ハウィー・ケンドリック

ハワード・ジョゼフ・ケンドリック3世(Howard Joseph Kendrick III, 英語発音: [ˈhaʊɚd ˈd͡ʒoʊzəf ˈkɛndrɪk][1]; 1983年7月12日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州デュバル郡ジャクソンビル出身の元プロ野球選手(二塁手、三塁手、左翼手)。右投右打。

ハウィー・ケンドリック
Howie Kendrick
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州デュバル郡ジャクソンビル
生年月日 (1983-07-12) 1983年7月12日(40歳)
身長
体重
5' 10" =約177.8 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手、三塁手、左翼手
プロ入り 2002年 MLBドラフトアナハイム・エンゼルス10巡目
初出場 2006年4月26日
最終出場 2020年9月5日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

プロ入り前

ウェスト・ナッソー高等学校を卒業後、セント・ジョンズ・リバー・コミュニティカレッジへ進学し、カンファレンスのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞[2]。

プロ入りとエンゼルス時代

2002年のMLBドラフト10巡目(全体294位)でアナハイム・エンゼルスから指名を受け、6月19日に契約成立[2]。この年からマイナーリーグ(ルーキー級)でプレーを始める(42試合出場)[3]。

2004年には、ルーキー級アリゾナリーグ・エンゼルスとA級シーダーラピッズ・カーネルズの2球団合計で78試合に出場して打率.363、10本塁打、49打点、出塁率.388、OPS.957、17盗塁をマークし、9月1日にミッドウェストリーグのオールスターに出場した他、Topps (トップス社)のA級オールスター・チームにも選出されている[4]。

2005年は、A+級ランチョクカモンガ・クエークスとAA級アーカンソー・トラベラーズの2球団合計で109試合に出場して打率.367、19本塁打、89打点、出塁率.406、OPS 1.020、25盗塁という数字を記録し、6月28日にはカリフォルニアリーグのミッドシーズン・オールスターに、9月5日には同リーグのポストシーズン・オールスターに出場した他、Toppsとベースボール・アメリカ誌が選ぶオールスター・チームにも選出された。また、オフのウィンターリーグでは、アリゾナ・フォール・リーグのオールプロスペクト・チームに選ばれている[4]。シーズン終了後、チーム内の有望株リストで2位にランクされ、ベストヒッター・フォー・アベレージに挙げられた[5]。

2006年4月26日のデトロイト・タイガース戦において「9番・二塁手」でスタメン起用され、メジャーデビュー(4打数無安打)。5月1日のオークランド・アスレチックス戦では、センター前に初安打を放っている。当時の二塁には好守で長年チームを支えてきたアダム・ケネディがおり、より多くの出場機会を得るために一塁手・三塁手としてもプレー。しかし結果が出せず、2週間ほどでマイナー降格を命じられたものの、AAA級ソルトレイク・ビーズで69試合に出場して打率.369・13本塁打・62打点・出塁率.408・11盗塁と成長し、7月9日はフューチャーズゲームに、7月12日にはパシフィックコースト・リーグのオールスターに出場[4]。前年に引き続きベースボール・アメリカ誌が選ぶオールスター・チームにも選出された他、同リーグのルーキー・オブ・ザ・イヤーと、AAA級のプレーヤー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞。7月14日にはメジャー再昇格を果たし、16試合連続安打をマークするなど、序盤戦の不振を払拭した。

2007年は前年オフにケネディを放出したため、正二塁手として起用されたが、2度の故障者リスト入りもあり、88試合の出場にとどまった。左手指骨折に泣かされはしたものの、高打率を残し、「特に走者を置いた状況での打撃に進歩の跡が見られる」とマイク・ソーシア監督を感心させた[6]。

2008年もケガに見舞われ、4月と8月にハムストリングを痛めて2度の故障者リスト入り[7]。出場数は100未満に留まった。一方で打撃は好調をキープ。左右両投手、ホーム・アウェー全てにおいて打率.300を超え、特に走者が居る時は.351、得点圏では.366[8]を記録した。

