阪急3300系電車

阪急3300系電車(はんきゅう3300けいでんしゃ)は、1967年昭和42年)に登場した阪急電鉄(阪急)の電車通勤形電車)である。大阪市営地下鉄堺筋線への相互直通運転用として、阪急と大阪市交通局の協議の上で設計された[1]

阪急3300系電車
阪急3300系
基本情報
運用者 阪急電鉄
製造所 ナニワ工機
アルナ工機(3950形)
製造年 1967年 - 1969年、1979年
製造数 126両[1]
運用開始 1967年
投入先 京都線(地下鉄堺筋線直通)
主要諸元
編成 8・7両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 阪急線内 110 km/h
堺筋線内 70 km/h
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 3.3 km/h/ (MT比6M2T・6M1T時)
2.9 km/h/s (MT比4M3T時)
減速度(常用) 4.5 km/h/s
減速度(非常) 5.0 km/h/s
車両定員 座席48・立席92(先頭車)
座席52・立席98(中間車)
座席48・立席102(簡易中間化改造車)
自重 24.3 t(3350形簡易中間化改造車)
- 36.0 t (3300形)
全長 18,900 mm
全幅 2,809 mm
全高 3,730 mm (通常、冷房改造前)
→4,020 mm (冷房改造後)
4,120 mm (3300形)
4,040 mm (3950形)
車体 普通鋼
台車 M車(電装解除車):FS-369
T車:FS-069、FS-069A(3950形)
主電動機 東洋電機製造 TDK831-A
主電動機出力 130 kW × 4
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 1:5.25
制御方式 抵抗制御
制御装置 東洋電機製造 ES583
制動装置 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
(常用)
電気指令式ブレーキ
(非常)
保安装置 ATS,WS-ATC
デッドマン装置
備考 起動加速度は45km/hまでの値

概要

地下鉄堺筋線開業および日本万国博覧会(大阪万博)開催に合わせて1967年から1969年(昭和44年)までの短期間に120両が製造され、1979年には付随車6両が増備された[2]神戸線向けの5000系と同時期に登場し、車体各所の設計が共通していることから、本形式は5000系の京都線仕様に相当する[注釈 1]

車体・接客設備

車体寸法は従来の阪急標準車体より幅が100mm広くなり2,800mmに、長さは100mm短くなり18,900mmとされた[3]。この寸法は乗り入れ先の地下鉄堺筋線用60系と同様のものである[4]。神宝線へは車体幅が車両限界に抵触するため、入線不可能である。

車体寸法の協議の際、阪急は外板幅2,700mm、車体長18,300mm、連結面間19,000mmの阪急標準車体を、大阪市は外板幅2,800mm、車体長18,000mm、連結面間18,700mmの地下鉄標準車体をそれぞれ主張した[1]。幅については、大阪市は車体幅の広いP-6の走る路線への直通であると指摘し、また阪急側も神戸高速線より直通する2,780mm幅の山陽電鉄車両の受け入れもあり、阪急標準車体を断念して外板幅2,800mmとすることになった[1]。長さについても折り合いがつかず、阪急標準車体より100mm短い寸法とされた[1]

正面は交通局の要請から前面左側窓上に小型の手動式方向幕が設置され[5]標識灯は左右とも外側に寄せられた。手動式方向幕は原則として堺筋線直通列車の運用のみに使用され、阪急線内運用では、従来車同様に運行標識板を使用した[3]。ただし、「梅田」のコマも用意されていたため、装飾の関係で標識板が取り付けられなかった梅田駅2・3号線の完成時の祝賀列車や、標識板が何らかの事情で不足した時の普通列車など、線内列車で散発的に手動式方向幕が使用された例があった。また、「回送」のコマは線内の回送列車にも使用されていた。

側窓は下降窓の開口高さを床面から1,200mmに抑え、車両限界の狭い地下鉄線で必要な保護棒を省略した[5]。非常時の正面からの脱出の妨げにならないよう、前面貫通扉と乗務員室仕切り扉の開閉順序が逆になった[5]

乗務員室は、保安装置の搭載数増加により客室側に100mm拡大され、1,150mmとなった[5]。窓の寸法にも変更があり、3000系では窓幅800mm・間柱180mm・戸袋部800mmであったものが、3300系では窓幅810mm・間柱170mm・戸袋部765mmとなっている[4]

乗務員室仕切り壁の車掌台側の窓にはガラスが設置され、車内放送の共鳴防止を図った[5]。車掌スイッチは従来の阪急方式から地下鉄方式の押し棒式になり[5]、取り付け位置も低い位置に変更され、乗務員室側扉の開き勝手も従来と逆になった[6]

