東海ゴールドカップ

東海ゴールドカップ(とうかいゴールドカップ)は、岐阜県地方競馬組合が施行する地方競馬重賞競走SPI)である。正式名称は「岐阜県知事杯 東海ゴールドカップ」。

東海ゴールドカップ
開催国 日本の旗 日本
主催者 岐阜県地方競馬組合
競馬場 笠松競馬場
第1回施行日 1971年5月2日
2024年の情報
距離 ダート2500m
格付け SPI
賞金 1着賞金700万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上、東海地区所属
負担重量 別定(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
出典 [1]

副賞は、岐阜県知事賞、(一社)日本地方競馬馬主振興協会会長賞、(一社)JBC協会賞 HITスタリオンシリーズ(ウインブライト賞)(2023年)[2]

概要

1971年に「ゴールドカップ」の名称で創設。翌1972年から年末開催、1979年から現在のレース名となった。1997年度から元日施行となったが、2004年度より再び年末開催となり、それ以来東海地区(愛知笠松)の1年を締めくくる競走として行われている。

負担重量は2019年までハンデキャップであったが、2020年に別定に変更された。

2021年に出走資格をオープンから3歳以上に変更された。また、この年からHITスタリオンシリーズに指定されている。対象種牡馬は2021年がヴァンセンヌ、2022年がノヴェリスト、2023年がウインブライト

2024年より施行距離をダート2500mに変更する[3]

条件・賞金(2023年)

出走資格[1]
サラブレッド系3歳以上オープン、東海所属(前年12月9日から本年12月15日の間に東海所属馬として出走しているB級格付け以上の馬)
  • 出走枠は笠松7頭以上、名古屋5頭以上。
  • 東海ゴールドカップトライアルの優勝馬に優先出走権がある。
負担重量
別定(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
賞金額
1着700万円、2着245万円、3着140万円、4着70万円、5着35万円[2]

周回誤認事件

1981年12月30日に行われた第10回競走では、ダイサンフジタカ号に騎乗した愛知県競馬組合所属の騎手・井手上慎一が周回を誤認する事象があった。1981年当時の施行距離は笠松競馬場最長の2500メートルで、ゴール板を3度通過・コースを2周してゴールすることとなっていた。また、スタート地点が同じで周回数の1周少ない1400メートル戦が存在していた。

1981年当時の1着賞金は1300万円と現在の4倍以上の賞金を誇る一大レースであった。笠松競馬場には2万8千人を超える観衆が詰めかけたと言われている。有力候補であった愛知ヒカリデュール(翌年JRAに移籍し朝日チャレンジカップ有馬記念を勝つ)が右前肢の跛行で発走当日に出走を取り消し、本命不在でのレースとなった。1番人気に押し出されたのが、この事件の主役となるダイサンフジタカで、東海菊花賞3着からの参戦であった。この馬もまた後に中央へ転出し当時の800万下条件(現・2勝クラス)を勝つ馬であり、岐阜日日新聞(現・岐阜新聞)本紙予想では「昨今の充実度がすごい。東海菊花賞を3着した実力が爆発しそう」と能力を評価されている。

出走馬と枠順

1981年12月30日 笠松競馬第9競走 サラブレッド系特別オープン 第10回東海ゴールドカップ 馬場:良

枠番 馬番 競走馬名 斤量 騎手 調教師 オッズ(人気)
1 1 リユウアラナス 7 54 仙道光男 大橋憲 (2番人気)
2 2 [愛]シナノセイダイ 牡4 51 [愛]坂本敏美 [愛]安達小八
3 3 ヒミノチカラ 牡5 50 川原正一 小井土金一
4 4 [愛]ダイサンフジタカ 牡6 52 [愛]井手上慎一 [愛]立松忠明 (1番人気)
5 5 リードシヤダイ 牡7 55 松原義夫 山嶋昇
6 6 ホウゾウキツト 牡4 50 町野良隆 古賀土生
7 7 マツハレンジヤー 牡7 53 安藤光彰 鷲見昌勇
8 8 [愛]ヒカリデユール 牡5 56 [愛]田中敏和 [愛]野島豊 出走取消
9 サンローレオー 牡6 52 安藤勝己 吉田秋好 6.9倍(人気不詳)
  • 馬齢は何れも旧表記(数え年・現行表記に+1歳)。
  • [愛]は愛知(名古屋)所属。
  • ハンデキャップ戦。
  • オッズ・人気は9号馬の6.9倍、4号馬の1番人気、1号馬の2番人気を除き不詳。