2009年は自身初のシーズン100試合以上(105試合)に出場。3年連続の打率.300超えこそならなかったものの、打率.291を記録し、シュアな打撃の健在ぶりを見せた。出場試合数が増え、本塁打(自身初の二桁本塁打)と打点でも自己最高の数値をマークした。

2010年は158試合に出場し自身初の規定打席到達を果たした。しかし打率は自己最低の数値であり、出場試合数が増加したが、本塁打は増えなかった。

ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2011年9月16日)

2011年は2年連続で規定打席に到達。三振119を記録し、打率も2年連続で.300に届かないなど、好打者としての性質がやや減退するが、一方でいずれも自己ベストとなる6三塁打、18本塁打を放ち、長打力が伸びた。また、自身初のオールスター出場も果たした。

2012年は2年連続の100三振以上となる115三振を喫した。

2013年は4年連続で規定打席に到達したが、規定打席に到達したシーズンとしては最少となる122試合の出場だった。一方、打撃面では規定打席に到達したシーズンとしては最高の打率.297、最少の89三振を記録し、シュアな打撃を取り戻した。4月23日には、サヨナラ本塁打を含む1試合2本塁打を記録[9]。7月30日には通算1000安打に到達した[9]。

2014年も正二塁手として157試合に出場し、チームトップの181安打を記録。ホームランは約半減となる7本に終わったが、4年連続.285以上となる打率.293・75打点・自身4度目となる14盗塁を記録した。守備では11失策を喫して守備率.984だった。

ドジャース時代

2014年12月10日にアンドリュー・ヒーニーとのトレードで、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍した[10]。

2015年11月2日にフリーエージェント(FA)となった[2]。

2016年2月4日にドジャースと2年総額2000万ドルで契約を結んだ[11]。この年は左翼手にコンバートされたが、遊撃手を除く内野の各ポジションで出場。146試合に出場し、2シーズンぶりの二桁盗塁となる10盗塁を決めたが、打率.255、8本塁打、40打点に終わった。

フィリーズ時代

2016年11月11日にダリン・ラフ、ダーネル・スウィーニーとのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[12][13]。

2017年は4月後半には腹部の張りで故障者リスト入りしたこともあり、出場試合は少なかったが開幕から好調で、前半戦を33試合の出場で打率.349、2本塁打、14打点の成績で終えた。

ナショナルズ時代

2017年7月29日にマッケンジー・ミルズおよび金銭とのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した[14]。移籍後は調子を落としたが、主に正左翼手として起用された。しかしポストシーズンでは代打での出場しかなく、安打も放てなかった。11月2日にFAとなった[15]。

2018年1月18日にナショナルズと2年700万ドルで再契約を結んだ[16]。開幕から主に二塁手として出場したが、5月19日のドジャース戦の守備でアキレス腱を断裂し、残りのシーズンを欠場した[17]。

2019年序盤は二塁手やアンソニー・レンドンの離脱に伴い三塁手として起用されていたが、5月以降は主に一塁を守った。途中出場も多く、8月には左太もも裏の張りで故障者リスト入りしたが、7月以外は月間打率が全て3割を超える打撃を見せ、最終的に121試合で打率.344、17本塁打、62打点を記録した[18]。ポストシーズン、主に二塁手として起用され、ディビジョンシリーズ第5戦では延長10回表に決勝打にしてシリーズ突破を決める満塁ホームランを放った[19]。チャンピオンシリーズでも15打数5安打(4二塁打)、4打点の活躍で球団初のワールドシリーズ進出に貢献し、シリーズMVPを獲得した[20]。ワールドシリーズ第7戦で逆転本塁打を放ち、球団史上初のワールドチャンピオンに貢献した。オフにはハート&ハッスル賞を受賞[21]。10月31日にFAとなった[22]が、12月8日に1年625万ドルで球団と再契約を結んだと報道され[23]、10日に正式公示された[2]。

2020年オフの10月28日に球団が延長オプションの放棄を発表したため、FAとなった[24]。オフの12月21日に自身のInstagramにおいて現役引退を発表した[25]。