主要機器

電動車はMM'ユニット方式を採用した。地下区間での故障時推進が行えるよう、電動車の比率(MT比)が高く取られ、主電動機1台あたりの出力は130kWに下げられている[注釈 2]。駆動方式は中空軸平行カルダン[6]歯車比は京都線標準の5.25である[7]。定格速度も低めの設定だが、弱め界磁制御範囲が広く高速運転も可能である。5300系以降の車両とは異なり、地下区間での加速度切り替えは行わない。

主制御器は東洋電機製造製のES583形で、Mc車の3300形に搭載する。3300系の形式番号に合わせて、主制御器の外形全長が3300mmとなるよう設計された[8]

台車は乗り心地向上を目的として阪急初のS型ミンデン空気バネ台車を採用し[6][注釈 3]、M車はFS369、T車はFS069を装着した[4]。電動・付随台車とも車輪径は860mmで一体圧延車輪を採用、基礎ブレーキは片抱き式、空気ばねの有効径は480mmである[6]。この台車は神戸線5000系でも使用され、以後の新造車でも改良を加えながら8000系8300系まで採用が続いた[9]

運転台主幹制御器とブレーキハンドルが個別の2ハンドル車であるが、堺筋線内で運転士が駅出発時に警笛を使用する関係上、電気笛が標準装備されている[注釈 4]

ブレーキシステムは初代1300系以来採用されている発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキである[7][注釈 5]

形式

2017年9月に形式呼称が変更された。変更後の形式[10]は、各形式の項目末尾に記す。なお、新形式呼称でのハイフン以下の枝分けは、2021年以降は廃止された[11]

新規製造形式

  • 3300形(3301 - 3348、48両)
大阪梅田天下茶屋方を向く制御電動車。パンタグラフと制御器を搭載し、3400形または3800形とユニットを組む。中間車化された車両も存在し、中間車化の上電装解除された車両は後述の3890形に改番されている。下記編成図ではMc、またはMo(中間車化改造車)と表記。新形式呼称では、Mc3300形(運転台撤去車はM3300形)と表記。
  • 3350形(3351 - 3368、18両)
京都河原町北千里方を向く制御車。3両が中間車化されている。下記編成図ではTc、またはTo(中間車化改造車)と表記。新形式呼称では、Tc3350形(運転台撤去車はT3350形)と表記。
  • 3800形(3801 - 3818、18両)
MGCPを搭載し、3300形とユニットを組む中間電動車。下記編成図ではM’と表記。新形式呼称では、M3800形と表記。
  • 3400形(3401 - 3430、30両)
京都河原町・北千里方を向く制御電動車。1969年製造分のみ。MGとCPを搭載し、3300形とユニットを組む。後述の連結解放運転案に基づいて製造されたため、当初から中間に組み込まれていた車両が多く、冷房改造時に大半の車両が中間車化された。電装解除され3390形に改番されたものも3両存在し、1両のみ中間車化後に電装解除され3890形に改番されている。現在も運転台を残しているのは6+2両編成の2両側を組成するための3両のみ(2016年に3426が廃車された為、以降は3425・3427のリニューアル車2両のみ)であり、営業運転で先頭に立つ機会はない。下記編成図ではM'c、またはM'o(中間車化改造車)と表記。新形式呼称では、Mc3400形(運転台撤去車はM3400形)と表記。
  • 3850形(3851 - 3861〈奇数番のみ〉、6両)
付随車。下記編成図ではTと表記。初期に製造された4+3両編成の4両側にのみ組み込むため、奇数番号のみが製造された。後に付随車が増備された際は別形式の3950形となったため、結果偶数番号は欠番のままになった。新形式呼称では、T3850形と表記。
  • 3950形(3951 - 3956、6両)
1979年に追加製造された付随車。上述の通り5300系の中間付随車5850形と同様の車体を持つ冷房準備車として製造され、新製時から車体に冷房風洞が組み込まれていたため車高が通常の3300系より高い。新製時のモニター屋根も通常の3300系中間車のものとは違い、少し高く屋根全長より短いもので車内のファンデリアは3300系標準の四角い枠のものと異なり他形式の冷房化改造で余剰になり流用された丸型のものだった。また、台車の形状や車側表示灯の位置も通常の3300系とは違い、5300系に準じたものになっている。下記編成図ではTと表記。新形式呼称ではT3850-1形となり、3950番台ながらもT3850形のグループ扱いとなった。

