Memories Of Blue

Memories Of Blue』(メモリーズ・オブ・ブルー)は、日本のシンガーソングライターである氷室京介の4枚目のオリジナル・アルバム

Memories Of Blue
氷室京介スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音 パラダイススタジオ
キュー・テックスタジオ
ベイブリッジスタジオ
スタジオサムウェア
サウンドスカイスタジオ
ナッズスタジオ
ジャンル ロック
サザン・ロック
時間
レーベル 東芝EMI/イーストワールド
プロデュース 西平彰
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1993年度年間7位(オリコン)
ゴールドディスク
氷室京介 アルバム 年表
MASTERPIECE #12
1992年
Memories Of Blue
1993年
SHAKE THE FAKE
1994年
EANコード
『Memories Of Blue』収録のシングル
  1. Urban Dance
    リリース: 1992年2月26日
  2. Good Luck My Love
    リリース: 1992年11月7日
  3. KISS ME
    リリース: 1992年12月7日

1993年1月7日東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされた。前作『Higher Self』(1991年)よりおよそ1年9か月ぶりにリリースされた作品であり、作詞は氷室および松井五郎、作曲は氷室、編曲およびプロデュースは西平彰が担当している。

レコーディングは日本国内で行われ、ミキシングはニューヨークのスカイラインスタジオ、マスタリングはニューヨークのマスターディスクにて行われた。ミキシング・エンジニアとしてアメリカ合衆国のエンジニアであるニール・ドーフスマンが参加しており、氷室の青春時代をテーマとした歌詞の曲やサザン・ロック風の曲などが収録されている。

先行シングルとしてリリースされ、日本テレビ系土曜グランド劇場…ひとりでいいの』(1992年)の主題歌として使用された「Urban Dance」、TBS系バラエティ番組ムーブ』(1992年 - 1993年)のエンディングテーマとして使用された「Good Luck My Love」、ブティックJOYコマーシャルソングとして使用され、ミリオンセラーを記録した「KISS ME」が収録されている。

オリコンチャートでは最高位1位を獲得、売上枚数は累計134.2万枚を記録しミリオンセラーとなった。氷室のオリジナル・アルバムでは最大のヒット作品であり、アルバム全体でもベスト・アルバムSINGLES』(1995年)の136.7万枚に次ぐ自身2番目の売り上げとなる。

背景

前作『Higher Self』(1991年)リリース後、氷室は「OVER SOUL MATRIX TOUR 1991」と題したコンサートツアーを同年5月9日群馬音楽センターからツアーファイナルとなった有明コロシアムでの4日間連続公演まで、39都市全45公演を実施した[1][2]11月27日には同ツアーより8月22日8月23日の2日間に亘って開催された横浜アリーナ公演の模様が収録されたライブ・ビデオ『OVER SOUL MATRIX』をリリース[2]

1992年2月26日にはシングル「Urban Dance」をリリース、同作は日本テレビ系土曜グランド劇場…ひとりでいいの』の主題歌として使用され、氷室としては2度目のテレビドラマ主題歌となった。4月25日には初のリミックス・アルバムmasterpiece #12』がリリースされ、同作にはブルース・スウェーデンやブルース・ランプコフ、ニール・ドーフスマンの世界的に著名な3名のエンジニアによってリミックスされた曲が収録された[3]

11月7日には先行シングルとして「Good Luck My Love」をリリース、1か月後の12月7日には「KISS ME」がリリースされ、同作はオリコンチャートにて最高位1位を獲得、売上枚数は123.1万枚と自身初のミリオンセラーを獲得した[3]

録音

本作のレコーディングは渋谷区のパラダイススタジオ、赤坂のキュー・テックスタジオ、目黒区のベイブリッジスタジオ、祐天寺のスタジオサムウェア、中野区のサウンドスカイスタジオ、ナッズスタジオと多岐に亘って行われた。