プレースタイル

2005年辺りから「マイナー最高打者」との評判が定着し、ベースボール・アメリカ誌の有望株リストでは、2006年版12位にランクされた[26]。天才的なコンタクトを誇り、内角低目から外角高目まで幅広く対応出来るため、「右のトニー・グウィン」とも称されている。スイングはコンパクトでシャープ、かつリストも強いので、痛烈なラインドライブを打てる。特に「投球の組み立てを理解出来るようになった」と語る2005年以降、長打力が増した。体格の不利を豊富な練習量で補って来た努力家でもあり、「将来の首位打者」との呼び声も高い。広角に打ち分ける卓越した打撃センスを有する反面、積極打法のため四球は選ばない。スピードがあり、レンジ(守備範囲)も広いが、盗塁技術に関しては改善の余地がある。また、故障がちな虚弱体質も不安材料。グラブさばきは基本に忠実で、二塁手の他に一塁手・三塁手としてのプレー経験がある[27][28][29][30][31][32]。2016年シーズンからは同じ二塁手に前年シーズン途中から加入したチェイス・アトリーがいることもあり、左翼手として出場することも多くなった。

マイナー7年間の通算成績は、打率.360・出塁率.403・OPS.974・75盗塁(成功率74パーセント)。

詳細情報

年度別打撃成績

年

度
球

団
試

合
打

席
打

数
得

点
安

打
二
塁
打
三
塁
打
本
塁
打
塁

打
打

点
盗

塁
盗
塁
死
犠

打
犠

飛
四

球
敬

遠
死

球
三

振
併
殺
打
打

率
出
塁
率
長
打
率
O
P
S
2006 LAA 7228326725762114111306003924445.285.314.416.730
2007 883533385510924251523954119246115.322.347.450.797
2008 9236134043104262314337114141234588.306.333.421.754
2009 105400374611092131016661114202014718.291.334.444.778
2010 1586586166717241410251751444528259416.279.313.407.721
2011 140583537861533061824963146303331011918.285.338.464.802
2012 1475945505715832382206714665291411526.287.325.400.725
2013 122513478551422141321054633323568916.297.335.439.775
2014 1576746178518133572457514532488411015.293.347.397.744
2015 LAD 11749546464137222919054621127128217.295.336.409.746
2016 146543487651242628178401020350239620.255.326.366.691
2017 PHI 391561411648812641683011103304.340.397.454.851
WSH 521781642448827812542011102384.293.343.494.837
'17計 913343054096163914541125022205688.315.368.475.844
2018 401601521746140472121101512296.303.331.474.805
2019 121370334611152311719162210527144911.344.395.572.966
2020 2510091112540235140002720174.275.320.385.705
MLB:15年 162164215950792174735438127255872412647243734934611102193.294.337.430.767

年度別守備成績

内野守備
年
度
球
団
一塁(1B)二塁(2B)三塁(3B)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2006 LAA 4433029243.9942848670251.00010000.---
2007 -86146254954.978-
2008 -92155287467.991-
2009 -95156271470.991-
2010 1598415.990143259366974.986-
2011 1711910115.992108161317463.992-
2012 241001.0001432384071481.979-
2013 -1182233211068.982-
2014 -1542674061183.984-
2015 LAD -113193295552.990-
2016 1156316.983323257311.9671752612.969
2017 PHI 120001.00010173128.960-
WSH 390011.0005107021.000-
'17計 4110011.000152738210.970-
2018 231001.000335762416.965-
2019 4827627125.99723274918.98715515021.000
2020 628413.970--
MLB 14992579798.99311831979319780682.98533104114.981
外野守備
年
度
球
団
左翼(LF)中堅(CF)右翼(RF)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2010 LAA -10000-----
2011 23331001.000--
2012 22010.667--
2013 110001.000--
2016 LAD 941315001.000--
2017 PHI 2443010.977--
WSH 38520001.000-350001.000
'17計 6295010.990-350001.000
2018 611010.917--
MLB 188273630.98910000----350001.000

表彰

記録

MiLB
MLB

背番号

  • 47(2006年 - 2017年7月28日、2019年 - 2020年)
  • 4(2017年7月29日 - 同年終了)
  • 12(2018年)

