能登川駅

能登川駅(のとがわえき)は、滋賀県東近江市林町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線である[2]。駅番号はJR-A17。「琵琶湖線」の愛称区間に含まれている。

能登川駅
東口(2007年4月)
のとがわ
Notogawa
JR-A16 稲枝 (3.7 km)
(5.1 km) 安土 JR-A18
地図
所在地 滋賀県東近江市林町
北緯35度10分47.68秒 東経136度9分57.22秒
駅番号 JR-A17
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 A 東海道本線琵琶湖線
キロ程 465.7 km(東京起点)
米原から19.8 km
電報略号 ノト
駅構造 地上駅橋上駅[1]
ホーム 2面3線[2]
乗車人員
-統計年度-
7,303人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1889年明治22年)7月1日[3]
備考 業務委託駅
みどりの券売機プラス設置駅[4]
能登川駅西口(2023年6月)

2006年平成18年)1月1日神崎郡能登川町編入合併で東近江市となり[5]、東近江市内で唯一のJRの駅となった[注釈 1]。私鉄も含む東近江市内の全14駅中で最も乗車人員が多い。

歴史

年表

駅名の由来

当初、この駅は現在の位置より1kmほど京都寄りの能登川村(後に八条村を経て再び能登川村、現在の東近江市能登川町)に開設される予定で、駅名も村名から「能登川」と決まった。当時能登川村は小中湖・大中湖を介して琵琶湖に繋がる港町であり、大津への汽船も発着する交通の要衝であった。しかし、能登川村付近は軟弱な地質であることが計画段階で判明し、位置が変更されることになった。その際、八幡村大字垣見(現在の東近江市垣見町)の地主が土地の無償提供を申し出たため、八幡村大字垣見と八条村(後に分割で五峰村)大字林(現在の東近江市林町)の境界に跨る現在の位置に駅が開業した[13]。駅名を巡って両村の間で争いにならないよう、当初の予定地であり、当時港町として比較的知名度の高かった「能登川」がそのまま駅名に採用された[注釈 2]

駅周辺は元は桑畑が広がる土地であったが、駅開業後、能登川村から多数の商家などが移転して新興市街地が形成された。駅開業当時、彦根~八幡(現:近江八幡)間には能登川駅しかなく、神崎郡・愛知郡唯一の官設鉄道駅として、駅前は周辺地域の玄関口・商業地・紡績工場地帯として発展し、「能登川」は本来の能登川村よりも能登川駅周辺の地域名として浸透していった。1942年に五峰村・八幡村・能登川村を含む周辺5村が合併した際、駅名から「能登川町」と命名され、駅名と自治体名が一致することとなった[14][15]

戦前の様子

1889年明治22年)7月1日米原駅彦根駅、八幡駅(現 近江八幡駅)、草津駅と同時に開業した歴史を持ち、日本旅行協会発行『汽車時間表』(昭和9年12月号)を見ると、2等寝台車と食堂車を連結した東京発大阪行37列車の停車駅だった。この列車の名古屋からの停車駅は、尾張一ノ宮岐阜大垣、米原、彦根、能登川、近江八幡、草津、大津京都大阪のみで、後の準急や急行並みの停車駅だった[16]

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ[2]地上駅橋上駅舎を有する。2003年(平成15年)に改築された駅舎は、旧・能登川町のシンボル、水車をモチーフとしたものになっている [8][1]

水車が有名な能登川だが、かつては駅のプラットホームに給水塔があり、蒸気機関車の給水駅であった[17]

JR西日本交通サービスによる業務委託駅彦根駅の被管理駅)。みどりの券売機プラスが設置されている[4]2003年(平成15年)11月1日にIC乗車カード「ICOCA」の利用が開始された[10]。トイレは改札外のみ。

セブン-イレブン キヨスク JR能登川駅改札口店がある[18]

のりば

のりば路線方向行先
1 A 琵琶湖線 下り 京都大阪方面[19]
2・3 上り 米原長浜方面[19]
  • 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
付記事項
  • 上り方向は2番のりばを発着するが、当駅で緩急接続を行う普通列車は3番のりばを使用する。
線路の構成
  • 1番線(1番のりば、下り本線)
  • 2番線(ホームなし、下り待避線)
  • 3番線(2番のりば、上り本線)
  • 4番線(3番のりば、上り待避線)

ダイヤ

日中時間帯は1時間に3本(新快速1本、普通2本)が停車する。なお、朝と夕方以降は本数が増える時間帯がある。また、上り列車の一部は当駅で新快速と普通の緩急接続が行われる。