ミキシング・エンジニアとして『masterpiece #12』に引き続きニール・ドーフスマンが参加しており、氷室本人の活動を前期、中期、後期と3つに分けた場合に中期の活動の入り口を作ってくれた人物であり、ドーフスマンとの出会いは大きなターニング・ポイントとなったと氷室は述べている[4]。またドーフスマンとの出会いが後にアメリカ合衆国に居住する事に繋がったとも述べている[4]

音楽性

氷室は当時の状況が楽曲の完成度よりもメディアによって作り上げられたパブリックイメージが先行した事もあり、「このままでいいのかな?」と自問自答していた[5]。そのため「Urban Dance」に関しては前作に収録された「CRIME OF LOVE」よりもマニアックであり、さらに「日本において、これ程どう捉えていいかのかわからないような曲も珍しいんじゃないか」という思いで制作され、「ここまでやったらさすがに売れねぇだろう」とセールスを無視したテストケースとしてリリースしたと述べている[5]。また、氷室は同作を「独創的でアーティスティックな1曲」と述べている[5]

「Good Luck My Love」に関しては「ビートをはずした時にどれだけメロディが残るか」という狙いで制作された曲であり、また「KISS ME」は万人に受けやすい方程式を全て含んでいる曲と述べ、ヒット曲となる確信があったと述べている[5]。「KISS ME」は制作中は「KILL ME」というタイトルであったが、ディレクターの子安次郎がタイトルに疑問を感じていた所、当時マネージャーであった土屋浩が氷室に提言した事で「KISS ME」へと変更になった[6]

表題曲の「Memories Of Blue」は、青春の記憶という意味もあり氷室が暴走族だった頃のエピソードが歌詞として使用され、また「GET READY "TONIGHT" TEDDY BOY」はBOØWYの曲「“16”」の原題「TEDDY BOY MEMORIES」と関連している[7]。「WILL」に関して氷室は、「過激な言い方をすると、この曲で終わるためのアルバムだった」とリリース当時に述べている[7]

本作は自身が追求する音楽が一般に対する説得力を持った形で着地できた作品であり、「限りなくバランスが上手くとれている作品」と氷室は述べている[4]

リリース

1993年1月7日東芝EMIのイーストワールドレーベルよりコンパクトディスクカセットテープの2形態でリリースされた。カセットテープ版では、ドルビーHX PROと東芝独自のXDR録音であるため前後に確認音(3秒ほど流れる)も録音されていた。

2003年7月21日にはデジタルリマスターおよび紙ジャケット仕様で、コピーコントロールCDにてリリースされた[8]

2020年7月21日には全作品のサブスクリプションサービス解禁に伴い、デジタル・リマスターされた音源が配信された[9]

プロモーション

本作リリース前のクリスマスの時期に渋谷駅構内や渋谷スクランブル交差点の巨大ボード、ファッションビルのウォールペインティングなどに「KISS ME」のジャケット写真が掲示されるプロモーションが行われた[10]。このプロモーション方法は過去に例がなく、世界初の試みとなった[10]

本作収録曲の内、「KISS ME」のみPVが制作され、同年4月28日にリリースされたPV集『CAPTURED CLIPS』に収録された。本作に関するプロモーションは全て氷室自身がスタッフにCMとのタイアップなども含めて指示を出し、それらが全て上手く行った結果成功に繋がったと氷室は述べている[4]

ツアー

本作を受けてのツアーは「TOUR 1993 "L' EGOISTE"」と題し、1993年1月11日横浜アリーナを皮切りに、39都市全51公演を敢行[11]、約20万人を動員した[10]。ツアーファイナルには国立代々木競技場第一体育館での3日間連続公演を行った[11][10]

本ツアーにおける1月19日大阪城ホール公演の際、風邪による体調不良のため満足なステージを披露できなかった氷室は公演中にその会場の観客を別の日に無料で招待すると発言、急遽「やりなおしライブ」が開催される事が決定した[4]。しかし近郊での会場が確保できなかったため、5月12日に国立代々木第一体育館での振替公演が行われる事となった。なお、当日会場に行くことができなかった観客にはバックステージパスが送られた。

