マイルチャンピオンシップ

マイルチャンピオンシップは、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GI)である。

マイルチャンピオンシップ
Mile Championship
第35回優勝馬ステルヴィオ
(鞍上:ウィリアム・ビュイック
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1984年11月18日
2021年の情報
距離 芝1600m(外)
格付け GI
賞金 1着賞金1億3000万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 定量(3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
出典 [1][2]

正賞は日本馬主協会連合会会長賞[1][2]

概要

第28回優勝馬
エイシンアポロン
(鞍上:池添謙一
第30回優勝馬
トーセンラー(鞍上:武豊
第32回優勝馬
モーリス(鞍上:ライアン・ムーア
第33回優勝馬
ミッキーアイル(鞍上:浜中俊
第40回優勝馬
ナミュール(鞍上:藤岡康太

1984年に新設されたGI競走[3]で、春に行われる安田記念とともにマイル(1600m)のチャンピオン決定戦として位置づけられている[4][3]

日本の競馬における競走体系は長い間長距離の競走が重視されていたが、近年はスピード能力が重視されるようになってきたことを受け、1984年にグレード制が導入された際に競走体系を見直し[4]、短距離競走の充実を図る目的で創設された[3]。出走馬は短距離の実績馬のほか、クラシック路線を歩んできた3歳馬や天皇賞(秋)の出走馬がここへ出走する例もみられ、多彩なメンバーがそろうレースとされている[3]

1995年から指定交流競走として行われ、指定された競走で所定の成績をあげた地方競馬所属馬にも出走資格が与えられるようになった[4][3]。1998年からは国際競走となって外国馬も出走可能になり、2004年から国際GIに格付けされた[4][3]

2008年からはジャパン・オータムインターナショナルの構成レースとしても施行されている[3]

国際的評価

世界の競馬開催国は国際セリ名簿基準書におけるパートIからパートIVまでランク分けされており、2021年時点で日本は平地競走が最上位のパートI、障害競走はパートIVにランク付けされている[5]

また、各国の主要な競走は国際的な統一判断基準で評価されており、競馬の競走における距離別の区分法として定着しているSMILE区分によると、マイルチャンピオンシップは「Mile(1301m - 1899m)」に分類される。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が公表した2019年の年間レースレーティング[注 1]の平均値に基づく「世界のトップ100GIレース」によると、マイルチャンピオンシップは全体の59位タイにランキングされた。「Mile(1301m - 1899m)」のカテゴリーからランクインした外国の競走との比較では、クイーンアンステークスQueen Anne Stakes)およびクイーンエリザベス2世ステークスQueen Elizabeth II Stakes)と並び、2000ギニーステークス2000 Guineas Stakes、55位タイ)、セントジェームズパレスステークスSt James's Palace Stakes、55位タイ)に次ぐ評価となっている[6][7]

競走条件

以下の内容は、2021年現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上(出走可能頭数:最大18頭)

  • JRA所属馬
  • 地方所属馬(出走資格のある馬のみ)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:定量(3歳57kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減)

  • 第1 - 17回は3歳55kg・4歳以上57kg・牝馬各2kg減[3]
  • 第18- 39回は3歳56kg・4歳以上57kg・牝馬各2kg減

出馬投票を行った馬のうち優先出走権(後述)をもつ馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

優先出走権

外国馬、およびレーティング順位の上位5頭は優先出走が認められる。

JRA所属馬は、同年に行われた下表の競走のいずれかで1着となった馬に優先出走権が与えられる。

競走名競馬場距離
富士ステークスGII日本の旗東京競馬場芝1600m
スワンステークスGII日本の旗京都競馬場芝1400m

地方競馬所属馬の出走権

地方競馬所属馬は同年に行われた下表の競走のいずれかで2着までに入着すると、優先出走権が与えられる[8]

競走名競馬場距離
スプリンターズステークスGI日本の旗中山競馬場芝1200m
富士ステークスGII日本の旗東京競馬場芝1600m
スワンステークスGII日本の旗京都競馬場芝1400m
天皇賞(秋)GI日本の旗東京競馬場芝2000m

上記のほか、以下の条件のいずれかに該当する馬にも出走資格が与えられる[8]

  • JRAで施行するGI競走(2歳GIは除く)の優勝馬
  • 指定された外国の国際G1競走(2歳G1は除く)優勝馬
  • 地方競馬のダート交流GI・JpnI競走(2歳GI・JpnIは除く)優勝馬

賞金

2021年の1着賞金は1億3000万円で、以下2着5200万円、3着3300万円、4着2000万円、5着1300万円[1][2]

褒賞金制度

ジャパン・オータムインターナショナルに含まれるようになった2008年より、指定された外国の競走における優勝馬が同年に行われる本競走で所定の成績を収めた場合、優勝賞金に加え褒賞金を交付している。

2021年現在の指定競走と金額は以下の通り[9]

歴史

年表

本競走の創設にあたっては、当初マイラーズカップを秋季に移設のうえ格上げとする予定がJRAから馬主サイドへ示されていたが、直前になって新設する方針に変わった[11]