改造・改番形式

  • 3350形(3390番台:3391 - 3393、3両)
3400形を電装解除した制御車。下記編成図ではTcと表記。新形式呼称では、Tc3350-1形と表記。
  • 3850形(3890番台:3891 - 3895、5両)
3300形、3400形を運転台撤去、電装解除した付随車。運転用機器が完全撤去されている。下記編成図ではTo(3300形改造車・菱形パンタグラフも撤去)、T'o(3400形改造車)と表記。旧運転台の向きは、3400形から改造の3895のみ京都・北千里向き、3300形から改造の3891~3894は大阪梅田・天六天下茶屋)向きである。新形式呼称では、向きを問わずT3850-2形と表記。

製造

当初は、堺筋線への直通運転の詳細が未確定なこともあり、暫定的に本線の急行など優等列車用としてMT比4M3Tの7両編成(Mc-M'-T-Tc+Mc-M'-Tc)で落成した[5]。車両番号の下1桁をそろえるため、付随車の3850形は偶数番が欠番となっている[5]

大阪
京都
竣工
Mc M' T Tc Mc M' Tc
33013801385133513302380233521967年12月[5]
3303380338533353330438043354
3305380538553355330638063356
33073807385733573308380833581968年5月[6]
33093809385933593310381033601968年9月[6]
33113811386133613312381233621968年11月[6]

直通運転の計画が明らかになり、阪急側は5両編成14本を用意することとなった[12]。地下線内の故障列車の救援推進を考慮し、協定により編成内の3分の2を電動車とするため[12]、5両編成ではユニットの関係から4M1Tとなった。

自社線内のダイヤ検討の過程で高槻市駅で5両編成+2両編成の連結解放を行う案が浮上し、その対応のために当初計画のなかったMc'車を製造することになり、3400形が登場した[12]。3400形の形式は神戸・宝塚・京都方の先頭車に100番を加えるきっかけとなった[12]

大阪
京都
竣工
Mc M' Tc
3313 381333631969年1月[12]
3314 38143364
3315 381533651969年3月[12]
3316 38163366
3317 38173367
3318 38183368
Mc M'c
3325 3401 1969年3月[12]
3326 3402
3327 3403
3328 3404

3400形は増備が続けられ、4M1Tの5両編成に組成変更された。一部の編成では、しばらく6M1Tの7両編成で本線急行に使用された編成も存在した。連解運用を考慮して3332 - 3348と3408 - 3424の34両に自動式の密着連結器を装備したが[12]、結果として連結解放運転は実現しなかった[12]

大阪
竣工
M'c Mc
3408 3332 1969年9月[12]
3409 3333
3410 3334
3411 3335 1969年10月[12]
3412 3336
3413 3337
3414 3338
3415 3339
3416 3340
3417 3341
3418 3342
Mc M'c
3329 34051969年8月[12]
3330 3406
3331 3407
大阪
竣工
Mc M'c Mc M'c
3319 3419 3343 3425 1969年10月[12]
3320 3420 3344 3426
3321 3421 3345 3427
3322 3422 3346 3428
3323 3423 3347 3429
3324 3424 3348 3430


1979年(昭和54年)には、堺筋線の6両編成化を目的として付随車6両が追加製造され、3308F、3310F、3312F、3313F、3314F、3316Fの6本に組み込まれた。車体は当時増備中の後継の冷房車5300系に準じ、断面形状が若干異なるものの、5300系の5850形と同一とした[13]冷房装置は搭載せず準備工事車として竣工し、車両形式も3950形となった[13]

天井見付は従来の車両とは大きく異なり、平天井部に当時冷房改造が進行中であった2300系などから流用した丸形のファンデリア(換気装置)が並ぶ独特のタイプである[注釈 6]

大阪
竣工
T
39511979年2月[12]
3956

主な改造

冷房化・方向幕設置

1982年(昭和57年)から1985年にかけて、3300系は在来車では最後に冷房化改造が実施された[7]集約分散式冷房装置が1両あたり3台設置されたのに加えて、当時の新造車と同様に補助送風機(スイープファン)も設置され[13]、天井見付は7300系初期型とほぼ同じになった。車内の化粧板もドア部分を除き新品に貼り替えられた。1986年3月に冷房化が完了し、同時に冷房化率100%を達成した[13]。冷房化改造の時期が遅かったのは、当時相互直通先の大阪市交通局は車両の制御装置から排出される熱に加え、冷房装置から排出される熱がトンネル内に溜まるという理由で車両の冷房化に消極的であり、むしろ駅とトンネルの冷房化に精力的であったこともある[注釈 7]

冷房化と並行して、電動式の方向幕装置も設置された[13]。改造時に前面窓上にあった標識灯は通過標識灯尾灯とが別々となって窓下に移設され、手動式方向幕は電動式となって種別表示と行先表示が左右別々に振り分けられた[注釈 8]

