エンプレス杯

エンプレス杯(エンプレスはい)は神奈川県川崎競馬組合川崎競馬場で施行する地方競馬重賞ダートグレード競走競走である。格付けはJpnII農林水産大臣が賞を提供しているため、正式名称は農林水産大臣賞典エンプレス杯と表記される。名前の由来は英語で女帝皇后の意味である「empress」から。2004年までは日刊スポーツ新聞社が優勝杯を提供していた。

エンプレス杯
(副称:キヨフジ記念)
Empress Hai[1]
2023年エンプレス杯
開催国 日本の旗日本
主催者 神奈川県川崎競馬組合南関東公営
競馬場 川崎競馬場
第1回施行日 1955年2月6日
2024年の情報
距離 ダート2100m
格付け JpnII / 国際LR
賞金 1着賞金4000万円
出走条件 サラブレッド系4歳以上牝馬オープン(指定交流)
出走条件も参照
負担重量 定量(本文に記載
出典 [2]

1990年までキヨフジ記念の名称で施行されていたことから同名称が副称となって付けられている。キヨフジ記念の由来はかつて川崎競馬場に所属し、国営競馬(中央競馬の前身)に移籍して第12回優駿牝馬を制し、のちに川崎に戻り開設記念(現在の川崎記念)を制した名牝キヨフジから。

副賞は農林水産大臣賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、よみうりランド賞、管理者賞[3](2023年)。

概要

1955年に5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の牝馬限定の別定の南関東地区限定の重賞競走、キヨフジ記念として創設、第1回は川崎競馬場のダート1800mで施行された。しかし翌年にはダート1700mに変更、さらに1958年にはダート2000mに変更されたが1959年のみダート2200mで施行されている。

1960年からは開催月を3月から9月(1961年は6月)に移した事により出走条件を4歳(現3歳)から10歳(現9歳)牝馬に変更、しかし1962年には再び5歳(現4歳)から10歳(現9歳)牝馬に戻したが1964年の3月・9月の年2回開催の9月における競走で再び4歳(現3歳)から10歳(現9歳)牝馬に変更され1991年までこの条件で施行された。

1992年には現在のエンプレス杯に改名、従来の名称「キヨフジ記念」は副称となった。1995年より南関東グレード制施行によりG1に格付けされると同時に、中央・地方全国指定交流競走に指定されて日本中央競馬会(JRA)および他地区所属馬も出走可能になった。しかし南関東グレードは翌1996年からG2となった。1997年からはダート競走格付け委員会よりGII(統一GII)に格付けされた。1998年からは従来の出走枠12頭から14頭に変更したことによりダート2100mに変更した。

2024年より古馬ダート牝馬路線の上半期の最大目標として整備される一環で、施行時期を5月上旬に移行し、さらに負担重量も定量戦に変更される。この関係で川崎記念(JpnI)とともに2023年度は施行せず、その代わりに1年限りの代替重賞として「神奈川記念」を2023年12月に施行する[4]

中央競馬との交流競走となってからは夏季に開催されていたが、第49回の2003年より2月に開催時期が移った。地方競馬は4月から翌年3月が年度単位であるため、その関係で2002年には当競走は施行されていない。

出走条件(2024年)

出走条件
サラブレッド系4歳以上牝馬、地方・中央選定馬。地方所属馬に限り優先出走権保持馬が優先出走できる。その指定競走は以下のとおり[2]
優先出走権トライアル競走
競走名競走格施行競馬場施行コース取得条件
クイーン賞JpnIII船橋競馬場ダート1800m1着
スプリングヒロインカップ南関東準重賞川崎競馬場ダート2000m1着・2着
兵庫女王盃JpnIII園田競馬場ダート1870m1着・2着
負担重量
定量。55kg(南半球産4歳馬1kg減)[2]
賞金額
1着4,000万円、2着1,400万円、3着800万円、4着400万円、5着200万円、着外手当20万円[2]

