているが[95]、ドローンについては飛行すること自体にエネルギーを消費し、小型では限られた容量の回収装置しか積載できないが、大型化するほど回収装置そのものの規模に対して機体重が増加、飛行するために必要なエネルギーも大幅に増えてしまう(2乗3乗の法則)ため、「濃度が高い場所へ飛行して二酸化炭素を回収するドローン」というコンセプトは非効率的な装置といえる。

ひやっしーは個人向けのほか、大手自動車メーカーや化粧品メーカー、SDGsに取り組んでいる企業[96][97][98]、診療所[99]、私立学校や学習塾[100]その他教育機関[101]、自治体[102]、地域のコミュニティセンターなどに納入しているとしているが[80]、稼働実績や生産台数については明らかでない。

二酸化炭素利用燃料「そらりん」

CRRAが上記の二酸化炭素回収装置「ひやっしー」で回収した二酸化炭素を利用して製造するとしている燃料が「そらりん」である[103]。愛称は「空」気中から作ったガソ「リン」に因む[104]。

現在同社が開発・検討中の二酸化炭素利用燃料は、ひやっしーで二酸化炭素を吸収させたカートリッジ内の液体を微細藻類のスピルリナの培養に使用[注 16]、産生したグルコースを酵母でアルコール発酵させ蒸留することでバイオエタノールを製造[20][111][注 17]、またそこに廃油を混合し反応させることで軽油相当の燃料、及び副産物として化粧品材料を合成するというもののほか[113][114]、二酸化炭素を吸収した液体に装置「とるっしー」[22]で塩酸を混合することで気体の二酸化炭素を取り出しタンク代わりのタイヤに貯蔵[115]、この二酸化炭素に銅とグラフェンを触媒として1.5ボルト程度の弱い電圧をかける電解法でメタンやエタノール等の燃料合成を行うというものである[116][117][84]。村木は2023年中には電解法での燃料合成を行う計画で、コストはエタノール1リットルあたり約130円程度としていた[118][80]。現在は2025年中に各都道府県に「そらりんスタンド」を設置することを目指している[8]。

微細藻類のクロレラを用いた三菱重工によるバイオエタノールの先行研究はあるが、得られるアルコール量は溶液体積に対して微量であり高効率とは言えず[119]、燃料製造事業としてまとまった量のバイオエタノールを製造するための藻類の培養には広大な敷地と水資源、光合成のための長い日照時間が必須であると考えられる。CRRAと連携協定を締結した山梨県は日本でも雨が少なく日照時間の長い地域であるが[120]、実験用地となる場所については現在までに発表はない。村木も2024年4月のインタビューにおいてバイオ燃料はコスト高になるなど問題があることを挙げ、現在は電解法をバイオ燃料製造に代わるそらりんの製造方法として研究中であるとしている[84]。

また、そもそもこのような二酸化炭素を回収して生成する燃料は熱力学第一法則・熱力学第二法則のために、その燃料を作るために必要なエネルギーのほうがその燃料の持つエネルギーよりも必ず大きくなってしまう。たとえ再生可能エネルギーを用いてこの燃料を生成するとしても、燃料の生成を経ずに再生可能エネルギーを直接利用したほうがより効率的であることを、三菱石油(現・ENEOS)でエネルギーについての調査を行っていた専門家が指摘している[121]。サイエンスライターの佐藤健太郎は、この燃料合成技術が確立したとしても、生成されるそらりんを構成する炭素のうちひやっしーで空気中から回収した二酸化炭素由来の部分は全体の約1割であり、残りの9割は同時に使用する原料の廃油由来の炭化水素鎖であることを指摘し、これを「回収した二酸化炭素から作った人工燃料」と呼ぶべきかどうかについて疑問を呈した[122][注 18][注 19] 。

