ランディ・アロサレーナ

ランディ・アロサレーナ・ゴンサレス(Randy Arozarena González,[注 1] 1995年2月28日 - )は、キューバ共和国ラ・アバーナ州ハバナ出身のメキシコのプロ野球選手(外野手)。右投右打。MLBのタンパベイ・レイズ所属。

ランディ・アロサレーナ
Randy Arozarena
タンパベイ・レイズ #56
タンパベイ・レイズ時代
(2020年)
基本情報
国籍 メキシコの旗 メキシコ
出身地  キューバ
ラ・アバーナ州ハバナ
生年月日 (1995-02-28) 1995年2月28日(29歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
185 lb =約83.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2016年 アマチュアFA
初出場 LMB / 2016年4月17日
MLB / 2019年8月14日
年俸 $4,150,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ
メキシコの旗 メキシコ
WBC 2023年

経歴

キューバ時代

キューバ代表として第26回AAA世界野球選手権大会に参加したアロサレーナ
(2013年9月6日)

2013-14年と2014-15年シーズンにかけてセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(SNB)のベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオに所属[3]。

14年に父が亡くなり、家族を支えるためにも翌15年に母と相談の上で亡命を決意。夜のカリブ海をカヤックのようなボートで8時間かけてメキシコへ渡り、亡命した[4]。

プロ入りとブルズ時代

2016年4月17日にリーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルのティフアナ・ブルズでプロデビュー。ブルズでは4月中の5試合のみに出場し、5月3日にFAとなった。

カージナルス時代

2016年8月1日にメジャーリーグ・ベースボールのセントルイス・カージナルスと契約金125万ドルでマイナー契約を結んだ[5]。シーズンオフにウィンターリーグであるリーガ・メヒカーナ・デル・パシフィコ(LMP)のマジョス・デ・ナボホアに所属。以降、2018年までの毎年オフにマジョスに所属している。

2017年4月6日に傘下A+級パームビーチ・カージナルスでマイナーデビュー。6月14日に行われたフロリダ・ステートリーグ(FSL)オールスターゲームに招集された[6]。6月30日にAA級スプリングフィールド・カージナルスに昇格。このシーズンは2チーム合計で、490打席で打率.266、11本塁打、OPS.783を記録した。

2018年のスプリングトレーニングでは招待選手として参加した[7]。シーズンはAAA級メンフィス・レッドバーズで迎えた。5月4日にAA級スプリングフィールド・カージナルスに降格、5月18日にAAA級メンフィスに再昇格。7月に行われたオールスター・フューチャーズゲームでは世界選抜として選出[8]。7月17日にA+級パームビーチに降格、8月1日にAAA級メンフィスに再昇格。レギュラーシーズン成績は2チーム合計で、413打席で打率.274、12本塁打、OPS.792を記録。AAA級メンフィスが地区優勝したため、パシフィックコーストリーグ(PCL)プレーオフに出場。チームはリーグ優勝を果たし、トミー・エドマンとともにPCLプレーオフMVPに選出される[9]。その後、チームはAAA級年間優勝決定戦でも勝利した。

2019年のスプリングトレーニング中に右手を骨折したため、故障者リスト入りし、4月の開幕を迎えた[10][11]。5月11日にAA級スプリングフィールドで実戦復帰、6月12日にAAA級メンフィスに昇格[12][13]。8月12日にホセ・マルティネスが10日間故障者リスト入りした入れ替わりでメジャー昇格[14]。8月14日に行われたカンザスシティ・ロイヤルズで「9番・中堅手」で先発出場しメジャーデビュー。この試合ではメジャー初安打となる適時内野安打を記録した[15]。9月25日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦でメジャー初本塁打を記録。メジャーでの出場は19試合に留まったが、打率.300、出塁率.391を記録した。またポストシーズンにも25人枠入りし、ワシントン・ナショナルズとのディビジョンシリーズで代打として5試合に出場したが安打はなかった。

レイズ時代

2020年1月9日にマシュー・リベラトーレとドラフト下位指名権とのトレードで、ホセ・マルティネスとドラフト上位指名権と共にタンパベイ・レイズへ移籍した[16]。シーズンではCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンになった。自身も開幕前の検査で陽性反応が出て特別故障者リスト入りになり、陰性になるまで約1か月かかった。8月30日にシーズン初出場。最終的に23試合の出場で打率.281・7本塁打・11打点をマークした。ポストシーズンはスタメンで起用され、トロント・ブルージェイズとのワイルドカードシリーズ第2戦では3安打を記録。ニューヨーク・ヤンキースとのディビジョンシリーズでは打率.421、第1戦から3試合連続本塁打を放つ活躍でシリーズ突破に貢献した[17]。リーグチャンピオンシップシリーズでも最終第7戦の先制本塁打を含む4本塁打を放ち、ポストシーズンの本塁打数の新人新記録を更新し、新人野手では史上初となるシリーズMVPに選ばれた[18]。ロサンゼルス・ドジャースとのワールドシリーズでも3本塁打を放ってポストシーズンの新記録を樹立したが、チームは2勝4敗で敗れた[19]。