この件に関して氷室は後年、「プロとしてあってはならない姿」として、周囲のスタッフは美談のように語るが自身にとっては恥部であり、「自分を戒めなくてはならないひとつのエピソード」と認識していると述べている[4]。コンディションの悪化は自身の責任であり、チケットを販売しておきながら振替公演に踏み切った事は「エンタテインメント・ビジネスの風上にも置けない、自己満足というか、若気の至り」と述懐した上で「非常に恥ずかしい思い出」であると述べている[4]

批評

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[12][13]

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、作詞をほぼ全曲松井五郎が担当している事に触れた他、歌謡ロックとして安定しているとしつつも「以前あったギラつくあざとさが、いざ消えてみると妙にさびしい」と指摘したが、「WILL」がサザン・ロック調である事を「予想外にいい」と称賛し、同路線での後の展開を促した他[12]、「ジャパニーズ・ロックの代表作と言える名盤」と絶賛した[13]

チャート成績

オリコンチャートでは最高位1位、登場回数は20回となり、売り上げ枚数は134.2万枚とミリオンセラーを記録した。

収録曲

全作曲: 氷室京介、全編曲: 西平彰
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.KISS ME松井五郎氷室京介
2.YOU'RE THE RIGHT松井五郎氷室京介
3.Memories Of Blue松井五郎氷室京介
4.RAINY BLUE松井五郎氷室京介
5.Good Luck My Love氷室京介・松井五郎氷室京介
6.SON OF A BITCH松井五郎氷室京介
7.Decadent松井五郎氷室京介
8.Urban Dance氷室京介氷室京介
9.GET READY "TONIGHT" TEDDY BOY松井五郎氷室京介
10.WILL氷室京介・松井五郎氷室京介
合計時間:

曲解説

  1. KISS ME
    9thシングル。本作品では、アルバムバージョンで収録されている。このアルバムが発売された年に行われたライブツアー「TOUR 1993 "L'EGOISTE"」では1曲目を飾った。
  2. YOU'RE THE RIGHT
    9thシングル「KISS ME」のカップリング曲。本作品では、アルバムバージョンで収録されている。
  3. Memories Of Blue
    8thシングル「Good Luck My Love」のカップリング曲。本作品では、アルバムバージョンで収録されている。
  4. RAINY BLUE
  5. Good Luck My Love
    8thシングル。本作品では、アルバムバージョンで収録されている。
  6. SON OF A BITCH
  7. Decadent
  8. Urban Dance
    7thシングル。本作品では、アルバム『MASTERPIECE #12』収録のバージョンで収録されている。
  9. GET READY "TONIGHT" TEDDY BOY
  10. WILL

