ブリーダーズゴールドカップ

ブリーダーズゴールドカップは、ホッカイドウ競馬で施行される地方競馬の重賞競走(ダートグレード競走、JpnIII)である。正式名称は「JBC協会賞 農林水産大臣賞典 スポーツニッポン杯 ブリーダーズゴールドカップ」であり、これら各団体より賞の寄贈を受けている。

ブリーダーズゴールドカップ
第21回ブリーダーズゴールドカップ
開催国 日本の旗 日本
主催者 北海道
競馬場 門別競馬場
創設 1989年10月10日
2023年の情報
距離 ダート2000m
格付け JpnIII / 国際LR
賞金 1着賞金3100万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上牝馬(指定交流)
負担重量 別定(#競走条件・賞金を参照)
出典 [1]

副賞は、農林水産大臣賞、株式会社スポーツニッポン新聞社賞、一般社団法人JBC協会会長賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、(一社)日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、サッポロビール株式会社賞、北海道知事賞(2023年)[2]

概要

1989年に、サラブレッド系4歳(現3歳)以上の馬による中央競馬と地方競馬の全国交流競走として創設。1994年までは札幌競馬場のダート2400mで秋季に施行されていたが、1995年より旭川競馬場のダート2300mに変更。施行時期も夏季となり、旭川開催における最大のレースとして定着していた。2008年でホッカイドウ競馬の旭川開催が終了したため、2009年より門別競馬場のダート2000mに変更された。創設時より内国産馬限定で施行されてきたが、2006年から外国産馬も出走可能になった[3]。

第1回の1着賞金は3000万円で、最も高かった第8回(1998年)から第13回(2001年)までは5000万円が設定[4]されるなど、ホッカイドウ競馬における最高賞金レースとしての地位を保ち続けている。1997年よりダート競走格付け委員会によってダートグレード競走に指定、ホッカイドウ競馬の競走では最高のGIIに格付けされた(その後格付表記はJpnIIに変更)。創設当時、地方競馬で施行される中央と地方のダート交流重賞は本競走と帝王賞(大井競馬場)しかなく[注 1]、中央・地方交流重賞としては長い歴史を持つが、GI(JpnI)に格上げされることはなかった[6]。

2014年より3歳以上の牝馬限定戦に変更され[7]、あわせて格付けもJpnIIIに格下げとなった。また、GRANDAME-JAPAN古馬シーズンの対象競走にも指定された。

牝馬限定競走への変更

前述の通り2014年から牝馬限定競走となったことから、競走の位置づけが大きく変わり、JBCレディスクラシックを見据えたレースとなることも見込まれている[8]。

牝馬限定競走への変更に合わせ、新たな施策も導入された。2014年は新設された2歳牝馬の重賞競走「フルールカップ」が同日に施行されたほか、2013年まで行われていた「夏のケイバまつり」に代わり「シュエット・ジュマン・フェスティバル(素敵な牝馬の祭り)」と銘打ち、女性にスポットを当てたイベントも実施する。また同年より、本競走のシンボルフラワーとして「ダリア」が制定された[9]。

ホッカイドウ競馬は馬主に生産者が多く、在籍馬の4割、2歳馬に限れば6割が牝馬であるなど、在籍頭数に占める牝馬の割合が高い(競走馬市場では牡馬が優先して売れていく傾向があり、牝馬が生産地に残りやすいという事情もある[10])という実情を踏まえ、またファンの裾野拡大とホッカイドウ競馬の特色作りを意図し、牝馬レースの充実を図るとしている[11]。

競走条件・賞金

以下の内容は、2023年のもの。

出走資格
サラブレッド系3歳以上牝馬、出走枠は中央競馬所属馬5頭、地方他地区所属馬4頭、北海道所属馬7頭と定められている[1]。
負担重量
別定。3歳52kg、4歳以上55kgを基本に、本年8月11日までのGI・JpnI競走優勝馬は3kg増、GII・JpnII競走優勝馬は2kg増、GIII・JpnIII競走優勝馬は1kg増(2歳時の成績は対象外)[12]
賞金
1着3100万円、2着868万円、3着651万円、4着434万円、5着217万円[13]。

