ケンリー・ジャンセン

ケンリー・ジェロニモ・ジャンセン(Kenley Geronimo Jansen, 1987年9月30日 - )は、オランダ領アンティルのキュラソー島ウィレムスタット出身のプロ野球選手(投手)。右投両打。MLBのボストン・レッドソックス所属。

ケンリー・ジャンセン
Kenley Jansen
ボストン・レッドソックス #74
ロサンゼルス・ドジャース時代
(2018年7月24日)
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
出身地 オランダ領アンティルの旗 アンティル自治領ウィレムスタット(現:キュラソーの旗 キュラソー)
生年月日 (1987-09-30) 1987年9月30日(36歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
265 lb =約120.2 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 投手
プロ入り 2004年 アマチュアFA
初出場 2010年7月24日
年俸 $16,000,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム オランダの旗 オランダ
WBC 2009年、 2013年、2017年

愛称はカリフォルニアをもじったケンリーフォルニア[2]、Ma'montro(怪物の意)など。

経歴

プロ入りとドジャース時代

2004年にアマチュア・フリーエージェントとしてロサンゼルス・ドジャースと捕手として契約。ユースチームでは、アンドレルトン・シモンズやディディ・グレゴリウスとチームメイトだった。

2006年までルーキーリーグでプレーした。

2007年途中からA級に昇格した。

2008年には打率.227ながら9本塁打を放った。

2009年はシーズン開幕前の3月に開催された第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のオランダ代表に選出された[3]。一次ラウンド初戦のドミニカ共和国戦では1点リードの9回裏に2008年のナ・リーグ盗塁王ウィリー・タベラスの三盗を刺し、座ったままの状態で二塁に鋭く送球するなど、強肩ぶりを発揮してオランダの躍進に貢献した[4]。シーズンでは、秋から強肩を生かすため投手に転向している。

2010年開幕はA+級インランド・エンパイア・シックスティシクサーズで迎えたが、シーズン途中からAA級チャタヌーガ・ルックアウツに昇格した。

2010年7月24日のニューヨーク・メッツ戦でメジャーデビューを果たした。

2011年は中継ぎとしてドジャースのブルペンを支えた。

2012年シーズンはハビー・ゲラに代わる抑えに定着した。一方で、不整脈の持病を抱えており、シーズン終了後に手術を受けた[5]。

2013年は第3回WBCのオランダ代表の要請を受けたが、当初は前年の不整脈の手術をしたことを考慮し辞退していた。しかし、オランダ代表がベスト4となりサンフランシスコの決勝ラウンドに進出し、2次ラウンドで負傷離脱したジョナタン・イセニアに代わり決勝ラウンドから追加招集された。登板機会はなく、オランダは準決勝でドミニカ共和国に敗れた。レギュラーシーズンでは75試合に登板。4勝3敗28セーブ、防御率1.88だった。

2014年2月11日に430万ドルの単年契約に合意した[6]。シーズンでは、自己最多の44セーブを記録した。

2015年もクローザーとして起用され、54試合に登板。2勝1敗36セーブ、防御率2.41だった。

2016年1月15日に1065万ドルの単年契約に合意[7]。前半戦で40試合に登板し、3勝2敗27セーブ、防御率1.16と好投。7月にはオールスターゲームに初選出された。この年は71試合の登板で、3勝2敗47セーブ、防御率1.83だった。ポストシーズンではディビジョンシリーズ第4戦で4失点した以外は抑え込んだ。オフに最優秀救援投手賞を初受賞。11月3日にFAとなり、球団は単年1720万ドルのQOを提示したが、11月14日に拒否した[8]。

2017年1月10日に5年総額8000万ドルで契約を延長した[9]。オプションとして2019年シーズン終了後に契約を破棄できるオプトアウトが含まれており、救援投手ではアロルディス・チャップマンに次ぐ大型契約となった[10]。翌11日に契約延長記者会見が行われ[11]、第4回WBCのオランダ代表へは不参加の意思を表明した[12]。しかし、代表が決勝トーナメントに進出すると撤回し、代表に合流した[13]。レギュラーシーズンでは6月11日のシンシナティ・レッズ戦で通算200セーブに到達。開幕から6月25日まで驚異の無四球三振記録51でMLB新記録を樹立するなどした[14]。65試合登板で5勝無敗41セーブ、防御率1.32と圧倒的な投球を見せ、自身初タイトルとなる最多セーブを受賞した。ポストシーズンではNLCSまで無失点の完璧なリリーフを見せていた。ワールドシリーズでは3試合連続で1失点して敗戦投手になることもあった。2年連続で最優秀救援投手賞を獲得した。