過去の賞金額

中央競馬地方競馬全国指定交流競走に指定された1995年以降

回数総額賞金
(万円)
1着賞金
(万円)
2着賞金
(万円)
3着賞金
(万円)
4着賞金
(万円)
5着賞金
(万円)
第42回(1995年)6,8004,0001,400800400200
第43回(1996年)
第44回(1997年)
第45回(1998年)
第46回(1999年)
第47回(2000年)
第48回(2001年)
第49回(2003年)
第50回(2004年)
第51回(2005年)
第52回(2006年)
第53回(2007年)
第54回(2008年)
第55回(2009年)
第56回(2010年)5,9503,5001,225700350175
第57回(2011年)
第59回(2013年)
第60回(2014年)
第61回(2015年)
第62回(2016年)
第63回(2017年)
第64回(2018年)
第65回(2019年)
第66回(2020年)
第67回(2021年)
第68回(2022年)
第69回(2023年)6,8004,0001,400800400200

※ここで示される総額賞金には、着外賞金(着外手当)は含まれていない。第58回(2012年)は中止。

歴史

  • 1955年 - 川崎競馬場のダート1800mの5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の牝馬限定・南関東地区限定の別定重賞競走、キヨフジ記念として創設。
  • 1956年
    • 施行距離をダート1700mに変更。
    • 大井のミスアサヒロが史上初の連覇。
    • 大井の安藤徳男が調教師騎手として史上初の連覇。
  • 1958年 - 施行距離をダート2000mに変更。
  • 1959年 - 施行距離をダート2200mに変更。
  • 1960年
    • 出走条件を4歳(現3歳)から10歳(現9歳)牝馬に変更。
    • 施行距離をダート2000mに戻す。
    • 前年の9月1日から日本競馬の時計表示が変更になったのに伴い、時計が1/5秒表示から1/10秒表示に変更。
  • 1962年 - 出走条件を5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の牝馬に戻す。
  • 1963年 - 川崎の佐々木竹見が騎手として2人目の連覇。
  • 1964年 - 出走条件を4歳(現3歳)から10歳(現9歳)牝馬に再変更。
  • 1968年 - 川崎の井上宥蔵が調教師として史上初の3連覇。
  • 1971年 - 大井の高橋三郎が騎手として3人目の連覇。
  • 1991年 - 名称をエンプレス杯に変更。
  • 1992年 - 浦和のヒカリカツオーヒが2頭目の連覇。
  • 1995年
    • 中央・地方全国指定交流競走に指定。
    • 南関東グレード制施行によりG1に格付け。
  • 1996年
    • 負担重量をグレード別定に変更。
    • G2(南関東グレード)に降格。
    • JRAのホクトベガが3頭目の連覇。
    • JRAの横山典弘が騎手として4人目の連覇。
  • 1997年 - ダート競走格付け委員会にGII(統一GII)に格付け。
  • 1998年
    • 施行距離をダート2100mに変更。
    • JRAのシルクフェニックスが4頭目の連覇。
    • JRAの福永祐一が騎手として5人目の連覇。
  • 2000年
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳から10歳の牝馬」から「3歳から9歳の牝馬」に変更。
  • 2004年 - 出走条件を4歳以上牝馬に変更。
  • 2005年 - 日刊スポーツ賞から農林水産大臣賞になったことに伴い、正式名称も日刊スポーツ賞エンプレス杯から農林水産大臣賞典エンプレス杯に変更。
  • 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会 (ICSC)の勧告にともない、重賞格付け表記をJpnIIに変更。なお、南関東グレードは併記しないことになった。
  • 2011年 - JRAの武豊が騎手として7人目の連覇。
  • 2012年 - 当日の降雪により当競走を含む全競走が中止となる。代替開催の施行は執り行わず。
  • 2020年 - COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催(2021年も同様)。
  • 2023年 - 1着賞金を4000万円に増額[5]
  • 2024年
    • 負担重量を定量に、施行時期を5月上旬に変更。これにより、2023年度は本競走は休止となる。
    • GRANDAME-JAPANシリーズの対象競走に指定される。
    • この年から再びナイターで実施。