利用状況

「滋賀県統計書」によると、1日平均の乗車人員は以下の通りである。

年度 1日平均
乗車人員
出典
1992年 5,999 [統計 1]
1993年 6,057 [統計 2]
1994年 6,063 [統計 3]
1995年 6,207 [統計 4]
1996年 6,251 [統計 5]
1997年 6,206 [統計 6]
1998年 6,203 [統計 7]
1999年 6,198 [統計 8]
2000年 6,229 [統計 9]
2001年 6,184 [統計 10]
2002年 6,115 [統計 11]
2003年 6,387 [統計 12]
2004年 6,630 [統計 13]
2005年 6,857 [統計 14]
2006年 7,065 [統計 15]
2007年 7,157 [統計 16]
2008年 7,340 [統計 17]
2009年 7,038 [統計 18]
2010年 7,166 [統計 19]
2011年 7,243 [統計 20]
2012年 7,341 [統計 21]
2013年 7,755 [統計 22]
2014年 6,955 [統計 23]
2015年 7,166 [統計 24]
2016年 7,198 [統計 25]
2017年 7,207 [統計 26]
2018年 7,201 [統計 27]
2019年 7,303 [統計 28]

駅周辺

(当駅の表玄関となる)東口周辺は戦前から続く商店街であり、再開発も一部に留まっているため、ロータリーや道幅は狭い。かつては、現在の西口周辺に日清紡能登川工場があったが、海外への生産拠点移転によって2001年(平成13年)に閉鎖されることになり[20]、跡地は当時の能登川町の街づくりに合わせて再活用されることになった[21]

2003年(平成15年)3月に橋上駅化して[8]西口広場が完成し[9]、駅西の土地区画整理事業も完成した[7]。駅西は、人口11万人都市の副次都市として開発中で、東近江市と日清紡ホールディングス、マンション開発業者の協定による11階建て分譲マンションが2023年に完成。西口では2010年築の14階建て分譲マンションに続く2棟目(賃貸マンションを除く)となった。また、市公社取得地での都市化促進施設も計画されている[22][23]

橋上駅舎化前の駅西側には、平和堂能登川店(移転後は現・フレンドマート能登川店)や飲食街のカトレア街が存在した。

東口

西口

西口には水車の形をした時計がある

バス路線

駅東口と駅西口にのりばを設けている[26]。なお、近江鉄道バスの停留所名は「能登川駅」[27]となっているが、ここでは「能登川駅(東口)」に表記を変えて解説する。

能登川駅(東口)
能登川駅東口
※土曜・日曜・祝日はちょこっとタクシー(予約制デマンドタクシー)として運行。
能登川駅西口
  • ちょこっとバス
    • 大中線
      • 大中
      • 能登川病院
※土曜・日曜・祝日はちょこっとタクシー(予約制デマンドタクシー)として運行。
  • ちょこっとタクシー
    • ドリーム城東線
      • 城東東
      • ドリームハイツ集会所
    • 神郷線
      • 愛宕神社
      • 神郷
    • 新宮須田線
      • 新宮西
      • やわらぎの郷公園

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
A 琵琶湖線(東海道本線)
新快速
彦根駅 (JR-A13) - 能登川駅 (JR-A17) - 近江八幡駅 (JR-A19)
普通(京都駅または高槻駅以西は快速
稲枝駅 (JR-A16) - 能登川駅 (JR-A17) - 安土駅 (JR-A18)

脚注

注釈

  1. 能登川町を編入するまでは旧八日市市時代からを含め滋賀県の市で唯一国鉄→JRの路線が走っていなかった。
  2. 辻良樹「能登川駅誕生の秘話」同「能登川駅の今昔」『ふるさと百科 能登川てんこもり』能登川町、1997年、106頁。(ウェブ版)。同記念誌は記名ではないが、『ふるさと百科 能登川てんこもり』の編集委員による座談会の模様を記した町勢要覧「みんなが主役のまちづくり」能登川町 1998年発行において、同氏に依頼したことが記されている。