レース展開

1周目の第4コーナーを回って2度目のホームストレッチに差し掛かり、ゴール板を過ぎたところでダイサンフジタカの鞍上・井手上の手が止まり手綱を緩めた。井手上は1400メートル戦と勘違いしたものと思われる。

減速したダイサンフジタカは後続に次々と抜かれ、レースに戻った時には既に余力はなかった。勝ったのはヒカリデュールと同枠の人気薄サンローレオーで、2着ヒミノチカラ、3着シナノセイダイ。結局ダイサンフジタカは5着で入線した。単勝式複勝式枠番号二連勝単式の3通りしか馬券発売のなかった時代にあって、枠連「3 - 8」の払戻金4970円はかなりの高配当であった。

暴動とその後の対応

本命馬が不可解な減速で馬券外に沈み、的中馬券「3 - 8」のオッズが投票締切直前に大口購入された、との風説を流布した観客がいたことなどから本競走に対する八百長疑惑がかけられ、続く最終10レースの終了時にはファン200人以上が管理事務所を取り囲んで説明を求めた。地方競馬全国協会の公正委員は「スピードを落としたのは井手上騎手のミスによるもので、地方競馬実施規則によるレース後の審議対象『落馬、走路妨害、着順』に該当しないのでレースは成立する」と結論づけたがファンは納得せず、一部は窓ガラスを割ったりゴミを燃やしたりするなど暴徒化。投げられた石で観客1人が負傷し、従業員約100人が競馬場内に缶詰めにされた。岐阜県警察機動隊や岐阜県岐阜羽島警察署の警察官150人が鎮圧に向かうも怒りは収まらず、最終的に深夜になっても居座った約100人は場外に強制排除され、この際警察官に暴行を働いた1人は公務執行妨害の現行犯で逮捕された。