歴代優勝馬

回数施行日優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1955年02月06日ミスアサヒロ牝5大井1:57 3/5安藤徳男手塚栄三郎
第2回1956年03月04日ミスアサヒロ牝6大井1:51 0/5安藤徳男手塚栄一
第3回1957年03月31日イチヨシノ牝5大井1:51 3/5長沢保作小暮嘉久吉野寅之助
第4回1958年03月18日ヴアイオラ牝4船橋2:10 0/5荒山徳一佐竹海治白井新平
第5回1959年03月26日コンリユウ牝6船橋2:24 0/5須田栄木村万吉津村亀吉
第6回1960年06月21日サンセイカツプ牝3大井2:10.2武智一夫三坂博三坂成行
第7回1961年09月11日ステツプホース牝4大井2:09.0松浦備小暮嘉久角田二郎
第8回1962年03月13日ムーン牝5川崎2:11.8佐々木竹見岩本亀五郎海老沢きのゑ
第9回1963年03月17日ヒカルミノル牝4川崎2:10.5佐々木竹見青野四郎坂本清五郎
第10回1964年03月25日サバンナ牝5大井2:10.6松浦備小暮善清秋山みつ江
第11回1964年09月30日モリホープ牝4大井2:10.1安藤徳男勝又泉森茂雄
第12回1965年09月22日キヨクトー牝3大井2:09.4須田茂長尾清長尾孝子
第13回1966年10月16日フミヒロ牝4川崎2:08.5竹島春三井上宥蔵井上徹郎
第14回1967年09月27日ヒガシジヨオー牝4川崎2:07.8佐々木竹見井上宥蔵坂本清五郎
第15回1968年10月10日ハヤシゲル牝3川崎2:07.4長谷川茂井上宥蔵田中博子
第16回1969年09月25日ローレライ牝5船橋2:07.1木村和男木村万吉木村てる
第17回1970年09月09日エビフジ牝4大井2:07.7高橋三郎武森辰己海老沼裕子
第18回1971年09月28日ヒダカスズラン牝5大井2:07.4高橋三郎秋谷元次近藤俊典
第19回1972年09月06日ゴールデンスネツプ牝3川崎2:07.3長谷川茂井上宥蔵吉田善哉
第20回1973年09月17日イケノカエデ牝6川崎2:06.5高橋三郎長谷川蓮太郎池上貞治
第21回1974年09月16日ミサトクイン牝3船橋2:07.6赤間清松松森茂戸部洋
第22回1975年09月22日シヤンタン牝4川崎2:05.8森下博佐々木國廣安楽尚久
第23回1976年10月12日フジノカオリ牝5船橋2:08.2桑島孝春佐々木昭古川嘉平
第24回1977年10月11日ガバナスイセイ牝3船橋2:08.3高橋三郎木村和男(有)ナカヤ
第25回1978年10月11日カネハツユキ牝5川崎2:08.6山崎尋美鈴木定敏金指利明
第26回1979年09月13日シヤドウ牝3川崎2:08.2橘真樹高橋正豪山内正孝
第27回1980年09月15日ダークハリー牝4船橋2:07.2渡辺市郎渋谷信隆坂井紀之
第28回1981年09月02日スターライヒ牝4船橋2:07.5秋田実宮下雅身高橋光子
第29回1982年09月02日デユールスワロー牝4浦和2:08.3高橋三郎黒田桂二門別忍
第30回1983年08月31日ミスハイヤー牝4船橋2:08.3柿本政男竹田光雄(有)ワカマツホース
第31回1984年09月06日ゴールドダンサー牝4船橋2:09.6佐々木竹見佐々木總雄菅井真吉
第32回1985年09月03日ガールライヒ牝5船橋2:08.6高橋三郎竹田光雄高橋光子
第33回1986年10月10日タケノビクトリー牝4川崎2:09.1山崎尋美山崎三郎竹島祥起
第34回1987年10月28日ムサシタイコー牝5船橋2:09.1秋田実及川六郎田中三郎
第35回1988年10月26日ダイタクジーニアス牝4川崎2:10.1佐々木竹見鳥飼春弥中村雅一
第36回1989年10月25日セリメーヌ牝4川崎2:11.4森下博秋山重美伊達秀和
第37回1990年10月10日スピリツトエビス牝5大井2:11.6的場文男長沼正義醍醐ホース(株)
第38回1991年10月02日ヒカリカツオーヒ牝4浦和2:08.0石崎隆之野口孝(株)ひかり
第39回1992年10月07日ヒカリカツオーヒ牝5浦和2:08.9佐々木竹見野口孝(株)ひかり
第40回1993年10月13日パワーシャレード牝3船橋2:11.0石崎隆之出川己代造潤間力夫