2018年は前年の疲労の蓄積が考慮され、スプリングトレーニングではスロー調整を許されていた。オープン戦もわずか5試合の登板でシーズン開幕に臨んだが、3,4月は防御率5.59と不調で始まった[15]。それでも5月に防御率0.60と復調を見せると、その後も安定して3年連続オールスター選出された。しかし、8月9日のコロラド・ロッキーズ戦後に宿泊ホテルで不整脈を訴え、そのまま病院に搬送され故障者リスト入りした。8月20日のセントルイス・カージナルス戦で復帰するもしばらくは精彩を欠き、その原因を本人は治療薬にあるとして服用を中止した[16]。9月は調子を取り戻し、最終的に69登板で1勝5敗38セーブ、防御率3.01だった。ポストシーズンでは今季もNLCSまで無失点の完璧なリリーフを見せていたが、ワールドシリーズでは2試合連続でセーブ失敗することもあった。オフには2度目の心臓手術を受けた[17]。

2019年は62試合に登板して5勝3敗33セーブ、防御率3.71だった。特に後半戦は不調に陥るなど不安定な内容だったがセーブは積み重ね、9月25日のサンディエゴ・パドレス戦でMLB史上30人目、球団史上初の通算300セーブに到達した[18]。10月31日にオプトアウトを行使せず、残留することが発表された[19]。

2021年は69試合に登板して4勝4敗38セーブ、防御率2.22だった。オフの11月3日にFAとなった[20]。11月23日にオールMLBセカンドチームの中継ぎ投手の1人に選出された[21]。

ブレーブス時代

2022年3月18日にアトランタ・ブレーブスと1600万ドルの単年契約を結んだ[22]。オフの11月6日にFAとなった[23]。

レッドソックス時代

2022年12月13日にボストン・レッドソックスと2年総額3200万ドルの契約を結んだ[24][25]。

2023年7月2日にMLB選出で通算4度目となるオールスターゲームに選出された[26]。

選手としての特徴

投球データ(2021年レギュラーシーズン)[27]
球種配分平均球速最高球速
%mphkm/hmphkm/h
カットボール 5892.5148.996.6155.5
シンカー 26.693.9151.197156.1
スライダー 15.48213286.1138.6

最速100mph[28](約160.9km/h)、平均92-94mph(約148-151km/h)のカットボールが投球の約6割を占め、このカッターを武器に三振を奪うピッチングスタイル。その他に平均94mph(約151km/h)程度のシンカー、平均82mph(約132km/h)程度のスライダーを使用する[29]。
グラウンドボールの割合が3割程度と少なく、フライボールピッチャーである。

元々は強肩で知れられた捕手だったが、球団側からの進言で2009年に投手に転向[30]。翌年にはメジャー初昇格を果たし、2012年から本格的にクローザーを任され、最優秀救援投手賞を受賞するなど球界を代表するクローザーとして活躍している[31]。また、登板数やセーブ数、奪三振率などでドジャースの球団記録を持っている[32]。

長らく心臓の異常を経験している。2011年には不整脈と、抗凝固薬の投薬により1か月故障者リスト入り、2012年にはクアーズ・フィールド出場の際に不整脈と息切れを起こし、オフに手術を受けた。2018年8月に宿泊ホテルで不整脈を訴え、そのまま病院に搬送され故障者リスト入りし、オフには2度目の心臓手術を受けた[33]。

詳細情報

年度別投手成績

年

度
球

団
登

板
先

発
完

投
完

封
無
四
球
勝

利
敗

戦
セ
丨
ブ
ホ
丨
ル
ド
勝

率
打

者
投
球
回
被
安
打
被
本
塁
打
与
四
球
敬

遠
与
死
球
奪
三
振
暴

投
ボ
丨
ク
失

点
自
責
点
防
御
率
W
H
I
P
2010 LAD 25000010441.00010927.012015114110220.671.00
2011 5100002159.66721853.23032602960217172.851.04
2012 65000053258.62525265.03362213993018172.350.85
2013 750000432816.57129276.248618131112016161.880.86
2014 68000023440.40026865.155519201012020202.761.13
2015 54000021361.66720052.1336802800014142.410.78
2016 71000032470.60025168.235411221041014141.830.67
2017 650000504111.00025868.14457021092111101.320.75
2018 69000015380.16728971.254131712820228243.010.99
2019 62000053330.62526363.05191604802328263.711.06
2020 27000031110.75010224.119290333001193.331.15
2021 69000044380.50027869.03643642864221172.221.04
2022 ATL 65000052410.71426064.04582232851125243.381.05
2023 BOS 51000036290.33318844.24051712521221183.631.28
MLB:14年 8170000453442039.5703228813.2535762431630115919132462282.520.96
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