長編成化に伴い、編成中間組み込みの先頭車の大半で運転台の撤去を施工し、3400形については、ほとんどの車両が運転台撤去・中間車化されるに至った。この改造に伴う車両番号の変更はない[13]

  • Mc → M[13]
    • 3302 - 3304、3306、3319、3321、3322、3332 - 3342、3344
  • Mc' → M'[13]
    • 3401 - 3424

また、京都方先頭車に設置されていたジャンパ栓格納用の電らん箱が撤去され、ジャンパ栓の144芯化がなされている。

1990年代には堺筋線に入線する編成について同線用の音声合成式自動放送装置が取り付けられた[注釈 9]。また、同時期に速度計・ATS表示器のデジタル化、非常ブレーキの電気指令化が他形式に先駆けて進められ、非常ブレーキ投入時の排気音が出ないようになった[14]

電装解除と改番

堺筋線直通列車の6両編成化後は、4M2Tまたは6Mの編成を組成した。6Mは出力過剰なため、3300形と3400形の番号の大きい車両で電装解除がなされ、後に改番を実施した[13]。この改番は運用の見直しによりMc'、Mc各3両に留まり、飛び番を埋める改番も行われた[13]

  • Mc → T
    • 3343 → 3893
    • 3345 → 3891
    • 3346 → 3892
  • M'c → Tc
    • 3425 → 3393
    • 3427 → 3391
    • 3428 → 3392
  • Mc → Mc(改番)
    • 3347 → 3345
    • 3348 → 3343
  • M'c → M'c(改番)
    • 3429 → 3427
    • 3430 → 3425

リニューアル

リニューアル車の車内。写真は運転台撤去車で、運転台仕切りが残されている。

阪神淡路大震災からしばらくの間、阪急は経営状態が厳しく、新車による大量置き換えが難しい状態が続いた。そこで、車両の近代化を図るべく2003年より5300系などの経年の浅い車両に対して施工されていたものと同様の内外装更新によるリニューアル工事(大規模工事[15])が開始された。

2003年より工事が開始され、2006年8月までに8両編成5本の40両が施工されている[15][16]

  • 3329F(2003年12月3日竣工)
  • 3305F(2004年7月23日竣工)
  • 3331F(2005年3月29日竣工)
  • 3328F(2006年2月1日竣工)
  • 3323F(2006年8月29日竣工)

内容は他系列と同じく、客用扉窓ガラスを複層ガラスで従来より下に長いものに交換、扉・妻部の化粧板をこげ茶のものに交換、日除けが阪急伝統の鎧戸式からフリーストップ式のロールカーテンに交換(3305F・3329Fが上昇式でそれ以外の編成は下降式)、バリアフリー対応としてLED方式の車内案内表示装置の設置、扉に開閉通知チャイムと扉開閉予告灯設置・冷房機を東芝製RPU-4018に交換、標識灯を白色LEDに交換などである。本系列では中間化改造車の運転台撤去部には座席は設置されず、立席スペースのまま残されている点が5000系とは異なる。

座席モケットは最初に施工された3329Fは従来の素材が流用されたが、3305F以降の施工車は光沢の強い素材へ交換されており、若干車内の雰囲気が異なる。

また、一部の更新車に対してコンプレッサーの取り換えが実施されており、従前から搭載されていたHB2000形から8300系などで採用された交流駆動式のHS20形に換装されているものもある[7]。制御装置など機器類は変更されておらず、現在では地下鉄乗り入れ車両としては5300系とともに数少ない抵抗制御車両となっている。

運用

短期間に120両が製造されたため、登場当初は本線の普通列車のほか特急や急行にも使用された[17]。1969年12月6日の堺筋線直通を開始し、当初は5両編成で運用された[18]1970年(昭和45年)に開催された日本万国博覧会(大阪万博)期間中には「EXPO準急」にも大阪市60系とともに運用された。

1979年には3950形が増備され、全編成が6両編成となった[18]。この6両編成化の時期に、一部制御電動車の電装解除が行われている[19]

1989年平成元年)12月のダイヤ改正で高槻市 - 動物園前間の一部列車が8両化されたのに伴い、3323F、3330F、3331Fの3本が8両編成化された[20]。8両編成は5300系8両編成との共通運用で、3300系は再び急行にも充当されている[20]。その後も8両編成化が進められ、1994年3月には8両編成13本、6両編成3本となった[19]。3326Fの8両編成は、中間車の6両全車が運転台撤去車のみで組成された。その後、2001年3月のダイヤ改正で6両編成は全編成が組み替えられて消滅した。