成層圏飛行「もくもく計画」

2020年から2022年にかけて、CRRAではヘリウム風船を用いた成層圏飛行「もくもく計画」を行った[27][128]。これは将来的な有人成層圏飛行(宇宙旅行事業)を視野に入れたものであり、CRRAでは「成層圏探査機」と呼称していたが、これまでに実験を行った3基については、いずれもラジオゾンデや大型の高高度気球規模のものである。実運用時には複数の風船を使用し目標高度まで到達したところで風船の切り離しを行い浮力を調整する方法や、ゼロプレッシャー気球のように風船内のヘリウム量を調整することで高度を維持する方法が検討された[20]。有人飛行の際は与圧服(宇宙服)を着用しての飛行や骨組みの船殻の中に入るかたちでの飛行を予定しており[44]、これに向けてソ連空軍の1970年代の VKK-6高高度与圧服を11万円で調達した[20][129]。

CRRAは一人あたりチケット100万円、さらには30万円台での宇宙旅行を視野に入れ、当初2021年に日本初の成層圏有人飛行を目指し[注 20]、2023年に宇宙の入り口ツアースタートを予定していた。2022年3月までに計3基で実験、第4回目はさらに大型の「もくもく3」の飛行実験を目指したが[132]、ヘリウム価格の高騰のため2022年8月末をもって計画を一旦無期延期とした。

ヘリウムは元来、化石燃料である天然ガス採掘の副産物としてわずかに産するのみであり、それを風船で毎回使い捨てるという事業モデル自体が地球環境保護を掲げる同社のコンセプトと相性が悪かったと言える。村木は「将来的に持続的にヘリウムを使って打ち上げをしようとは考えていなかった」と弁明し、事業のヘリウム使用からの脱却のため、浮揚ガスとして水素を安全に運用する方法の研究を行っているほか、そらりんを使った熱気球による成層圏飛行などについても検討するとした。

しかし2023年に入り方針を転換。再びヘリウムを使用した飛行実現のため、ヘリウムの調達交渉を再開した[8]。同年8月の機構パンフレットでは、「もくもく3」の実験を2023年中に予定していた(その後2024年中に変更[8])ほか、2024年には村木自らが機体に乗り有人成層圏飛行[133]、また2030年度には月面有人探査、2045年に人類初の火星着陸を目指すとした[134]。

不老長寿の研究

当社化学生命医療局(LC3)では、老化の制御についての研究を行っており、ヒトの寿命を100~250歳に伸ばすことを目標としている[135][136][90]。同局では2022年1月21日から、マイナス80度の超低温冷凍庫を購入するためとしてクラウドファンディングを行っている[137]。2023年の資料では、出芽酵母を用いて老化プロセスの研究を進めていくとしている[133]。

CRRA国際放送

CRRA国際放送(CRRA International Television Co.)という公式YouTubeチャンネルを有し、CRRAで行う各プロジェクトのPR・ドキュメンタリー動画等のほか、日本の科学研究の紹介、東日本大震災被災地の取材などの動画を投稿している[138][139]。2024年4月時点でのチャンネル登録者数は1,350人。チャンネルは「どんな壮大な問題に対しても、人類が明るく前向きに対処できるよう意識改革すること」をコンセプトとし、「研究機関だからこそ成せる、確かな科学的根拠を元に研究者の視点から真実を伝える」としている[140]。もくもく計画において村木が有人成層圏飛行を行う際には、成層圏からのライブ配信を予定[141]。また2021年7月から開始したCRRA国際放送のクラウドファンディング初期には、CRRAが火星に進出した暁には火星に放送局を作るとしていた[142]。

前述のとおり、ひやっしーを使用して二酸化炭素回収量ポイント「ひやっしーマイル」を2,000マイル(約4ヶ月分相当)貯め、CRRAへ100万円の支援費を拠出することで、公式ホームページや動画のエンドロールに企業ロゴマークを掲載可能な「まいたんサポーター」制度を2022年7月6日から実施[42][43]。現在までにサポーターとなった企業はない。

資金について

CRRAの運営資金については、現在はひやっしーのレンタル料や企業との共同研究費、サイエンスコミュニケーション事業の収益、スポンサー収入、クラウドファンディングや寄付で賄っているとしている。また、村木の出版した書籍の印税も研究費として使用している[143]。今後は、CRRA傘下で行うそらりんを使った各種交通機関による運輸事業の収益も見込む[7]。

