国民食
国民食(こくみんしょく)とは、世代や地域、性別などに影響されることなく大衆に親しまれている食品、または料理を指す用語。
各国の国民食
インド
インド料理を参照。南インドと北インドで大きく食文化が異なる。基本的には、米またはチャパティなど、小麦粉で作ったパンのようなものを主食とし、外国人に「カレー」と呼ばれるスパイスを用いた煮込みや、スープ料理を副食として必ず食べる。南インドではラッサムやサンバール、北インドではコルマなどがこれにあたる。
大韓民国
第一に挙げられるのはキムチである。韓国では日本と同じく、炊き上げた米を主食としているが、毎日の食事にキムチを欠かさないという人は多い。 朝鮮料理はスープ類が発達していることが特徴で、スープが主菜になることが多く、韓国人の食事に欠かせない物である。特にタットリタン、サムゲタン、ミヨックク(ワカメスープ)、キムチチゲ、テンジャンチゲは家庭でよく飲まれる。また、餅料理トッポッキや、チャジャンミョン、インスタントラーメン、チャンポンなど麺料理も国民食と言われている。
タイ王国
他の東南アジア諸国や、日本・韓国と同じく主食は米。辛い味付けが好きで、スープ料理ではトムヤムクンが広く食されている。他に豚肉や鶏肉が食されているが、南部地域ではイスラム教徒が居住しているため、豚肉・酒は食のタブーである。また東北部のイーサーン料理は、ラオス料理に近くタイ料理の主流とは異なる。
中華人民共和国
地域によって食文化が大幅に異なる(北京料理・四川料理・上海料理・広東料理などに大別される)ため、一概にこれと呼べるものを探すのは難しい。広い地域で食べられている料理としては、餃子や焼売・油条・月餅・饅頭・粥などがある。
朝鮮民主主義人民共和国
北朝鮮の料理は韓国に比べると辛くないことが多い。冷麺や犬肉料理(タンゴキと呼ばれている)、アヒル肉料理などが食べられている。また、1990年代の食糧難からジャガイモや大豆、トウモロコシなどを主食にした料理もでてきている。
日本
日本料理を参照。洋食に対して和食(わしょく)とも呼ぶ。和食は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された。 ラーメン・カレーライスは日本で定着し、独自に進化したことから、外国料理だが、国民食として挙げられる。 日本で国民食とされるおもな食べ物は次のものがある。
ベトナム
ベトナム料理を参照。米が主食で、チャオ・ガーなどの粥類、チキンライス、ライスヌードルであるフォーが広く食されている。南北で食文化が異なり、バインセオのように、南部ホーチミン市では日常的な料理だが、北部ハノイ市ではそうではないものもある。また調味料としての魚醤は、東南アジア全域におけるソウルフードといえる。フランス領インドシナとなった歴史があるため、バインミー(フランスパンのサンドイッチ)、ベトナムコーヒーのような、フランス共和国由来のフランス料理がある。
オーストラリアとニュージーランド
オーストラリア人およびニュージーランド人にのみ愛好される食品としては、ベジマイトと呼ばれる発酵食品が有名である。またワニやカンガルー、エミューなど、独自の食材も豊富に存在する。
バヌアツ
バナナやタロイモ、ヤム芋などで作ったペーストにココナッツクリームをかけ、肉類をいれて蒸し上げたラプラプが同国の国民食とされる。
エジプト
コシャリと呼ばれる混ぜご飯や、アエイシーという平べったいパンに何かを付けて食べたりする。モロヘイヤスープやレンズ豆スープが常食される。ムサカやケバブといった近隣諸国と共通する料理も国民的に親しまれている。
モロッコ
モロッコ料理を参照。ホブズと呼ばれるパンや、小麦粉を小さな固まりに丸めたクスクスを主食とする。他の西アジア・北アフリカ圏と同様、羊肉がもっともよく食べられる肉であり、ケバブやマルガズと呼ばれるソーセージなどにされる。
イギリス
フライドポテトが大量に付け合わされた料理が多く、庶民ではフィッシュ・アンド・チップスがよく挙げられる。「イギリス料理に旨いものなし」などと揶揄されることも多いが、キドニーパイやヨークシャー・プディングなど独自の料理もある。イギリス生まれのカレーであるチキンティッカマサラも人気である。
イタリア
イタリア料理は地域差が大きく、国民的な料理を挙げることは難しいが、イタリアの人々が主食とするパスタが国民食と言える。スパゲッティ・ラザニアなどが特にポピュラーなパスタである。ピザも広く知られる。
ノルウェー
フォーリコールと呼ばれるマトンとキャベツのシチュー。
フランス
高級料理が多いように思われがちだが、ポトフなどはフランス家庭料理の定番である。
ロシア
ピロシキ、ボルシチ・シチー、ビーフストロガノフなどがよく知られる。ロシアではカーシャという粥、ブリヌイというパンケーキ状のもの、ペリメニという餃子に似た料理を日常食べている。味付けにはサワークリームが多用される。
ハンガリー
ハンガリーにおいては、辛い川魚のスープであるハラースレーが国民食の一つであるとされる。
アメリカとカナダ
国家の成立に、多数の移民が関わっている国である事から、ニューイングランド料理(東部)・フランス料理(中南部)・西海岸の海の幸を使ったコースト料理・メキシコ料理やBBQのような南部料理、ソウルフードなどの種類がある。 アメリカ合衆国の国民食として第一に挙げられるのはハンバーガーである。マクドナルドがフランチャイズを成功させ、その後の世界展開により広く認知された。画一的な国民食として、ピザ、ドーナツ、ホットドッグ、ビーフステーキ、バーベキュー、ローストチキン、ローストターキー(七面鳥)、フライドチキン、フライドポテト、マッシュポテト、アップルパイなど。アメリカ料理も参照。 カナダも、国家の成立に、多数の移民が関わっている事から、地域により相違がある。代表的なものとしては、プーティンなどが挙げられる。カナダ料理を参照。
メキシコ
トルティーヤと呼ばれるトウモロコシや、小麦粉を原料とした薄焼きパンに具を盛り、サルサやフリホレスで調味してタコス、ブリトーなどとして食べる。ほかに、蒸留酒であるテキーラもよく飲まれる。メキシコ料理も参照。
ジャマイカ
アキーの果実とバカラオ(塩漬けのタラ)をあわせた「アキーアンドソルトフィッシュ」が広く知られている。
アルゼンチン
畜産国であるため、肉料理やそれに付随するワインが親しまれている。
その他
1997年公開のジョージ・ティルマン・Jr監督、脚本のアメリカ映画『ソウルフード』(原題:Soul Food)は、家族愛で結ばれた黒人の一家が共に囲む食卓を一家の絆としていく物語。アメリカ南部の伝統的な料理が登場する。