2011年時点では7両編成と8両編成が存在し、京都線千里線で運用されている。7両編成は準急以下の種別に、8両編成は準特急から普通までの各種別で運用されている。なお、京都河原町駅2号線発着は7両編成で、大阪市営地下鉄堺筋線の乗り入れは8両編成で行っている。また7両編成の車両が検査などで運用を離脱して本数が不足する場合には、8両編成の本系列が暫定的に7両編成となって運用されることがある[21]

2000年代以降の編成組替・廃車

2003年(平成15年)には9300系の導入で8両編成が増加したため、2300系7両編成置き換えを目的として組成変更が行われ、3314F、3318F、3325Fが4M3T構成の7両編成とされた[注釈 10]。2005年には9300系2次車の増備に伴い、3311Fと3320Fが7両編成化された。同時に3311Fに組まれている3322と3422が付随車化され、3894と3895に改番された[13]。後述のとおり、3894は改番の翌年に休車となり、その後は一度も編成に組み込まれないまま、2014年に廃車となった。3320Fの7両編成化に際しては大阪側2両の3320-3426を外し、3892が組み込まれた3301Fの7両編成となった。

2007年のダイヤ改正で、3301Fは再度、3320-3426を連結し3892を外した8両編成に戻された。この改正では特急のロングシート車運用にも充当されたが、2010年の特急の115km/h運転化で3300系の運用はなくなった。

2014年から1300系が導入されたことにより、2300系を置き換えるための8両編成の7両編成化が進行し、3327F[22]、3324F、3330F[23]、3309Fが編成組み替えなどによって7両編成となった。

廃車

3300系は登場から45年近く全車が在籍していたが、2010年代よりリニューアル未施工車から廃車が開始された。2006年から休車となっていた3894が2014年6月13日付で3300系で最初の廃車となった。続いて2007年から休車となっていた3892が2015年1月19日付けで廃車となった。2015年には3324Fの7両編成化で3307と3807が余剰となり、3307は2015年4月に廃車陸送され4月24日付で廃車[24][25]、3807は2015年6月4日付で廃車となった[25]

2015年までは1300系の導入によって2300系の置き換えが行われていたが、1303Fの導入をもって2300系の置き換えが完了し、1304Fの導入からは本系列が置き換えの対象となった。

2016年(平成28年)には1304Fの導入により3320Fの8両が4月14日付で廃車となり[26]、初の編成単位での廃車が発生した。さらに2017年(平成29年)には、1305Fの導入により3326Fの8両が2月9日付で廃車となった[26]。続いて1306Fの導入で3315Fの8両が2017年4月13日付で廃車となり[27]、リニューアル未施工車のみで組成された8両編成が消滅した。

1307Fの導入により、2019年1月31日付で長期休車の3317・3417が5300系5306・5406・5307・5407・5415・5316と共に廃車となった[28]。また、リニューアル未施工車の7両編成も5300系7両編成化等で廃車が始まり、始めに1308Fの導入により、2019年11月21日付けで3327Fと5300系5903が廃車となった[29]。続いて1309Fの導入により、2020年1月31日付で3314Fと5300系5902が廃車となった[30]。3314Fには最終増備車の3954が含まれており、3950形では初の廃車となった。

2020年には1310Fの導入により、2020年11月19日付けで、3318Fと5300系5909が廃車となった[31]。2021年より、リニューアル車の7両編成化でリニューアル未施工車を代替する3300系同士の置き換えも開始され、1311Fの導入により、3331Fが3955を外しリニューアル車初の7両編成とされ、2021年3月25日付けで、3309Fと3955が廃車となった。3955はリニューアル車で初の廃車となった。続けて1312Fの導入により、3328Fが3952を外し7両編成化され、2021年4月22日付で3311Fの3311-3411-3895-3851-3361、3324Fの3357-3951、3952が廃車となった[32]。3311Fに組み込まれていた3335-3811は3324Fから外された3357-3951の代わりに組み込まれ、3324Fは6M1Tの7両編成となった[33]。1313Fの導入により、2022年1月に3329Fが3861を外し7両編成化され、2022年1月28日付で3325Fと3861が廃車となった。これにより、3850形は形式消滅となり、同時に4M3Tの7両編成も消滅した[34]。続いて、本線の7両編成運用減少に伴い、2022年10月6日付で3324Fと5300系5802が廃車となり、3300系でのリニューアル未施工車は3330Fが残るのみとなった[35]。その3330Fも2023年4月より休車状態となり[36]、同年7月に5300系5809と共に廃車となった[37]。これにより、リニューアル未施工車が消滅し、残存車はリニューアル編成のみとなった。また、2023年4月には3305Fがリニューアル編成では初の編成単位での廃車となった[36]