  • 1984年 - 4歳以上の馬によるGI[注 2]競走として新設[3]
  • 1995年 - 指定交流競走に指定、地方競馬所属馬が出走可能になる[3]
  • 1998年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が5頭まで出走可能になる[3]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳以上」に変更。
  • 2004年
    • 国際GIに格付け[3]
    • 外国調教馬が9頭まで出走可能となる[3]
  • 2008年 - ジャパン・オータムインターナショナルに指定[3]
  • 2012年 - 出走馬選定方法が変わり、レーティングで上位5頭に優先出走を認める[3]
  • 2014年 - トライアル制を確立し、指定された競走の1着馬に優先出走を認める。
  • 2015年 - 「京都競馬場開設90周年記念」の副称をつけて施行[12][13]
  • 2020年 - 京都競馬場整備工事に伴い、阪神競馬場で施行(2021年・2022年も同様)[14][15]。同競走が京都以外で施行されるのは、創設以来初めてとなる[16]

歴代優勝馬

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主1着本賞金
第1回1984年11月18日京都1600mニホンピロウイナー牡41:35.3河内洋服部正利小林百太郎5000万円
第2回1985年11月17日京都1600mニホンピロウイナー牡51:35.3河内洋服部正利小林百太郎5200万円
第3回1986年11月16日京都1600mタカラスチール牝41:35.3田島良保坂本栄三郎村山義男5400万円
第4回1987年11月22日京都1600mニッポーテイオー牡41:34.9郷原洋行久保田金造山石祐一6000万円
第5回1988年11月20日京都1600mサッカーボーイ牡31:35.3河内洋小野幸治(有)社台レースホース6700万円
第6回1989年11月19日京都1600mオグリキャップ牡41:34.6南井克巳瀬戸口勉近藤俊典7500万円
第7回1990年11月18日京都1600mパッシングショット牝51:33.6楠孝志橋田満森本忠治8000万円
第8回1991年11月17日京都1600mダイタクヘリオス牡41:34.8岸滋彦梅田康雄中村雅一8700万円
第9回1992年11月22日京都1600mダイタクヘリオス牡51:33.3岸滋彦梅田康雄中村雅一9300万円
第10回1993年11月21日京都1600mシンコウラブリイ牝41:35.7岡部幸雄藤沢和雄安田修
第11回1994年11月20日京都1600mノースフライト牝41:33.0角田晃一加藤敬二(有)大北牧場
第12回1995年11月19日京都1600mトロットサンダー牡61:33.7横山典弘相川勝敏藤本照男9400万円
第13回1996年11月17日京都1600mジェニュイン牡41:33.8岡部幸雄松山康久(有)社台レースホース
第14回1997年11月16日京都1600mタイキシャトル牡31:33.3横山典弘藤沢和雄(有)大樹ファーム
第15回1998年11月22日京都1600mタイキシャトル牡41:33.3岡部幸雄藤沢和雄(有)大樹ファーム
第16回1999年11月21日京都1600mエアジハード牡41:32.8蛯名正義伊藤正徳(株)ラッキーフィールド
第17回2000年11月19日京都1600mアグネスデジタル牡31:32.6的場均白井寿昭渡辺孝男
第18回2001年11月18日京都1600mゼンノエルシド牡41:33.2O.ペリエ藤沢和雄大迫忍
第19回2002年11月17日京都1600mトウカイポイント騸61:32.8蛯名正義後藤由之内村正則
第20回2003年11月23日京都1600mデュランダル牡41:33.3池添謙一坂口正大吉田照哉
第21回2004年11月21日京都1600mデュランダル牡51:33.0池添謙一坂口正大吉田照哉
第22回2005年11月20日京都1600mハットトリック牡41:32.1O.ペリエ角居勝彦(株)キャロットファーム
第23回2006年11月19日京都1600mダイワメジャー牡51:32.7安藤勝己上原博之大城敬三1億円
第24回2007年11月18日京都1600mダイワメジャー牡61:32.7安藤勝己上原博之大城敬三
第25回2008年11月23日京都1600mブルーメンブラット牝51:32.6吉田豊石坂正(有)キャロットファーム
第26回2009年11月22日京都1600mカンパニー牡81:33.2横山典弘音無秀孝近藤英子
第27回2010年11月21日京都1600mエーシンフォワード牡51:31.8岩田康誠西園正都(株)栄進堂
第28回2011年11月20日京都1600mエイシンアポロン牡41:33.9池添謙一松永昌博平井豊光
第29回2012年11月18日京都1600mサダムパテック牡41:32.9武豊西園正都大西定
第30回2013年11月17日京都1600mトーセンラー牡51:32.4武豊藤原英昭島川隆哉
第31回2014年11月23日京都1600mダノンシャーク牡61:31.5岩田康誠大久保龍志(株)ダノックス
第32回2015年11月22日京都1600mモーリス牡41:32.8R.ムーア堀宣行吉田和美1億300万円
第33回2016年11月20日京都1600mミッキーアイル牡51:33.1浜中俊音無秀孝野田みづき
第34回2017年11月19日京都1600mペルシアンナイト牡31:33.8M.デムーロ池江泰寿(株)G1レーシング
第35回2018年11月18日京都1600mステルヴィオ牡31:33.3W.ビュイック木村哲也(有)サンデーレーシング1億1000万円
第36回2019年11月17日京都1600mインディチャンプ牡41:33.0池添謙一音無秀孝(有)シルクレーシング
第37回2020年11月22日阪神1600mグランアレグリア牝41:32.0C.ルメール藤沢和雄(有)サンデーレーシング1億3000万円
第38回2021年11月21日阪神1600mグランアレグリア牝51:32.6C.ルメール藤沢和雄(有)サンデーレーシング
第39回2022年11月20日阪神1600mセリフォス牡31:32.5D.レーン中内田充正(株)G1レーシング1億8000万円
第40回2023年11月19日京都1600mナミュール牝41:32.5藤岡康太高野友和(有)キャロットファーム