出典

  1. 「鉄道記録帳2003年3月」『RAIL FAN』第50巻第6号、鉄道友の会、2003年6月1日、20頁。
  2. 『週刊 JR全駅・全車両基地』 04号 名古屋駅・古虎渓駅・美濃赤坂駅ほか77駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月2日、26頁。
  3. 滋賀県史年表, 滋賀県, (1986), pp. 39
  4. 能登川駅|駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月8日閲覧。
  5. “新・東近江市が発足 能登川、蒲生 両町を編入 県の中核都市目指す”. 京都新聞 (京都新聞社): pp. 朝刊 3. (2006年1月3日)
  6. 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '99年版』ジェー・アール・アール、1999年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-120-1。
  7. “JR能登川駅西土地区画整理事業が完成”. 朝日新聞 (朝日新聞社): pp. 朝刊 滋賀版. (2003年3月28日)
  8. “JR能登川駅舎が一新 業務開始 駅西からも構内へ 線路またぐ自由通路 外観は水車イメージ”. 中日新聞 (中日新聞社): pp. 朝刊 滋賀版. (2003年3月16日)
  9. “JR能登川駅の西口広場が完成”. 読売新聞 (読売新聞社): pp. 朝刊 滋賀版. (2003年3月28日)
  10. “きょうからイコカ JR西カード 関西253駅でスタート 京滋でも84駅で”. 京都新聞 (京都新聞社): pp. 夕刊 10. (2003年11月1日)
  11. 琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅のホームで使用している「入線警告音」の音質を見直します
  12. 能登川駅開業130周年記念事業”. 滋賀報知新聞社. 2019年7月3日閲覧。
  13. 『ふるさと百科 能登川てんこもり』106頁 辻良樹「能登川駅誕生の秘話」同「能登川駅の今昔」
  14. 『ふるさと百科 能登川てんこもり』能登川町 1997年
  15. 『角川日本地名大辞典 25 滋賀県』1979年、角川書店。
  16. 辻󠄀 良樹『関西 鉄道考古学探見』153、154頁。
  17. 辻󠄀 良樹『関西 鉄道考古学探見』156頁 給水塔があるホームの写真を掲載。
  18. ジェイアール西日本デイリーサービスネット 店舗一覧”. ジェイアール西日本デイリーサービスネット. 2024年2月15日閲覧。
  19. 能登川駅|構内図:JRおでかけネット”. www.jr-odekake.net. 西日本旅客鉄道. 2022年12月21日閲覧。
  20. “能登川工場など閉鎖へ 海外へ設備移転 12月から順次 日清紡”. 京都新聞 (京都新聞社): pp. 朝刊 13. (2000年9月2日)
  21. “利用計画立たず JR能登川駅西隣の日清紡工場跡地 町の意向踏まえたい・会社 一等地だが購入は無理・町”. 京都新聞 (京都新聞社): pp. 朝刊 滋賀版. (2001年7月11日)
  22. 市玄関口にマンションと施設を建設”. 滋賀報知新聞. 2020年12月26日閲覧。
  23. 人口増とにぎわい期待 日清紡工場跡地で再開発 東近江・能登川駅 /滋賀”. 毎日新聞. 2021年9月9日閲覧。
  24. やわらぎホール”. 東近江市. 2022年4月24日閲覧。
  25. “あすオープン 平和堂「フレンドマート能登川店」”. 毎日新聞 (毎日新聞社): pp. 朝刊 滋賀版. (2003年3月28日)
  26. ちょこっとバス 能登川地区路線図”. 東近江市. 2022年4月20日閲覧。
  27. 主要駅における乗り場のご案内について(能登川駅)”. 近江バス・湖国バス. 2022年9月9日閲覧。

統計資料

  1. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成4年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/37564.pdf
  2. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成5年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4017615.pdf
  3. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成6年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4017641.pdf
  4. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成7年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4012583.pdf
  5. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成8年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4012557.pdf
  6. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成9年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4012505.pdf
  7. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成10年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4012531.pdf
  8. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成11年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043315.pdf
  9. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成12年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043536.pdf
  10. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成13年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043924.pdf
  11. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成14年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4044012.pdf
  12. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成15年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4044095.pdf
  13. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成16年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4044186.pdf
  14. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成17年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4044279.pdf
  15. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成18年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4044358.pdf
  16. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成19年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4044423.pdf
  17. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成20年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043845.pdf
  18. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成21年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043222.pdf
  19. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成22年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043215.pdf
  20. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成23年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043207.pdf
  21. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成24年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043198.pdf
  22. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成25年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043175.pdf
  23. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成26年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4043154.pdf
  24. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成27年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5108052.pdf
  25. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成28年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5108061.pdf
  26. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成29年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5159405.pdf
  27. 滋賀県,西日本旅客鉄道『平成30年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5159532.pdf
  28. 滋賀県,西日本旅客鉄道『令和元年滋賀県統計書』(レポート)https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5235686.pdf

参考文献

『ふるさと百科 能登川てんこもり』所収 辻良樹「能登川駅誕生の秘話」同「能登川駅の今昔」能登川町 1997年発行

辻良樹『関西 鉄道考古学探見』JTBパブリッシング 2007年発行。

関連項目

外部リンク

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