編成

cは中間運転台の位置を、oは運転台撤去跡の位置を指す。

2023年1月現在、8両編成2本16両と7両編成4本28両が在籍する。

冷房化改造後

1986年4月1日現在。全車6両編成時代の組成。

冷房化改造 備考
Mc M' To Mo M' Tc
330138013351 oo 330238023352 1982年8月
3305 3805 3355 o o 3306 3806 3356 1983年6月
330738073357 oo 330438043354 1985年10月
Mc M'o Mo M' T Tc
33083408 oo 3332380839553358 1983年6月
3309 3409 o o 3333 3809 3859 3359 1982年1月
3310 3410 o o 3334 3810 3951 3360 1982年3月
3311 3411 o o 3335 3811 3851 3361 1982年1月
3312 3412 o o 3336 3812 3952 3362 1984年3月
3313 3413 o o 3337 3813 3953 3363 1984年4月
3314 3414 o o 3338 3814 3954 3364 1985年1月
3315 3415 o o 3339 3815 3855 3365 1984年7月
3316 3416 o o 3340 3816 3956 3366 1983年10月
3317 3417 o o 3341 3817 3857 3367 1981年11月
3318 3418 o o 3342 3818 3861 3368 1983年1月
3329 3405 o o 3303 3803 3853 3353 1983年11月
Mc M'o Mo M'o To Tc
3324 3404 o o 3322 3422 o o 3892 3392 1984年9月
3325 3401 o o 3321 3421 o o 3891 3391 1985年6月
3326 3402 o o 3319 3419 o o 3893 3393 1986年3月
Mc M'o Mc M'o Mo Mc
3327 3403 o c 3328 3424 o o 3343 3425 1985年8月
3330 3406 o c 3320 3420 o o 3344 3426 1985年2月
3331 3407 o c 3323 3423 o o 3345 3427 1986年3月

1999年

1999年10月1日現在。

備考
Mc M' Mo M' To Mo M' Tc
33053805o 334138173355 oo 330638063391
Mc M'o Mc M'o Mo M' T Tc
33093409 oc 33173417 oo 3333380938593359
33273403 oc 33103410 oo 3334381039513360
33303406 oc 33163416 oo 3340381639563366
33313407 oc 33083408 oo 3332380839553358
Mc M'c Mc M'o Mo M' T Tc
33233427 cc 33133413 oo 3337381339533363
33283425 cc 33123412 oo 3336381239523362
Mc M'o Mo M'o Mo M' T Tc
3311 3411o o3322 3422o o3335 3811 3851 3361
33153415 oo 33443423 oo 3339381538553365
33293405 oo 33433424 oo 3342381838613353
Mc M'c Mc M' To Mo M' Tc
33203426 cc 330138013351 oo 330238023352
Mc M'o Mc M' To Mo M' Tc
33243404 oc 330738073357 oo 330438043354
Mc M'o Mo M'o Mo M'o To Tc
33263402 oo 33193420 oo 33453419 oo 38933393
梅田
河原町・北千里
備考
Mc M'o Mo M' T Tc
33143414 oo 3338381439543364
3325 3401o o3321 3421 3891 3356
Mc M'o Mo M'o T Tc
33183418 o3303380338533368
梅田
備考
Tc
3392
3367
梅田
備考
T
3857
梅田
備考
To
o 3892

2012年

2012年4月1日現在[38]。休車の廃車開始前。

廃車 備考
Mc M' Mo M' To Mo M' Tc
33053805o 334138173355 oo 330638063391 リニューアル車
Mc M'o Mc M'o Mo M' T Tc
33093409 oc 33173417 oo 3333380938593359
33273403 oc 33103410 oo 3334381039513360
33303406 oc 33163416 oo 3340381639563366
33313407 oc 33083408 oo 3332380839553358 リニューアル車
Mc M'c Mc M'o Mo M' T Tc
33233427 cc 33133413 oo 3337381339533363 リニューアル車
33283425 cc 33123412 oo 3336381239523362 リニューアル車
Mc M'o Mo M'o Mo M' T Tc
33153415 oo 33443423 oo 3339381538553365
33293405 oo 33433424 oo 3342381838613353 リニューアル車
Mc M'c Mc M' To Mo M' Tc
33203426 cc 330138013351 oo 330238023352
Mc M'o Mc M' To Mo M' Tc
33243404 oc 330738073357 oo 330438043354 2015年4月24日(3307)

2015年6月4日(3807)

