ヴァーリ (オーディンの息子)

ヴァーリ(ヴァリとも)(Vali、Váli)は、北欧神話に登場する司法神の一人。

ヴァーリ
司法神
弓を持って森を歩くヴァーリ
カール・エイミル・ドプラーのイラスト(1882年)
親 オーディン, リンド
兄弟 ヴィザール(異母兄弟)
17世紀のアイスランドの写本『AM 738 4to』に描かれたヴァーリ。

『エッダ』

『古エッダ』の『巫女の予言』[1]および『バルドルの夢』[2]によると、バルドルがロキにだまされたヘズ(ホズとも)に殺された後、父オーディンは巨人の女[注釈 1]の予言に従って、復讐者となる息子ヴァーリを女性リンドに産ませた。ヴァーリは一夜にして成人し、腹違いの兄であるヘズを殺した。

『ヴァフスルーズニルの言葉』[3]および『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』[4]によれば、異母兄弟のヴィーザルとともにラグナロクを生き延びるとされる。伝承では、再生したバルドルとヘズとも出会うといわれている。

なお『詩語法』ではヴァーリを表すケニングとして、「オーディンとリンドの子」、「バルドルの復讐者のアース」、「ホズの敵で殺し手」などを紹介している[5]。

『デンマーク人の事績』

サクソ・グラマティクスが著した歴史書『デンマーク人の事績』では、オーティヌス(オーディン)とリンダ(リンド)の息子・ボーウス[6](またはボウ[7])として登場し、最終的にホテルス(ヘズ)と相討ちになる[8]。

脚注

注釈

  1. ロキとの間に魔物を産んだアングルボザであろう。

出典

  1. 『エッダ 古代北欧歌謡集』12頁。
  2. 『エッダ 古代北欧歌謡集』200頁。
  3. 『エッダ 古代北欧歌謡集』49頁。
  4. 『エッダ 古代北欧歌謡集』279-280頁。
  5. 谷口幸男「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年、23頁。
  6. 『北欧神話』(菅原邦城著、東京書籍、1984年、ISBN 978-4-487-75047-4)で確認できる表記。
  7. 『デンマーク人の事績』(谷口)で確認できる表記。
  8. 『デンマーク人の事績』95-110頁。(第三の書4章)

参考文献

  • サクソ・グラマティクス『デンマーク人の事績』谷口幸男訳、東海大学出版会、1993年、ISBN 978-4-486-01224-5。
  • V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4103137016。
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