事業所

下記の本社の他に、2023年12月のインタビューでは近日中に北海道に支社を設立する予定があり、2024年中にはアメリカかイギリスにも支社を設置したいとした[8]。

現在の事業所

  • CRRA東京りんかい研究センター(東京都江東区有明) - 本社[144]

過去に存在した事業所

  • CRRA東京テクノファクトリー(東京都江東区亀戸) - ひやっしー工場[145]

関連企業

同社は以下の企業からの支援・マネジメントを受ける[20]。

船舶・航空機・車両等

現在保有する船舶

  • 第七成海丸

「もくもく計画」の試験機回収や社員向けクルーズ等に使用[151][152]。現在の定繋港は勝浦港で、CRRA傘下に設立予定の海運会社「環太平洋貨客郵船(PCL)」で、この船を使った勝浦と伊豆諸島・小笠原諸島を結ぶ不定期の貨物航路を2022年度内に開設予定とした[113][42]。大型船では対応が難しい即日配達や、任意の時間の配達が実現可能だとしている[90][注 25]。2024年4月時点では就航予定が2025年に延期されている[134]。

現在保有する航空機

1973年製のセスナ製小型機。2022年10月に購入し[154]、同年12月27日に同社の所有として登録された[注 27]。社員向け遊覧飛行のほか[152]、CRRA傘下に設立予定の航空会社「ウィンドオーシャン航空」で2025年からエアタクシーとして運用予定[42]。社名は村木の名前に因む[117]。合成燃料での飛行・輸送事業を目指す[55]。

現在保有する車両

2019年にそらりん計画で使用するために導入。当初4輪バギーでのバイオエタノール使用走行実験を予定していたが、コスト面からオートバイに変更した。愛称は「くろすけ」[155]。

過去に保有していた船舶

  • 第五金海丸(船舶番号:220-2936新潟)

2021年にCRRAが合成燃料での航行・海上輸送実証実験のための研究船にすると発表した、1975年製[注 28]、全長13m、重量5トン、乗員13名の小型漁船[104]。亡くなった漁師の家族から無料で譲り受けたが[20][157]、新潟県新川漁港から千葉県勝浦港への回航中に船体部亀裂からの浸水、エンジントラブルなど問題が相次いで発生[158][159][160]。回航完了するも同年の台風により損傷、研究船としては運用しないまま2023年6月に廃船となった。船橋部は操船シミュレーターとして改装し、本社内に設ける「CRRA未来科学冒険館」で2023年秋から公開予定としていた[161]。

今後運用予定のある鉄道車両

CRRAでは、今後そらりんを使って千葉県房総半島を横断する貨客混載鉄道「西太平洋往還鉄道(WESPAC)」を2026年から運行するという計画を明らかにしている[42]。車両は国鉄キハ40型2両の間に国鉄コキ10000形貨車1両を挟み、小湊鐵道といすみ鉄道の鉄路を利用するかたちで五井駅 - 大原駅間約66kmの運行を予定[113][133][注 30]。

今後運用予定のある航空機

・ボーイング737-300C(ボーイング737 クラシック)