過去の副賞

過去にはスタリオンシリーズ競走として施行されたことがあり、副賞として以下の種牡馬の種付権が贈られていた(出典で確認できるもののみ記載)。

歴史

ある日、日高の生産者(ブリーダー)の集まりの中で「競馬の発展があっての我々である。アメリカのブリーダーズカップのようなレースを作れば、競馬に貢献できるのではないか」という話が持ち上がった[15]。その後1987年(昭和62年)ごろ、実現の可能性について地方競馬全国協会へ内々に打診し、「法人、構成員、ある程度の永続性などの条件が満たされれば可能」と回答された。

最初は内輪話程度の小さな火種だったが、徐々に具体性を増し現実味を帯びた話となってくる。構成員所有種牡馬の産駒に限って、出走権や副賞金を与えようといった意見もあがった[15]。また、内部調整などに尽力した関係者の努力なども勘案し、全国から優駿を集めるのがよい、として関係者の同意を得るまでにこぎつけた[15]。こうして1989年(平成元年)に、ジャパンブリーダーズカップ協会の後援による「第1回ブリーダーズゴールドカップ」が札幌競馬場で創設された[15]。

このように、当初はアメリカのブリーダーズカップに範をとって生産者主導で計画され、賞金も生産者が拠出する[16]など、主催者の北海道競馬事務所(当時)よりもジャパンブリーダーズカップ協会のほうが意欲的であった[6]。

第1回の優勝馬フェートノーザン(笠松)に騎乗した安藤勝己は当時笠松競馬場所属で、まだ開催の正式決定もされていなかった時期から札幌競馬場へ入厩していたフェートノーザンの調教をつけるために、笠松競馬場での騎乗をすべてキャンセルし開催日まで札幌に滞在するなど、開催に向けての協力は大きかった[6]。安藤はその後第16回ではJRA所属騎手として自身2度目の優勝、またフェートノーザンも各地の地方競馬を股にかけて活躍するなど、人馬とも中央・地方の垣根を越えて活躍した[16]。

第1回こそフェートノーザンが制したが、その後は日本中央競馬会(JRA)所属馬の出走が見送られた第19回(2007年)を除き、JRA所属馬が勝利している(2021年現在)。第19回にJRA所属馬の出走が見送られたのは、JRA施設内で所属馬の一部に馬インフルエンザの感染が確認され、JRAに所属する全馬の移動が制限されたためであった(後述)。

レース当日は種牡馬の展示が行われ、第1回はミホシンザン・サクラユタカオー・ダイナガリバー・メリーナイスが来場している。

2021年には優勝したマルシュロレーヌが、当レース開催の参考とした本家アメリカのブリーダーズカップディスタフで優勝を果たした。

年表

  • 1989年 - サラブレッド系4歳(現3歳)以上の馬による中央・地方全国交流競走として創設、札幌競馬場・ダート2400mで施行。
  • 1995年 - 施行場と距離を旭川競馬場・ダート2300mに変更。施行時期が10月から8月になる。
  • 1996年 - 川崎競馬場で場外発売実施。
  • 1997年 - ダート競走格付け委員会によってダートグレード競走に指定、GII(統一GII)として格付け。
  • 1998年 - 負担重量を定量からグレード別定に変更。
  • 2000年 - スタリオンシリーズ競走に指定。
  • 2006年 - 外国産馬の出走が可能になる[3]。
  • 2007年
    • 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIに変更。
    • JRA所属馬の一部に馬インフルエンザの感染が確認されたため、出走予定のJRA所属馬が防疫上の理由から競走除外となる(このとき、JRA所属馬は4頭が出走を予定していた[17]ほか、この日は別のJRA交流競走でも同様の理由から6頭のJRA所属馬が競走除外となった[18])。
  • 2009年 - 施行場と距離を門別競馬場・ダート2000mに変更。
  • 2011年 - スタリオンシリーズ競走から外れる。
  • 2012年 - ホッカイドウ競馬所属馬が出走取消のため不在となったうえ、レースも6頭立てと歴代最少頭数になった。
  • 2014年
    • 格付けをJpnIIIに変更。
    • 出走条件を3歳以上牝馬に変更。
    • GRANDAME-JAPAN古馬シリーズに指定。
  • 2020年 - COVID-19の流行により「無観客競馬」として開催。