第41回1994年09月23日ケーエフネプチュン牝3船橋2:10.2矢内博佐々木總雄藤谷一雄
第42回1995年06月13日ホクトベガ牝5JRA2:06.5横山典弘中野隆良金森森商事(株)
第43回1996年07月15日ホクトベガ牝6JRA2:06.7横山典弘中野隆良金森森商事(株)
第44回1997年07月22日シルクフェニックス牝4JRA2:08.8福永祐一白井寿昭(有)シルク
第45回1998年07月21日シルクフェニックス牝5JRA2:16.3福永祐一白井寿昭(有)シルク
第46回1999年07月19日ファストフレンド牝5JRA2:14.2蛯名正義高市圭二竹崎大晃
第47回2000年07月05日ファストフレンド牝6JRA2:15.1蛯名正義高市圭二竹崎大晃
第48回2001年07月05日オンワードセイント牝5JRA2:15.1勝浦正樹阿部新生(株)オンワード牧場
第49回2003年02月26日ジーナフォンテン牝5船橋2:16.3内田博幸山浦武吉橋計
第50回2004年02月26日レマーズガール牝4JRA2:16.7武豊湯浅三郎平井豊光
第51回2005年02月09日プルザトリガー牝6船橋2:15.2内田博幸山浦武高橋照比古
第52回2006年02月22日ローレルアンジュ牝7船橋2:15.0的場文男新井清重村上勝治
第53回2007年02月28日トーセンジョウオー牝6船橋2:16.4内田博幸川島正行島川隆哉
第54回2008年02月27日サヨウナラ牝7JRA2:14.7岩田康誠谷潔小田切有一
第55回2009年02月25日ニシノナースコール牝7JRA2:15.3吉田豊尾形充弘西山茂行
第56回2010年02月24日ブラボーデイジー牝5JRA2:14.5武豊音無秀孝松岡隆雄
第57回2011年03月02日ラヴェリータ牝5JRA2:15.3武豊松元茂樹前田幸治
第58回2012年02月29日降雪のため中止
第59回2013年02月27日ミラクルレジェンド牝6JRA2:15.9岩田康誠藤原英昭吉田照哉
第60回2014年03月05日ワイルドフラッパー牝5JRA2:12.1C.デムーロ松田国英吉田照哉
第61回2015年03月04日アムールブリエ牝4JRA2:17.1浜中俊松永幹夫前田幸治
第62回2016年03月02日アムールブリエ牝5JRA2:18.1武豊松永幹夫前田幸治
第63回2017年03月01日ワンミリオンス牝4JRA2:17.0戸崎圭太小崎憲(有)サンデーレーシング
第64回2018年02月28日アンジュデジール牝4JRA2:16.3横山典弘昆貢安原浩司
第65回2019年02月27日プリンシアコメータ牝6JRA2:15.3岩田康誠矢野英一芳川貴行
第66回2020年03月05日アンデスクイーン牝6JRA2:16.9C.ルメール西園正都(株)グリーンファーム
第67回2021年03月04日マルシュロレーヌ牝5JRA2:14.1川田将雅矢作芳人(有)キャロットファーム
第68回2022年03月02日ショウナンナデシコ牝5JRA2:15.7吉田隼人須貝尚介国本哲秀
第69回2023年03月01日グランブリッジ牝4JRA2:18.7川田将雅新谷功一サイプレスホールディングス合同会社
第70回2024年05月08日オーサムリザルト牝4JRA2:14.5武豊池江泰寿(株)インゼルレーシング

脚注

注釈

    出典

    1. 2014 International Cataloguing Standards Book Japan2014年11月15日閲覧。
    2. 令和6年度第2回川崎競馬競走番組 (PDF). 川崎競馬. 2024年5月6日閲覧。
    3. 川崎競馬出走馬一覧表令和4年度第13回川崎競馬第3日3月1日(水) (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年2月27日閲覧。
    4. レース紹介「神奈川記念」
    5. 令和4年度神奈川県川崎競馬組合一般会計予算について (PDF). 川崎競馬公式サイト (2021年2月16日). 2022年2月21日閲覧。

    各回結果の出典

    関連項目

    外部リンク

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