2020年代後半に上記機種などで主貨客従のエアライン事業を開始予定としている[90][注 31]。

今後運用予定のある車両

そらりんを使って運輸業を行う「そらりん運輸」の計画がある。ディーゼル自動車を用い、試薬類やひやっしーの輸送を行うとしている[90]。

その他

2026年に低軌道に救難探索衛星を投入予定としている[134]。

脚注

注釈

  1. 日本年金機構の厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システムにおいては、2024年5月2日時点のデータにおいて当機構の被保険者数は6人となっている[2]。日本年金機構による「被保険者とされない人」の規定[3]、及び機構側の説明に従うなら、14人が非常勤・インターンシップと言える。
  2. この点について村木は、企業などとの共同研究の中で、最新の技術・研究については数年スパンの守秘義務が生じるためと説明している[7]。
  3. 同社の履歴事項全部証明書より。
  4. 苫米地式コーチングアドバイザーとしてCRRAをコーチングしている坂慎弥(#関連企業で後述)が、角川アスキー総合研究所に所属した2018年10月から事業を担当している[12][13]。
  5. 山梨市では2008年に、山梨県全体では2011年にそれぞれ、経済産業省資源エネルギー庁の進める次世代エネルギーパークに認定されており、県全体で再生可能エネルギーの利用を推進している [49][50]。
  6. これは中和反応を利用するという点ではスペースシャトルや国際宇宙ステーションで用いられた水酸化リチウムを利用した二酸化炭素吸着キャニスター[63]に類するものであるが、吸収容量は劣るもののより手に入れやすく廉価な材料を使用した装置といえる。水酸化ナトリウムを使用した同様の二酸化炭素除去装置として、第二次世界大戦末期の大日本帝国海軍による特攻兵器「伏龍」の装備の一部である、潜水のための二酸化炭素吸収缶があるが、こちらは固体の水酸化ナトリウムを使用している。
  7. 現在、水酸化ナトリウムの製造には大電力を必要とする[64]。また水酸化ナトリウム水溶液に比べると、アミン等を用いたイオン液体による二酸化炭素回収や、ソルベイ法による二酸化炭素吸収のほうがより高効率であることが指摘されている[65]。
  8. CRRA広報は水酸化ナトリウム以外の無機塩基水溶液も選択可能と回答した[66]。
  9. 同年の村木の著書では、地球上の約30%の二酸化炭素をひやっしーで回収することを目標としていた[20]。
  10. イオン交換樹脂ハウジングを使用したカートリッジ(同社では「ABSB-VI」アブゾーブ・シックスと呼称)[76]、市販のポータブル電源、浄化槽用エアーポンプ[77]、二酸化炭素濃度モニター[78]などを内蔵する[79]。このうちカートリッジに使用されているイオン交換樹脂ハウジングの販売元である大洋に対して2024年3月に確認したところ、この製品は純水製造機器周りのフィルター容器であり、流体は水道水を前提に設計されているもので水酸化ナトリウム等の塩基性水溶液の使用は前提条件にないものである、またエア抜きボタンの戻り用に取り付けられている金属製スプリングは水道水レベルでは問題は生じないものの、塩基性の液体(電解液)中ではその濃度や接触時間により徐々に腐食等が生じる恐れが否定できず、スプリングの能力が低下しエア抜き用ボタンから内部の液体が漏れる可能性が否定できないとの回答を得た。
  11. ソーラーパネルから外部バッテリーに充電、ひやっしーを使わない時間帯に外部バッテリーから内蔵バッテリーに充電という手順を踏む必要があり、付属のソーラーパネルによる太陽光発電のみでは連続運転ができない[81]。
  12. 水酸化ナトリウム水溶液は5%以上の濃度で劇物扱いであるため、限られた容量で最大限二酸化炭素を吸収するためカートリッジに高濃度~飽和濃度の水溶液を使用しているとすれば、本来であればヤマト運輸の宅急便では受付できない荷物の可能性がある[82][83]。
  13. 同ページでは1,000ppm及び3,000ppmの場合の一年に回収できる二酸化炭素量の例も示されているが、1,000ppmは倦怠感や集中力低下、3,000ppmは大部分の人に不快感や頭痛、めまい、吐き気等の症状が出る二酸化炭素濃度である[85]。締め切った部屋で夏も灯油ファンヒーターを使い続けるような特殊な環境でない限り、3,000ppmで1年間連続運転する状態は考えづらい。
  14. 第4世代への改良の際に二酸化炭素吸収量が第3世代機の5%以下まで低下したのか、同年10月に二酸化炭素吸収性能の検証方法を変更した際に、元々の第3世代の吸収性能を過大に算出していたことが判明したのか等については、現在までに明らかにされていない。