Mc M'o Mo M'o Mo M'o To Tc
33263402 oo 33193420 oo 33453419 oo 38933393
梅田
河原町・北千里
備考
Mc M'o To Mo M' T Tc
33113411 o3895 oo 3335381138513361
Mc M'o To Mo M' T Tc
33143414 oo 3891o 3338381439543364
Mc M'o Tc Mo M'o T Tc
33183418 o3356 co 33213421 o38573392
Mc M'o Tc Mo M' T Tc
33253401 o3367 co 3303380338533368
梅田
廃車 備考
To
o 3892 2015年1月19日
o 3894 2014年6月13日

2016年

2016年4月1日現在[39]。編成単位の廃車開始前。

梅田・天下茶屋
河原町・北千里
廃車 備考
Mc M' Mo M' To Mo M' Tc
33053805o 334138173355 oo 330638063391 リニューアル車
Mc M'o Mo M'o Mo M' T Tc
33153415 oo 33443423 oo 3339381538553365 2017年4月13日  
Mc M'c Mc M' To Mo M' Tc
33203426 cc 330138013351 oo 330238023352 2016年4月14日  
Mc M'c Mc M'o Mo M' T Tc
33233427 cc 33133413 oo 3337381339533363 リニューアル車
33283425 cc 33123412 oo 3336381239523362 リニューアル車
Mc M'o Mo M'o Mo M'o To Tc
33263402 oo 33193420 oo 33453419 oo 38933393 2017年2月9日  
Mc M'o Mo M'o Mo M' T Tc
33293405 oo 33433424 oo 3342381838613353 リニューアル車
Mc M'o Mc M'o Mo M' T Tc
33313407 oc 33083408 oo 3332380839553358 リニューアル車
梅田
河原町・北千里
廃車 備考
Mc M'o T Mo M' T Tc
33093409 o3956o 3333380938593359  
Mc M'o To Mo M' T Tc
33113411 o3895 oo 3335381138513361  
Mc M'o To Mo M' T Tc
33143414 oo 3891o 3338381439543364 2020年1月31日  
Mc M'o Tc Mo M'o T Tc
33183418 o3356 co 33213421 o38573392  
Mc M'o To Mo M' T Tc
33243404 o3357 oo 3304380439513354 2022年9月30日  
Mc M'o Tc Mo M' T Tc
33253401 o3367 co 3303380338533368  
Mc M'o Mc M'o Mo M' Tc
33273403 oc 33103410 oo 333438103360 2019年11月21日  
33303406 oc 33163416 oo 334038163366  
梅田
廃車 備考
Mc M'o
c 33173417 o 2019年1月31日 休車

2022年

2022年10月現在[40]

大阪梅田・天下茶屋
京都河原町・北千里
廃車 備考
Mc M' Mo M' To Mo M' Tc
33053805o 334138173355 oo 330638063391 リニューアル車
Mc M'c Mc M'o Mo M' T Tc
33233427 cc 33133413 oo 3337381339533363 リニューアル車
大阪梅田
京都河原町・北千里
備考
Mc M'o Mo M' Mo M' Tc
33243404 oo 33353811o 330438043354
Mc M'c Mc M'o Mo M' Tc
33283425 cc 33123412 oo 333638123362 リニューアル車
Mc M'o Mo M'o Mo M' Tc
33293405 oo 33433424 oo 334238183353 リニューアル車
Mc M'o Mc M'o Mo M' Tc
33303406 oc 33163416 oo 334038163366  
3331 3407 o c 3308 3408 o o 3332 3808 3358 リニューアル車

2023年

2023年1月現在[35]

大阪梅田・天下茶屋
京都河原町・北千里
廃車 備考
Mc M' Mo M' To Mo M' Tc
33053805o 334138173355 oo 330638063391 リニューアル車
Mc M'c Mc M'o Mo M' T Tc
33233427 cc 33133413 oo 3337381339533363 リニューアル車
大阪梅田
京都河原町・北千里
廃車 備考
Mc M'c Mc M'o Mo M' Tc
33283425 cc 33123412 oo 333638123362 リニューアル車
Mc M'o Mo M'o Mo M' Tc
33293405 oo 33433424 oo 334238183353 リニューアル車
Mc M'o Mc M'o Mo M' Tc
33303406 oc 33163416 oo 334038163366  
3331 3407 o c 3308 3408 o o 3332 3808 3358 リニューアル車