2021年は141試合の出場で打率.274、20本塁打、69打点、20盗塁を記録した。オフの11月15日に球団史上4人目、キューバ出身選手として6人目となる新人王を受賞した[20]。

2022年は153試合の出場で打率.263、20本塁打、89打点、32盗塁を記録した。

2023年はキューバ政府の方針転換により亡命選手にもワールド・ベースボール・クラシックへの参加資格が与えられたが、キューバ代表ではなく、帰化したメキシコ代表に選出され、参加。準決勝の日本戦(ローンデポ・パーク)では岡本和真が記録した本塁打性の打球を好捕するなどし、日本代表を苦しめた[21]。最終的にメキシコは敗れ準決勝で敗退となったが、自身は大会ベストナイン(外野手)に選出された[22]。MLB開幕後の13試合で打率.314、3本塁打、16打点、OPS.928を記録し、レイズの開幕13連勝に貢献した。6月29日に外野手部門のファン投票で初となるオールスターゲームに選出された[23]。

人物

2018年にメキシコで生まれた娘がいる[24]。弟のライコは、北米プロサッカー2部リーグ・USLCのタンパベイ・ローディーズのゴールキーパーである[25]。

2020年11月23日に、元交際相手との間にできた2歳の娘を連れて帰ろうと元交際相手の父親と揉み合いになったところ、誘拐罪と暴行罪でユカタン州にて逮捕された[26]。元交際相手が被害届を出さなかったため、2日後には釈放された[27]。

2022年にメキシコの市民権を得て、2023 ワールド・ベースボール・クラシックのメキシコ代表になった[28]。

自身が本塁打や適時打を打った時などに見せる“腕組みドヤ顔ポーズ”のパフォーマンスは、2023年ワールド・ベースボール・クラシックではメキシコ代表の象徴となり、メジャーリーグや日本でも大いに話題となった[29]。

自身の半生を描いた映画が公開予定だったが[30]、2023年に製作が中止になったことを本人が明らかにした[31]。

詳細情報

年度別打撃成績

年

度
球

団
試

合
打

席
打

数
得

点
安

打
二
塁
打
三
塁
打
本
塁
打
塁

打
打

点
盗

塁
盗
塁
死
犠

打
犠

飛
四

球
敬

遠
死

球
三

振
併
殺
打
打

率
出
塁
率
長
打
率
O
P
S
2019 STL 19232046101102210020140.300.391.500.891
2020 TB 237664151820741114001605222.281.382.6411.022
2021 141604529941453232024369201005564141709.274.356.459.815
2022 1536455867215441320261893212024621115617.263.327.445.773
2023 1516545519514019323234832210058011815610.254.364.425.789
MLB:5年 4872002175028046395971789254803301319074950838.265.351.451.802
  • 2023年度シーズン終了時

MLBポストシーズン打撃成績

2019 STL NLDS 3330000000000000020.000.000.000.000
NLCS 2210000000100000110.000.500.000.500
2020 TB ALWC 2983421081010010010.500.5561.0001.556
ALDS 5211958003173000010140.421.476.8951.371
ALCS 73028691042260000210100.321.367.7861.152
WS 6262258003174010041042.364.462.7731.234
2021 ALDS 419154510193200040040.333.474.6001.074
2022 ALWC 21090100010000010050.111.200.111.311
2023 ALWC 2880310040000000020.375.375.500.875
出場:5回 3312811323385111781732001322332.336.414.6901.104
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字はMVP受賞

WBCでの打撃成績

2023[32] メキシコ 628208960118900061250.450.607.900

年度別守備成績

年
度
球
団
左翼(LF)中堅(CF)右翼(RF)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2019 STL 10000----571001.000640001.000
2020 TB 14141011.000230001.00030000----
2021 81109411.99110000----53981001.000
2022 104157450.970-25410001.000
2023 1392458011.000--
MLB 3395251763.9898101001.000871431001.000
  • 2023年度シーズン終了時

表彰

MLB
国際大会
  • オールWBCチーム:1回(外野手部門:2023年)
  • WBCフェニックスラウンドMVP:1回(2023年)

記録

MiLB
MLB

背番号

  • 66(2019年)
  • 56(2020年 - )