マイルチャンピオンシップの記録

  • レースレコード - 1:31.5(第31回優勝馬ダノンシャーク)[3]
    • 優勝タイム最遅記録 - 1:35.7(第10回優勝馬シンコウラブリイ)
  • 最年長優勝馬 - 8歳(第26回優勝馬カンパニー)
  • 最多優勝馬 - 2勝
    • ニホンピロウイナー(第1回・第2回)、ダイタクヘリオス(第8回・第9回)、タイキシャトル(第14回・第15回)、デュランダル(第20回・第21回)、ダイワメジャー(第23回・第24回)、グランアレグリア(第37回・第38回)
  • 最多優勝騎手 - 4勝
    • 池添謙一(第20回・第21回・第28回・第36回)[17]
  • 最多優勝調教師 - 6勝
    • 藤沢和雄(第10回・第14回・第15回・第18回・第37回・第38回)[18]
  • 最多優勝馬主 - 3勝
    • (有)サンデーレーシング(第35回・第37回・第38回)、(有)キャロットファーム(第22回・第25回・第40回)
  • 最多勝利種牡馬 - 6勝
    • サンデーサイレンス(第13回・第20回・第21回・第22回・第23回・第24回)
  • 親子制覇
    • ダイワメジャー - セリフォス

外国調教馬の成績

脚注・出典

注釈

  1. 年間レースレーティングは、個々のレースにおける上位4頭のレーティングを年度末のランキング会議で決定した数値に置き換え算出した平均値。なお、牝馬限定競走以外のレースで、対象馬が牝馬の場合はアローワンスが加算される(日本の場合+4ポンド)。
  2. 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. 重賞競走一覧(レース別・関西) (PDF). 日本中央競馬会. p. 34. 2020年11月18日閲覧。
  2. 令和3年第5回阪神競馬番組 (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月30日閲覧。
  3. 今週の注目レース(第32回マイルチャンピオンシップ:プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月21日閲覧。
  4. マイルCS特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年11月12日閲覧。
  5. INTERNATIONAL GRADING AND RACE PLANNING ADVISORY COMMITTEE "INTERNATIONAL CATALOGUING STANDARDS and INTERNATIONAL STATISTICS 2016" (PDF). The Jockey Club Information Systems, Inc.. 2021年10月30日閲覧。
  6. 世界のトップ100GIレースがIFHAから発表!”. 日本中央競馬会 (2020年1月23日). 2020年11月18日閲覧。
  7. The LONGINES World's Top 100 Group/Grade 1 Races for 3yos and upwards - 2019 (PDF). 国際競馬統括機関連盟(IFHA). 2020年11月18日閲覧。
  8. [地] が出走できるGI競走とそのステップ競走について【令和3年度】 (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月30日閲覧。
  9. 国際交流優勝馬に対する褒賞金 (PDF). 日本中央競馬会 (2020年2月1日). 2020年11月18日閲覧。
  10. “ドバイデューティフリーがドバイ・ターフに名称変更”. スポーツ報知. (2015年1月16日). オリジナルの2015年1月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150118194038/http://www.hochi.co.jp/horserace/20150116-OHT1T50043.html 2015年11月12日閲覧。
  11. 優駿」1983年12月号における大橋巨泉和田共弘の対談にて。
  12. 平成27年第5回京都競馬番組 (PDF). 日本中央競馬会. 2016年11月21日閲覧。
  13. 京都競馬場開設90周年記念事業について - 日本中央競馬会、2015年11月23日閲覧
  14. 令和2年度開催日割および重賞競走について (PDF). 日本中央競馬会 (2019年10月21日). 2020年11月18日閲覧。
  15. 令和4年度開催日割および重賞競走について (PDF). 日本中央競馬会 (2021年10月18日). 2021年10月30日閲覧。
  16. 令和3年度開催日割および重賞競走について (PDF). 日本中央競馬会 (2020年10月19日). 2020年11月18日閲覧。
  17. 連覇は他に河内洋(第1回・第2回)、岸滋彦(第8回・第9回)、安藤勝己(第23回・第24回)、武豊(第29回・第30回)、C.ルメール(第37回・第38回)が記録
  18. 連覇は他に服部正利(第1回・第2回)、梅田康雄(第8回・第9回)、坂口正大(第20回・第21回)、上原博之(第23回・第24回)が記録

各回競走結果の出典

外部リンク

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