スタッフ・クレジット

参加ミュージシャン

スタッフ

  • 西平彰 - プロデューサー
  • 坂元達也 - レコーディング・エンジニア
  • ニール・ドーフスマン - ミキシング・エンジニア
  • グレゴリー・フルギンティ - マスタリング・エンジニア
  • 中村悦広(セディック) - アディショナル・エンジニア
  • 東諭(ナッズスタジオ) - アディショナル・エンジニア
  • 松本元成 (パラダイススタジオ) - アディショナル・エンジニア
  • 川澄伸一(パラダイススタジオ) - アシスタント・エンジニア
  • 佐久間義則(ベイブリッジスタジオ) - アシスタント・エンジニア
  • 守屋勝美(サウンドスカイスタジオ) - アシスタント・エンジニア
  • 長谷部敦(キュー・テックスタジオ) - アシスタント・エンジニア
  • コバヤシタカシ(スタジオサムウェア) - アシスタント・エンジニア
  • デヴィッド・シフマン(スカイラインスタジオ) - ミックス・アシスタント・エンジニア
  • やながわかつまさ(ナッズスタジオ) - エキップメント
  • 山田正則(東芝EMI) - A&Rチーフ
  • 子安次郎(東芝EMI) - A&R
  • 渡辺雅敏(東芝EMI) - A&R
  • 渋谷高行(ユイ・ミュージック・パブリッシャーズ) - A&R
  • 宮野真一(ユイ・ミュージック・パブリッシャーズ) - A&R
  • 土屋浩(ユイ音楽工房) - アーティスト・プロデューサー
  • 鈴木祥紀(ユイ音楽工房) - アーティスト・マネージャー
  • 高野和彦(ユイ音楽工房) - アーティスト・マネージャー
  • あらきただし(ユイ音楽工房) - マネージメント・スタッフ
  • やがさきゆうけん(ユイ音楽工房) - マネージメント・スタッフ
  • おおぬまともお(ユイ音楽工房) - マネージメント・スタッフ
  • かわじりこうじ(ユイ音楽工房) - マネージメント・スタッフ
  • ましのともみ(ユイ音楽工房) - マネージメント・スタッフ
  • カズハヤシダ (HERO Associates Inc.) - U.S.プロダクション・スーパーバイザー
  • ジェフ・シュワルツ (PNFW) - U.S.アカウント・アドミニストレーション
  • ルパート・グレイ (PNFW) - U.S.アカウント・アドミニストレーション
  • 森谷統(ルイジアナ・カンパニー) - クリエイティブ・ディレクター、アートディレクター
  • 加藤剛(東芝EMI) - ビジュアル・コーディネーター
  • わたなべかえで(ルイジアナ・カンパニー) - ビジュアル・プロデューサー
  • 小木曽威夫 - 写真撮影
  • 横原義雄 (Fellows) - ヘアー、メイク
  • とびたみき(ルイジアナ・カンパニー) - デザイナー

ライブ映像作品

シングル曲については各作品の項目を参照

RAINY BLUE
SON OF A BITCH
GET READY "TONIGHT" TEDDY BOY
WILL
  • L'EGOISTE

リリース履歴

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1993年1月7日 東芝EMI/イーストワールド CD
CT
TOCT-6890
TOTT-6890
1位
2 2003年7月21日 東芝EMI/イーストワールド CCCD TOCT-25089 - デジタルリマスタリング盤、紙ジャケット仕様

脚注

  1. 氷室京介 -OVER SOUL MATRIX TOUR1991”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2021年1月4日閲覧。
  2. ぴあMOOK 2013, p. 101- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
  3. ぴあMOOK 2013, p. 102- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
  4. ぴあMOOK 2013, p. 21- ふくりゅう「LONG INTERVIEW 最新40,000字インタビュー 【第一章】1988~1994 ソロデビュー、アイデンティティの確立へ」より
  5. ぴあMOOK 2013, p. 19- ふくりゅう「LONG INTERVIEW 最新40,000字インタビュー 【第一章】1988~1994 ソロデビュー、アイデンティティの確立へ」より
  6. 田家秀樹 (2020年12月1日). 対BOØWYから対自分へ 1990年代前半の氷室京介を語る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 6. 2021年1月5日閲覧。
  7. 田家秀樹 (2020年12月1日). 対BOØWYから対自分へ 1990年代前半の氷室京介を語る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 7. 2021年1月5日閲覧。
  8. “氷室京介15周年に復活シングル!さらに8タイトル紙ジャケ再発!”. HMV&BOOKS Online. (2003年5月13日). https://www.hmv.co.jp/news/article/305120048/ 2021年3月7日閲覧。
  9. “今年60歳の氷室京介サブスク解禁、アルバムリリースに向けて楽曲制作”. 音楽ナタリー. (2020年7月21日). https://natalie.mu/music/news/388565 2021年3月7日閲覧。
  10. ぴあMOOK 2013, p. 103- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
  11. 氷室京介 -TOUR 1993 "L'EGOISTE"”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2021年1月5日閲覧。
  12. 氷室京介 / メモリーズ・オブ・ブルー [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2021年1月5日閲覧。
  13. 氷室京介 / メモリーズ・オブ・ブルー [紙ジャケット仕様] [CCCD] [限定][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2021年1月5日閲覧。

参考文献

  • 『ぴあMOOK 氷室京介ぴあ 完全保存版! 25th Anniversary Special Book』、ぴあ、2013年9月20日、19, 101 - 103頁、ISBN 9784835622439。

外部リンク

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