脚注

注釈

  1. 3000系は神宝線の昇圧即応車として設計された車両であるため、京都線仕様に相当する車両が存在せず、3000系登場当時の京都線では、前世代車である2300系を継続増備していた。
  2. 5000系では電動機1台あたり170kWで最高MT比2:1であったのに対し、本系列は130kWで4:1となっている。
  3. S型以外で空気バネ台車は一部ですでに採用されていた。
  4. 阪急では運転台にワンハンドルマスコンを採用した2200系以降において電気笛が標準装備となっている。5000系リニューアル開始までは2ハンドル車で電気笛を装備しているのは本系列と5300系8両編成のみであった。
  5. ATS更新後は非常ブレーキのみ電気指令式ブレーキに変更された。
  6. 従来の3300系各車のファンデリアは5000系と同様にカバーが角形でフラットな近代的なものであった。
  7. 当時の大阪市営地下鉄でも御堂筋線には冷房装置を搭載した10系がすでに投入されていたが、これはチョッパ制御を採用したことにより、従来の抵抗制御車両よりも排熱量が少なくできたことによるものである。
  8. 同時に種別表示灯も種別表示と行先表示を併用する方向幕に改造された。
  9. 阪急線内では使用しない。
  10. 7両編成化は1990年代にも8300系の導入と同時に2800系の置き換えのためにも進められていた。

出典

  1. 山口益生『阪急電車』167頁。
  2. 篠原丞「阪急電鉄 現有車両プロフィール2010」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、249頁。
  3. 『私鉄の車両5 阪急電鉄』48頁。
  4. 藤井信夫『車両発達史シリーズ 4 阪急電鉄 京都線』関西鉄道研究会、1993年。94頁。
  5. 山口益生『阪急電車』168頁。
  6. 山口益生『阪急電車』169頁。
  7. 篠原丞「阪急電鉄 現有車両プロフィール2010」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、250頁。
  8. 埼玉サークルだより No.499 2015-3 アーカイブ 2019年12月28日 - ウェイバックマシン 鉄道友の会東京支部、2015年3月
  9. FS369A FS069A / 阪急電鉄6300系 Archived 2020年6月17日, at archive.ph エラー: 不明なアーカイブURLです。 台車近影、鉄道ホビダス、2011年4月26日
  10. 「大手私鉄ファイル 車両配置表」『鉄道ファン』2019年8月号付録、交友社
  11. 『大手私鉄車両ファイル2021』、『鉄道ファン』2021年8月号付録、交友社。
  12. 山口益生『阪急電車』170頁。
  13. 山口益生『阪急電車』171頁。
  14. レイルロード『阪急3300 Vol.2』78頁。
  15. 篠原丞「阪急電鉄 現有車両プロフィール2010」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、251頁。
  16. 「阪急電鉄 車両履歴表」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号、電気車研究会。293-296頁。
  17. 『日本の私鉄7 阪急』1990年、96頁。
  18. 『日本の私鉄 阪急』1998年、88頁。
  19. 『日本の私鉄 阪急』1998年、89頁。
  20. 『日本の私鉄7 阪急』1990年、97頁。
  21. 阪急3315編成が7両編成に アーカイブ 2023年9月30日 - ウェイバックマシンrailf.jp
  22. 阪急京都線3300系3327編成が7両編成化される アーカイブ 2023年4月23日 - ウェイバックマシンrailf.jp
  23. 阪急3300系3330編成が7両編成化される アーカイブ 2023年9月30日 - ウェイバックマシンrailf.jp
  24. 阪急2300系2315編成と3300系3307号が陸送される アーカイブ 2023年4月23日 - ウェイバックマシンrailf.jp
  25. ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2016』交通新聞社、2016年、199頁。
  26. ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2017』交通新聞社、2017年、197頁。
  27. ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2018』交通新聞社、2018年、197頁。
  28. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.88
  29. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.91
  30. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.92
  31. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.95
  32. 「阪急電鉄NEWS-2021 春- 3300系3328×8が7両編成に」『鉄道ピクトリアル』2021年7月号(NO.987)、電気者研究会。127ページ。
  33. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.99
  34. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.100
  35. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.103
  36. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.105
  37. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報vol.106
  38. 山口益生『阪急電車』238頁。
  39. ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2016』交通新聞社、2016年、145頁。
  40. 阪急電鉄鉄道ファンクラブ会報 vol.102 

参考文献

  • 山口益生『阪急電車』JTBパブリッシング、2012年。ISBN 4533086985。
  • 飯島巌『復刻版・私鉄の車両5 阪急電鉄』ネコ・パブリッシング、2002年。ISBN 9784873662886。
  • 篠原丞「阪急電鉄 現有車両プロフィール2010」『鉄道ピクトリアル』2010年8月臨時増刊号(通巻837号)、電気車研究会。233-279頁。
  • レイルロード『阪急3300 Vol.1 -車両アルバム34-』文苑堂、2019年。ISBN 9784947714541。
  • レイルロード『阪急3300 Vol.2 -車両アルバム35-』文苑堂、2019年。ISBN 9784947714558。

関連項目

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