歴代優勝馬

優勝馬の馬齢は2000年まで旧表記、2001年以降は現表記。

すべてダートコースで施行。

条件は第1回から第12回まで「4歳以上」、第13回から第25回まで「3歳以上」、第26回は「3歳以上牝馬」。

Rはコースレコードを示す。

回数施行日競馬場距離頭数優勝馬性齢所属タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1989年10月10日札幌2400m12頭フェートノーザン牡7笠松2:31.9安藤勝己吉田秋好高橋義和
第2回1990年9月24日札幌2400m10頭プレジデントシチー牡8JRAR2:31.0村本善之中尾謙太郎(株)友駿ホースクラブ
第3回1991年10月10日札幌2400m12頭カミノクレッセ牡5JRA2:32.0南井克巳工藤嘉見野上政次
第4回1992年8月27日札幌2400m10頭マンジュデンカブト牡7JRA2:32.1山田和広坪正直カネキ競走馬(株)
第5回1993年10月11日札幌2400m11頭ヒデノリード牡5JRA2:32.8斉藤博美斉藤義美大石秀夫
第6回1994年10月10日札幌2400m12頭カリブソング牡9JRA2:33.4安田富男加藤修甫(株)荻伏牧場レーシング・クラブ
第7回1995年8月16日旭川2300m9頭ライブリマウント牡5JRAR2:28.0石橋守柴田不二男加藤哲郎
第8回1996年8月15日旭川2300m10頭メイショウアムール牡6JRA2:30.2河内洋高橋直松本好雄
第9回1997年8月20日旭川2300m12頭デュークグランプリ牡7JRA2:28.8田中勝春小西一男石原春夫
第10回1998年8月20日旭川2300m12頭メイショウアムール牡8JRA2:31.0河内洋高橋直松本好雄
第11回1999年8月16日旭川2300m14頭スノーエンデバー牡6JRA2:29.2武豊森秀行藤本龍也
第12回2000年8月15日旭川2300m13頭ウイングアロー牡6JRA2:32.5岡部幸雄南井克巳池田實
第13回2001年8月16日旭川2300m10頭ウイングアロー牡6JRA2:29.5岡部幸雄南井克巳池田實
第14回2002年8月15日旭川2300m14頭アルアラン牡6JRA2:30.2本田優昆貢(有)エーティー
第15回2003年8月14日旭川2300m11頭イングランディーレ牡4JRA2:30.7五十嵐冬樹清水美波吉田千津
第16回2004年8月12日旭川2300m9頭タイムパラドックス牡6JRA2:31.4安藤勝己松田博資(有)社台レースホース
第17回2005年8月17日旭川2300m14頭サカラート牡5JRA2:32.2秋山真一郎石坂正(有)サンデーレーシング
第18回2006年8月17日旭川2300m12頭ハードクリスタル牡6JRA2:31.0横山典弘作田誠二芹澤精一
第19回2007年8月16日旭川2300m8頭ギルガメッシュ牡4北海道2:36.2齋藤正弘角川秀樹原口輝昭
第20回2008年8月14日旭川2300m13頭メイショウトウコン牡6JRA2:31.3藤田伸二安田伊佐夫松本好雄
第21回2009年8月13日門別2000m15頭スマートファルコン牡4JRAR2:02.2岩田康誠小崎憲大川徹
第22回2010年8月12日門別2000m13頭シルクメビウス牡4JRA2:03.0田中博康領家政蔵(有)シルク
第23回2011年8月11日門別2000m12頭シビルウォー牡6JRA2:05.0吉田豊戸田博文(有)社台レースホース
第24回2012年8月16日門別2000m6頭シビルウォー牡7JRA2:02.7内田博幸戸田博文(有)社台レースホース
第25回2013年8月15日門別2000m8頭ハタノヴァンクール牡4JRA2:04.9四位洋文昆貢(有)グッドラック・ファーム
第26回2014年8月14日門別2000m14頭サンビスタ牝5JRA2:07.4岩田康誠角居勝彦(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第27回2015年8月13日門別2000m14頭アムールブリエ牝4JRA2:08.1浜中俊松永幹夫前田幸治
第28回2016年8月11日門別2000m10頭アムールブリエ牝5JRA2:08.7浜中俊松永幹夫前田幸治
第29回2017年8月17日門別2000m11頭マイティティー牝5JRA2:08.4池添謙一本田優五影慶則
第30回2018年8月16日門別2000m15頭ラビットラン牝4JRA2:05.6M.デムーロ中竹和也吉田和子
第31回2019年8月15日門別2000m11頭アンデスクイーン牝5JRA2:06.2戸崎圭太西園正都(株)グリーンファーム
第32回2020年8月13日門別2000m15頭プリンシアコメータ牝7JRA2:07.7岩田康誠矢野英一芳川貴行
第33回2021年8月12日門別2000m8頭マルシュロレーヌ牝5JRA2:06.6川田将雅矢作芳人(有)キャロットファーム
第34回2022年8月11日門別2000m12頭グランブリッジ牝3JRA2:05.3福永祐一新谷功一サイプレスホールディングス(同)
第35回2023年8月17日門別2000m8頭テリオスベル牝6JRA2:08.5江田照男田島俊明鈴木美江子

