ビフレスト

ビフレスト[1]ビフロスト[2]ビヴロスト[3]とも。古ノルド語: Bifröst)は、北欧神話において、神々が地上からアースガルズへとかけた虹の橋を指す[4]。名前は「ぐらつく道」を意味する[5]

アーサー・ラッカムが描いたビフレスト。

概要

ビフレストはラグナロクのときに、その前後を炎が包むスルトを先頭にしたムスペルの子達がで渡ることで、燃え尽きるとされている[6]。 普段は門番ヘイムダルが橋の袂で番をしている[7]

虹の色は外側が赤く見えるが、これは巨人たちの侵攻を防ぐために火が燃えているからだとされている[8]

ギリシア神話にも虹の橋が登場する。女神イリスは、神々の使いとして虹の橋を渡って天地を行き来する。しかし彼女はヘイムダルのような有力な神ではない。松村武雄は、虹の神の性別、関連する神の重要度の違いに、ギリシャ人と北欧人の虹に対する考え方の相違が表れていると指摘している[9]

ビルレスト

古エッダ』の『グリームニルの言葉』第44節では「ビルレスト」(古ノルド語: Bilröst、「欺く道」の意)という名の橋への言及がある。「橋の中で最高のものだ」と語られる[10]

この橋は『ファーヴニルの歌』第15節にも登場する。シグルズスルトアース神族の戦う島の名を質問したのに対し、ファーヴニルは島の名前と、彼らが渡った後に橋ビルレストが破壊されることを答えている[11]

どちらも名前と役割がビフレストに類似しているが、ビルレストが虹でできているとはいわれていない。

脚注

  1. 『エッダ 古代北欧歌謡集』などにみられる表記。
  2. 『北欧の神話伝説 (I)』などにみられる表記。
  3. 菅原邦城『北欧神話』にみられる表記で、これが古ノルド語の原音にもっとも近い。
  4. 『エッダ 古代北欧歌謡集』234頁。
  5. 『エッダ 古代北欧歌謡集』61頁。
  6. 『エッダ 古代北欧歌謡集』234、247頁。
  7. 『エッダ 古代北欧歌謡集』247頁。
  8. 『エッダ 古代北欧歌謡集』237頁。
  9. 『北欧の神話伝説(I)』284-285頁。
  10. 『エッダ 古代北欧歌謡集』56頁。
  11. 『エッダ 古代北欧歌謡集』139頁。

関連項目

参考文献

  • V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
  • 松村武雄編『北欧の神話伝説(I)』名著普及会〈世界神話伝説大系29〉、1980年改訂版、ISBN 978-4-89551-279-4。
  • 菅原邦城『北欧神話』東京書籍、1984年、ISBN 4-487-75047-4。
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