脚注

注釈

出典

  1. “Randy Arozarena Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年3月12日閲覧。
  2. “スペイン語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2019年8月13日閲覧。
  3. Fleming, Ted (2016年). “Cardinals sign No. 9 Cuban prospect Randy Arozarena”. en:FanSided. 2019年8月15日閲覧。
  4. “「命かけた」亡命からMVP レイズ・アロザレーナ”. 日刊スポーツ. 2020年10月18日閲覧。
  5. “Cardinals' Randy Arozarena: Signs with Cardinals for $1.25 million”. CBSスポーツ. 2018年2月24日閲覧。
  6. Terry, Justin (2017年6月22日). “Cardinals name FSL South All-Stars”. en:Treasure Coast Newspapers. 2019年8月15日閲覧。
  7. “Cardinals invite 23 non-roster players to Spring Training”. Viva El Birdos. 2018年3月25日閲覧。
  8. “Minor league report: Hudson, Arozarena tabbed for All-Star Futures Game”. St. Louis Post-Dispatch. 2018年7月9日閲覧。
  9. Rice, Megan (2018年9月16日). “Memphis Redbirds claim back-to-back PCL titles for the first time”. WREG.com. 2019年8月15日閲覧。
  10. Rains, Rob (2019年4月2日). “Where will Nolan Gorman and other Cardinals top prospects be as the minor-league season begins?”. en:KSDK. 2019年8月15日閲覧。
  11. RotoWire Staff (March 18,2019). “Cardinals' Randy Arozarena: Suffers fractured hand”. CBSスポーツ. 2019年8月15日閲覧。
  12. Graves, Matt (2019年). “St. Louis Cardinals: Randy Arozarena is on the rise again”. FanSided. 2019年8月15日閲覧。
  13. Hochman, Benjamin (2019年7月11日). “Hochman: How long can Cardinals afford to keep Bader in lineup?”. en:St. Louis Post-Dispatch. 2019年8月15日閲覧。
  14. Hummel, Rick (2019年8月12日). “Here comes Arozarena as Cardinals place J. Martinez on IL”. 2019年8月12日閲覧。
  15. David Brown (2019年8月14日). “Cards break up no-hit bid, sweep Royals”. 2019年8月15日閲覧。
  16. Mark Polishuk (2020年1月9日). “Rays Acquire Jose Martinez, Randy Arozarena From Cardinals”. MLB Trade Rumors. 2020年1月10日閲覧。
  17. “After escaping Cuba, overcoming COVID, Randy Arozarena's performance shouldn't shock us”. USA TODAY. 2020年10月13日閲覧。
  18. “レイズ、新人アロサレーナのMVPに指揮官も称賛 「言い表せる言葉が見つからない」”. Full-Count. 2020年10月18日閲覧。
  19. “レイズ・アロサレーナがPO新10本塁打 鬼才バウアーも衝撃「今まで見たことがない」”. Full-Count. 2020年10月30日閲覧。
  20. Adam Berry (2021年11月16日). “'Fearless' Arozarena wins ROY; Wander 3rd” (英語). MLB.com. 2021年11月17日閲覧。
  21. “【WBC】岡本和真もあぜん…左翼アロザレーナに“ホームラン”キャッチされ反撃ならず”. 日刊スポーツ. 2023年3月22日閲覧。
  22. “WBC“ベストナイン”発表 大谷が投手とDHでダブル選出 吉田正尚は外野で選出”. スポーツニッポン. 2023年3月22日閲覧。
  23. Thomas Harrigan (2023年6月29日). “From 1st-timers to 10th-timers, All-Star Game's starting field set” (英語). MLB.com. 2023年7月3日閲覧。
  24. Wolf, Jordan (2020年10月25日). “Tampa Bay Rays' Randy Arozarena sets postseason homer record” (英語). MiLB.com. 2021年10月15日閲覧。
  25. “Roster Raiko Arozarena Gonzalez” (英語). Rowdiessoccer.com. 2021年10月15日閲覧。
  26. “Rays' Arozarena detained in Yucatan state” (英語). ESPN.com (2020年11月24日). 2020年11月25日閲覧。
  27. “Rays' Arozarena released as no charges sought” (英語). ESPN.com (2020年11月26日). 2020年12月18日閲覧。
  28. Clair, Michael (2023年2月13日). “Urías and Arozarena commit to Team Mexico for World Baseball Classic” (英語). MLB.com. https://www.mlb.com/news/julio-urias-and-randy-arozarena-intend-to-play-for-mexico 2023年3月15日閲覧。
  29. "WBCでの腕組みポーズが人気、アロザレーナ選手の〝壮絶半生〟キューバから決死の亡命→メキシコ代表へ 家族支えるため、ボートで8時間海を漂う". 夕刊フジ. 産経デジタル. 29 March 2023. p. 1-2. 2023年4月14日閲覧。
  30. “Randy Arozarena’s story will become a movie” (英語). Tampa Bay Times (2020年11月7日). 2020年11月9日閲覧。
  31. “Inside Randy Arozarena's stirring journey to MLB stardom” (英語). ESPN.com (2023年8月24日). 2023年8月25日閲覧。
  32. 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月24日閲覧
  33. “Rookie of the Year” (英語). MLB.com. 2021年11月17日閲覧。

関連項目

外部リンク

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