脚注

  1. “英語のIPA発音記号変換 (アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年10月17日閲覧。
  2. MLB公式プロフィール参照。2019年12月11日閲覧。
  3. Baseball-Reference 参照。2018年1月19日閲覧。
  4. “Howie Kendrick Stats, Highlights, Bio” (英語). MiLB.com. Minor League Baseball. 2016年2月5日閲覧。
  5. Alan Matthews (2006年2月3日). “Top 10 Prospects: Los Angeles Angels , Best Tools” (英語). BaseballAmerica. The Enthusiast Network. 2016年2月5日閲覧。
  6. 『月刊スラッガー』、2007年12月号、84頁。
  7. “History Howie Kendrick” (英語). Baseball Prospectus. 2016年2月5日閲覧。
  8. “2008 Batting Splits” (英語). ESPN. 2016年2月6日閲覧。
  9. 「30球団通信簿」『月刊スラッガー』2013年9月号、日本スポーツ企画出版社、2013年、雑誌15509-12、59頁
  10. Mark Polishuk (11 December 2014). "Dodgers Acquire Howie Kendrick". MLB Trade Rumors (Press release) (英語). 2018年1月19日閲覧。
  11. Ken Gurnick (2016年2月4日). “Kendrick's 2-year deal with Dodgers official” (英語). MLB.com. 2018年1月19日閲覧。
  12. Ken Gurnick (2016年11月11日). “Dodgers deal Kendrick to Phillies for Ruf, Sweeney” (英語). MLB.com. 2018年1月19日閲覧。
  13. Todd Zolecki (2016年11月11日). “Phillies get Kendrick in trade with Dodgers” (英語). MLB.com. 2018年1月19日閲覧。
  14. “Phillies Trade Kendrick to Washington” (英語). MLB.com (2007年7月28日). 2018年1月19日閲覧。
  15. David Adler (2017年11月5日). “Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com. 2017年12月27日閲覧。
  16. Jamal Collier (2018年1月18日). “Nats, Kendrick agree to 2-year deal” (英語). MLB.com. 2018年1月19日閲覧。
  17. “Nationals' Howie Kendrick out for remainder of season after suffering Achilles' injury” (英語). CBSSports.com. 2019年2月4日閲覧。
  18. “Howie Kendrick 2019 Batting Splits”. Baseball-Reference.com. 2019年10月21日閲覧。
  19. “ナショナルズが劇的決着 延長10回に元ドジャースのケンドリックが満塁弾!”. www.sponichi.co.jp. 2019年10月21日閲覧。
  20. “ケンドリックがシリーズMVP「野球人生最高の日」”. nikkansports.com. 2019年10月21日閲覧。
  21. “【MLB】ナショナルズ・ケンドリックが「ハート&ハッスル賞」に選出”. Yahoo!ニュース. 2019年11月16日閲覧。
  22. Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (English). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  23. “ナショナルズ、36歳ケンドリックと1年6億7900万円で再契約 ナ優勝決定SでMVP獲得”. Full-count. 2019年12月8日閲覧。
  24. “Nationals Decline Options On Eaton, Sanchez, Kendrick, Thames” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年10月28日閲覧。
  25. Connor Byrne. “Howie Kendrick Retires” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年4月9日閲覧。
  26. “All-Time Top 100 Prospects” (英語). BaseballAmerica. The Enthusiast Network (2007年2月28日). 2016年2月5日閲覧。
  27. “Howie Kendrick” (英語). Sportsnet.ca. Rogers Media. 2016年2月5日閲覧。
  28. “Howie Kendrick - Pecota” (英語). Baseball Prospectus. 2016年2月5日閲覧。
  29. 「別冊付録 マイナー・リーグ全選手個人成績」『月刊メジャー・リーグ』2006年11月号、ベースボール・マガジン社、67頁。
  30. 『月刊スラッガー』2008年4月号、日本スポーツ企画出版社、44-45頁。
  31. 『ウェルカム・メジャーリーグ 2008』白夜書房〈白夜ムック 315〉、140-143頁。ISBN 978-4861913983。
  32. 出野哲也「2008 二塁手ランキング」『月刊スラッガー』No.122, 2008年6月号、日本スポーツ企画出版社、21頁。

関連項目

外部リンク

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