  15. 苫米地英人は自身の公式X(Twitter)にて、 「彼(村木)が学生の時に紹介され、真摯な姿に原料や機材製造のCO2負荷については厳しく言わず応援した」と述べ、ひやっしー及びその事業は、事業全体において最終的に二酸化炭素収支をマイナスにするための研究開発の資金調達のための起業と広報のためのものであり、現段階の二酸化炭素負荷(収支)は問うていないとした[87]。
  16. 村木は「世界で初めてスピルリナに燃料として着目」と説明しているが[105]、スピルリナの燃料化はSapphire Energyなどにより10年以上前から開発が進められている[106][107]。しかし現在まで商業化に成功した企業はなく[108]、2000年代に立ち上がった藻類ベンチャーの多くが倒産もしくは藻類バイオ燃料以外の生産にシフトした[109][110]。
  17. スピルリナ100グラムあたりの成分量では糖より脂質のほうが多い [112]。
  18. 日本国内では東京工業大学や産業技術総合研究所、住友化学などが二酸化炭素からのメタノール合成を研究しているが[123][124][125]、この方法で合成されるメタノールを構成する炭素はすべて材料とした二酸化炭素の炭素であるため、「回収した二酸化炭素から作った人工燃料」という名目であれば、二酸化炭素からの燃料合成にはこちらのアプローチを取るほうがより名目に即したものとなりうる。
  19. 農林水産省の2007年の統計では、日本国内の食用油脂消費量は年間230万トンで、うち45万トンが廃食用油として回収されている[126]。日本国内で消費される食用油脂の全量を廃食用油として回収し全て燃料合成に使用したとしても、生成できる「そらりん」の量は元の廃油量を大きく上回るものとはならない。なお、2019年の日本国内の軽油消費量は33,657,000キロリットル(約2,700万トン)であった[127]。
  20. その後2023年10月に、岩谷技研が日本で初めて自社製有人ガス気球で成層圏到達に成功した[130][131]。
  21. 共同研究終了に伴いサカタインクスに返還済。
  22. 認知科学者の苫米地英人が代表取締役を務める、アプリ開発などを行う企業。村木は高校生時代から現在まで、苫米地式のパーソナルコーチングを受け続けているとも著書で述べている[20]ほか、苫米地も自らの著書などで仮想通貨構想に絡めて村木の事業を紹介している[146][147]。
  23. 苫米地式コーチング認定・芸能タレント専門コーチの坂慎弥がCEOのコーチング会社[149]。
  24. 上記ライファヘッドCEOの坂慎弥が2020年からコーチングアドバイザーを務める企業[150]。
  25. 東京港・小笠原諸島父島間の距離は約1,000キロあり、この小笠原諸島航路については現在、父島までの最速の定期輸送手段は小笠原海運のおがさわら丸(3代)で片道約24時間である。過去にはテクノスーパーライナーによって片道約16.5時間へ短縮することが目論まれたが、非常に燃料消費量の多い船種であり、原油高のため就航が断念された。小笠原航路を片道24時間以内の高速で結ぶためには、同様に航続距離が非常に長く堪航性が高く、かつ高速航行が可能な大型の特殊船舶が必要であると考えられ、これにはペイロードあたり大量の燃料も必要となる。
  26. この航空機は1987年に、当時運用していた朝日航空の操縦ミスにより樹木に接触、中破する事故を起こした [153]。この事故で死傷者はなく、機体は修理ののち2023年現在まで運用されている。
  27. 航空機登録原簿謄本より。
  28. 2009年の水産総合研究センターの研究では1979年建造のFRP漁船の平均寿命は24年であったが[156]、第五金海丸はそれを大きく超過した老朽船であった。
  29. この型式の貨車は保存車情報がなく、現存しない可能性が高い。
  30. なお当記事の執筆に際し、2023年6月に小湊鐵道といすみ鉄道に直接確認したところ、小湊鐵道からは「現在、貨客混載輸送の実施計画はなく、今後も実施する予定はない。現在までにCRRAからの提案や相談も受けていない」との回答を得た。いすみ鉄道からの回答はなかった。
  31. ジェット旅客機の旅客機としての運用寿命は約20年であり、以降は解体されるか、貨物化改装されて運用されることが多い。ボーイング737-300の生産終了は1999年であり、仮に2025年時点でも全てが経年機である。

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関連項目

外部リンク

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