井手上は笠松競馬場での無期限騎乗停止[注 1]、名古屋競馬場での10日間の騎乗停止処分を課された。後に笠松での騎乗停止も解除されている。

参考文献

歴代優勝馬

馬齢は2000年以前についても現表記を用いる。

回数施行日距離優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師
第1回1971年5月2日1900mスズホツプオー牡52:03.3伊藤光雄
第2回1972年12月29日1900mロイヤルプリンス牡42:01.3内村寛司
第3回1973年12月28日1900mジヨニーオンワード牡5笠松2:01.5宮下記英大倉護
第4回1974年12月29日1900mニユーカイモン牡5名古屋2:02.3内村寛司大薮憲三
第5回1976年12月29日1900mフアストリユウエン牡6名古屋2:03.0中村広己青山功
第6回1977年12月28日2500mハカタオーカン牡4笠松2:46.3柴田高志倉間昭夫
第7回1978年12月27日2500mリユウアラナス牡3笠松2:43.8町野良隆大橋憲
第8回1979年12月30日2500mブレーブボーイ牡5笠松2:43.3山田義男吉田秋好
第9回1980年12月30日2500mタイシヨウボーイ牡4笠松2:42.4坂本敏美倉間昭夫
第10回1981年12月30日2500mサンローレオー牡5笠松2:46.3安藤勝己吉田秋好
第11回1982年12月30日2500mセブンランサー牡4名古屋2:42.9坂本敏美安達小八
第12回1983年12月30日2500mゴールデンモンド牡4名古屋2:46.4坂本敏美内村寛司
第13回1984年12月30日2500mステートジヤガー牡3笠松2:42.6伊藤強一大倉護
第14回1985年12月30日2500mマツノセイザン牡5笠松2:45.2安藤勝己後藤保
第15回1986年12月30日2500mマルゼンスター牡6笠松2:46.9川原正一後藤保
第16回1987年12月30日2500mフエートノーザン牡4笠松2:46.0安藤勝己吉田秋好
第17回1988年12月30日2500mフエートノーザン牡5笠松2:46.2安藤勝己吉田秋好
第18回1989年12月30日2500mハツピーダンデイ牡4笠松2:44.2坂口重政飯干秀人
第19回1990年12月30日2500mマツクスフリート牝3笠松2:45.5安藤勝己荒川友司
第20回1991年12月30日2500mイチアヤヒデ牡6笠松2:44.3松原義夫青木和夫
第21回1992年12月30日2500mトミシノポルンガ牡3笠松2:44.7安藤勝己加藤健
第22回1993年12月30日2500mトミシノポルンガ牡4笠松2:42.4安藤勝己加藤健
第23回1994年12月30日2500mヘイセイクラウド牡4笠松2:46.6川原正一柳江仁
第24回1995年12月30日2500mライフアサヒ牡4名古屋2:46.1吉田稔松橋寛
第25回1996年12月30日2500mハカタダイオー牡3笠松2:45.7安藤光彰柳江俊明
第26回1998年1月1日2500mシンプウライデン牡4笠松2:44.8安藤勝己荒川友司
第27回1999年1月1日2500mトミケンライデン牡5笠松2:46.4東川公則荒川友司
第28回2000年1月1日2500mトミケンライデン牡6笠松2:46.0東川公則荒川友司
第29回2001年1月1日2500mミツアキサイレンス牡3笠松2:42.7川原正一粟津豊彦
第30回2002年1月1日2500mバンドオンザラン牡5名古屋2:46.6安部幸夫今津勝之
第31回2003年1月1日2500mマリンレオ牡7名古屋2:44.9山田崇史戸澤肇
第32回2004年1月1日2500mミツアキタービン牡4笠松2:42.9吉田稔田口輝彦
第33回2004年12月31日2500mロイヤルセランガー牝3名古屋2:42.9安部幸夫角田輝也
第34回2005年12月31日1900mエンシェント牡5笠松2:04.9東川公則田口輝彦
第35回2006年12月31日1900mニッシングリン牝5笠松2:04.9東川公則藤田正治
第36回2007年12月31日1900mティアマット牡4笠松2:04.7東川公則田口輝彦
第37回2008年12月31日1900mオグリシルク牝5笠松2:06.3佐藤友則鈴木良文
第38回2009年12月31日1900mノゾミカイザー牡4名古屋2:03.6吉田稔錦見勇夫
第39回2010年12月31日1900mヒシウォーシイ牡5名古屋2:01.9岡部誠川西毅
第40回2011年12月31日1900mエイシンフレンチ牡6笠松2:03.4岡部誠伊藤強一
第41回2012年12月31日1900mエーシンサンダー牡5笠松2:02.4東川公則伊藤強一
第42回2013年12月31日1900mドリームマジシャン牡6笠松2:04.5尾島徹伊藤強一
第43回2014年12月31日1900mノゾミダイヤ牡3名古屋2:02.2大畑雅章錦見勇夫
第44回2015年12月31日1900mマヤノクレド牡7名古屋2:02.5今井貴大川西毅
第45回2016年12月31日1900mアサクサポイント騸8名古屋2:03.9大畑雅章今津博之
第46回2017年12月31日1900mメモリージルバ牡8名古屋2:02.8友森翔太郎塚田隆男
第47回2018年12月31日1900mダイヤモンドダンス牡8笠松2:01.4筒井勇介花本正三
第48回2019年12月31日1900mニューホープ牡3笠松2:02.3丸野勝虎田口輝彦
第49回2020年12月31日1900mウインハイラント牡6名古屋2:03.1加藤聡一坂口義幸
第50回2021年12月31日1900mウインハピネス牡6笠松2:06.4大原浩司森山英雄
第51回2022年12月31日1900mウインユニファイド牡10名古屋2:04.9丸野勝虎沖田明子
第52回2023年12月31日1900mストームドッグ騸6笠松2:03.0向山牧森山英雄

脚注・出典

注釈

  1. 中央競馬での同様のケースでは、2018年10月13日新潟競馬場第6R(ダート2,500m)で、2番人気のペイシャエリートに騎乗していた山田敬士が距離を誤認して1周目のゴール板を通過した直後に減速、最下位の12着となった事で3ヶ月間の騎乗停止処分となった事例がある[4][5]

出典

  1. 笠松競馬番組 (PDF). 笠松けいば. 2023年12月30日閲覧。
  2. 笠松競馬出走馬一覧表 令和5年度岐阜県地方競馬組合営第15回笠松競馬第4日12月31日(日) (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年12月29日閲覧。
  3. 令和6年度笠松競馬 重賞・準重賞競走について岐阜県地方競馬組合、2024年2月21日配信・閲覧
  4. 「終わった…」山田敬士騎手が『あの日』からの3ヶ月を独占告白”. keibalab.jp (2019年2月6日). 2023年10月30日閲覧。
  5. 3歳上500万下 結果・払戻|2018年10月13日 新潟6R レース情報(JRA) - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2023年10月30日閲覧。

各回競走結果の出典

関連項目

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