年
度
球
団
投手(P)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2010 LAD 2511001.000
2011 5123011.000
2012 651510.857
2013 7531001.000
2014 686211.889
2015 540210.667
2016 713110.800
2017 6541001.000
2018 6914011.000
2019 627210.900
2020 2710001.000
2021 6942001.000
2022 ATL 6513001.000
2023 BOS 5113001.000
MLB 817353053.929
  • 2023年度シーズン終了時

タイトル

表彰

記録

背番号

  • 74(2010年 - )

代表歴

脚注

  1. “Kenley Jansen Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年6月19日閲覧。
  2. Dodgers Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月17日閲覧
  3. “2009 Rosters” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月20日閲覧。
  4. Kenley Jansen plays a big role in the Netherlands' upset of the Dominican Republic
  5. ド軍守護神ジャンセンが不整脈の手術 nikkansports.com 2012年10月25日
  6. Ken Gurnick (2014年2月11日). “Jansen, Dodgers reach $4.3 million deal”. MLB.com. 2014年2月12日閲覧。
  7. Eric Stephen (2016年1月15日). “Dodgers sign Kenley Jansen for 2016, avoid salary arbitration”. TURE BLUE LA. 2016年11月15日閲覧。
  8. Ken Gurnick (2016年11月14日). “Turner, Jansen reject Dodgers' offers”. MLB.com. 2016年11月15日閲覧。
  9. “Jansen officially returns to Dodgers on 5-year pact” (英語). MLB.com. 2021年4月25日閲覧。
  10. “Dodgers Announce Re-Signing Of Kenley Jansen To 5-Year Contract” (英語). Dodger Blue (2017年1月11日). 2021年4月25日閲覧。
  11. Jansen, Turner motivated by winning title for LA MLB.com (英語) (2017年1月11日) 2017年1月13日閲覧
  12. ドジャース幹部 マエケンWBC出場辞退認めた 故障リスク避けたい スポニチアネックス (2017年1月13日) 2017年1月13日閲覧
  13. Jansen joins Netherlands to prep for Classic MLB.com (英語) (2017年3月19日) 2017年3月21日閲覧
  14. “【MLB】ド軍元捕手の抑え、開幕から驚異の無四球三振記録が「51」で止まる”. ベースボールチャンネル. 2019年10月11日閲覧。
  15. “昨季セーブ王のケンリー・ジャンセンは本当に球威が落ちてしまったのか?”. Yahoo!ニュース 個人. 2019年10月11日閲覧。
  16. “DL復帰後不調続きのケンリー・ジャンセンが下した命がけの決断(菊地慶剛)”. Yahoo!ニュース 個人. 2019年10月11日閲覧。
  17. “ジャンセンが11キロ減量、心臓手術後の経過良好”. nikkansports.com. 2019年10月11日閲覧。
  18. “After talk with mentor, Jansen gets 300th save”. MLB.com. 2019年10月11日閲覧。
  19. BlakeHarris (2019年10月31日). “Kenley Jansen won’t opt out of contract” (英語). True Blue LA. 2021年4月25日閲覧。
  20. “160 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2021年11月3日). 2021年11月5日閲覧。
  21. Anthony Castrovince (2021年11月24日). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. 2021年11月24日閲覧。
  22. “Press release: Braves sign Kenley Jansen”. www.mlb.com. 2022年3月19日閲覧。
  23. “131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年11月14日閲覧。
  24. “Press release: Red Sox agree to two-year contract with RHP Kenley Jansen”. www.mlb.com. 2022年12月14日閲覧。
  25. “Red Sox Sign Kenley Jansen” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年12月14日閲覧。
  26. Thomas Harrigan (2023年7月2日). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. 2023年7月3日閲覧。
  27. “player” (英語). baseballsavant.com. 2021年11月15日閲覧。
  28. 2014年4月13日 アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で計測
  29. FanGraphs - PITCHf/x2017年2月7日閲覧。
  30. “ド軍守護神ジャンセンの貴重な捕手時代映像 膝つき二塁送球に解説「ロケット」”. Full-count. 2019年10月11日閲覧。
  31. “元捕手右腕ジャンセンが前田の命運握る 適応力の高さでMLB屈指の守護神に”. スポーツナビ. 2019年10月11日閲覧。
  32. “Los Angeles Dodgers Top 10 Career Pitching Leaders”. Baseball-Reference.com. 2019年10月11日閲覧。
  33. “ドジャースの救援ジャンセン、不整脈で1カ月離脱と報道”. www.sportingnews.com. 2019年10月11日閲覧。
  34. “Reliever of the Year” (英語). MLB.com. 2022年12月7日閲覧。
  35. “All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2021年11月27日閲覧。
  36. Staff, TSN ca (2020年10月8日). “Dave Roberts 'thinking through' Kenley Jansen as closer - TSN.ca” (英語). TSN. 2021年4月25日閲覧。

関連項目

外部リンク

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