脚注

  1. 当時の中央競馬では、芝のオールカマー(中山競馬場)が地方競馬との交流競走として行われていたほか、当時地方競馬の開催が行われていた中京競馬場でも、第1回ブリーダーズゴールドカップと同日に芝の中央・地方交流競走として「名古屋市制100周年記念」が行われた(翌年からは地方交流競走「ターフチャンピオンシップ」に改められた)[5]。

出典

  1. “GRANDAME-JAPAN2023JBC協会賞 農林水産大臣賞典 スポーツニッポン杯第35回ブリーダーズゴールドカップ競走(JpnIII)出走予定馬” (PDF). ホッカイドウ競馬. 2023年8月15日閲覧。
  2. “門別競馬出走馬一覧表令和5年度第9回門別競馬第3日8月17日(木)” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年8月15日閲覧。
  3. 2006年(1月 - 12月)ダートグレード競走一覧 - 地方競馬全国協会、2014年8月11日閲覧
  4. ブリーダーズゴールドカップ(JpnIII) 歴代優勝馬 - 地方競馬全国協会、2014年8月15日閲覧
  5. 『地方競馬史 第四巻(P126-127)』 - 地方競馬全国協会
  6. 馬三郎タイムズ コラム(馬三郎25時:歴史ある門別の熱い戦いに注目) - デイリー馬三郎、2014年8月15日閲覧
  7. “平成26年度ホッカイドウ競馬の開催日程決定!!”. ホッカイドウ競馬 (2014年2月13日). 2014年5月11日閲覧。
  8. “OddsParkClub vol.34(2014.7~9)”. オッズパーク. 2014年8月18日閲覧。
  9. 《シュエット・ジュマン・フェスティバル》(素敵な牝馬の祭り)について - ホッカイドウ競馬、2014年8月11日閲覧
  10. 『THE JR Hokkaido(No.319、P7)』北海道ジェイ・アール・エージェンシー
  11. 牝馬レース、紅茶講座楽しんで 門別競馬場、14日にレディースDAY(2014年8月2日) - 北海道新聞社、2014年8月11日閲覧
  12. “レース紹介|ブリーダーズゴールドカップ 2023年”. 地方競馬全国協会. 2023年8月15日閲覧。
  13. “11R ブリーダーズゴールドC(中央交流) Jpn3 一般”. JBISサーチ. 2023年8月15日閲覧。
  14. 2001年(1月 - 12月)ダートグレード競走一覧 - 地方競馬全国協会、2014年8月11日閲覧
  15. 『地方競馬史 第四巻(189P)』 - 地方競馬全国協会
  16. 『地方競馬史 第四巻(126P)』 - 地方競馬全国協会
  17. 第19回ブリーダーズゴールドカップJpnII(競走成績) - 地方競馬全国協会、2014年8月11日閲覧
  18. リゲル特別C2-1組(競走成績) - 地方競馬全国協会、2014年8月11日閲覧

各回競走結果の出典

関連項目

外部リンク

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