1978年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

1978年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月3日に開幕した。アメリカンリーグの第10回リーグチャンピオンシップシリーズ(10th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から7日にかけて計4試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース(東地区)がカンザスシティ・ロイヤルズ(西地区)を3勝1敗で下し、3年連続32回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

1978年のアメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
ニューヨーク・ヤンキース 3
カンザスシティ・ロイヤルズ 1
シリーズ情報
試合日程 10月3日–7日
観客動員 4試合合計:19万4102人
1試合平均:04万8526人
殿堂表彰者 ボブ・レモン(NYY監督[注 1])
ヨギ・ベラ(NYYコーチ[注 2])
リッチ・ゴセージ(NYY投手)
キャットフィッシュ・ハンター(NYY投手)
レジー・ジャクソン(NYY外野手)
ホワイティ・ハーゾグ(KC監督)
ジョージ・ブレット(KC内野手)
チーム情報
ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 3年連続3回目
GM セドリック・タリス
監督 ボブ・レモン
シーズン成績 100勝63敗・勝率.613
東地区優勝

カンザスシティ・ロイヤルズ(KC)
シリーズ出場 3年連続3回目
GM ジョー・バーク
監督 ホワイティ・ハーゾグ
シーズン成績 092勝70敗・勝率.568
西地区優勝

 < 1977
ALCS
1978

1979 > 

 < 1977
NLCS
1978

1979 > 
ワールドシリーズ

この年のレギュラーシーズンでは両球団は11試合対戦し、ロイヤルズが6勝5敗と勝ち越していた[1]。今シリーズ第3戦ではロイヤルズのジョージ・ブレットが、前年ワールドシリーズ第6戦のレジー・ジャクソン以来史上4人目・5度目となるポストシーズンでの1試合3本塁打を達成した[2]。しかしこの試合はヤンキースが逆転勝利し、シリーズもヤンキースが制した。両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは3年連続3度目で、全てヤンキースが勝利している。この結果にブレットは「うちのファンも地元記者も、この国にいる人間は誰一人として俺たちが勝てるなんて思っちゃいない」と述べた[3]。このあとヤンキースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者ロサンゼルス・ドジャースを4勝2敗で下し、2年連続22度目の優勝を成し遂げた。

試合結果

1978年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月3日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付試合ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
10月03日(火)第1戦ニューヨーク・ヤンキース7-1カンザスシティ・ロイヤルズロイヤルズ・スタジアム
10月04日(水)第2戦ニューヨーク・ヤンキース4-10カンザスシティ・ロイヤルズ
10月05日(木)移動日
10月06日(金)第3戦カンザスシティ・ロイヤルズ5-6ニューヨーク・ヤンキースヤンキー・スタジアム
10月07日(土)第4戦カンザスシティ・ロイヤルズ1-2ニューヨーク・ヤンキース
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(3勝1敗 / 3年連続32度目)

第1戦 10月3日

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 1 0 2 0 0 3 0 7 16 0
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 2
  1. 勝:ジム・ビーティー(1勝)  敗:デニス・レナード(1敗)  S:ケン・クレイ(S)  
  2. 本塁打
    NYY:レジー・ジャクソン1号3ラン
  3. 審判
    [球審]ルー・ディミュロ
    [塁審]一塁: リッチ・ガルシア、二塁: ロン・ルチアーノ、三塁: ビル・カンケル
    [外審]左翼: デーブ・フィリップス、右翼: テリー・クーニー
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間(UTC-5)午後7時30分 試合時間: 2時間57分 観客: 4万1143人 気温: 68°F(20°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキースカンザスシティ・ロイヤルズ
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1中M・リバース左1左S・ブラウン左
2捕T・マンソン右2三G・ブレット左
3右L・ピネラ右3中A・オーティス右
4DHR・ジャクソン左4捕D・ポーター左
5三G・ネトルズ左5一P・ラコック左
6一C・チャンブリス左6DHH・マクレー右
7左R・ホワイト両7右A・コーウェンズ右
8二B・ドイル左8遊F・パテック右
9遊B・デント右9二F・ホワイト右
先発投手投球先発投手投球
J・ビーティー右D・レナード右

この年、レギュラーシーズン当初予定の162試合が終了した時点で、東地区ではヤンキースとボストン・レッドソックスが99勝63敗・勝率.611で同率首位となった。そのため10月2日、地区優勝決定ワンゲームプレイオフがレッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークで開催され、ヤンキースが5-4で勝利した。ヤンキースはマサチューセッツ州ボストンからミズーリ州カンザスシティへ乗り込み、移動日なしで今シリーズ初戦に臨んだ。エースのロン・ギドリーが前日のワンゲームプレイオフで先発したため、この日の先発投手には新人のジム・ビーティーを起用した[3]。

ロイヤルズの先発投手デニス・レナードに対し、ヤンキースは序盤の4イニング連続で走者を得点圏へ進める。初回表こそ二死二・三塁から5番グレイグ・ネトルズが中飛に倒れたものの、2回表は二死二塁から9番バッキー・デントの適時打で先制点を奪い、3回表には二死二塁から5番ネトルズの適時三塁打で2点目を挙げた。4回表二死一・三塁が無得点で終了後、5回表の先頭打者ルー・ピネラが出塁したところで、ロイヤルズはレナードからスティーブ・ミンゴリへ継投した。ヤンキースは一死一・三塁と好機を広げ、6番クリス・チャンブリスと8番ブライアン・ドイルの適時打で4-0とした。

ビーティーは、相手打線に得点を許さないまま最初の5イニングを終えた。6回裏、ロイヤルズは先頭打者ジョージ・ブレットの二塁打を足がかりに一死満塁とし、ビーティーを降板に追い込む。2番手投手ケン・クレイから6番ハル・マクレーが犠牲フライを放ち、ロイヤルズは1点を返したが反撃はこれのみで止まった。8回表にはヤンキースが4番レジー・ジャクソンの3点本塁打で突き放し、クレイは7回から試合終了までを無失点で投げきった。

第2戦 10月4日

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 2 2 0 4 12 1
カンザスシティ・ロイヤルズ 1 4 0 0 0 0 3 2 X 10 16 1
  1. 勝:ラリー・グラ(1勝)  敗:エド・フィゲロア(1敗)  
  2. 本塁打
    KC:フレディ・パテック1号2ラン
  3. 審判
    [球審]リッチ・ガルシア
    [塁審]一塁: ロン・ルチアーノ、二塁: ビル・カンケル、三塁: デーブ・フィリップス
    [外審]左翼: テリー・クーニー、右翼: ルー・ディミュロ
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間(UTC-5)午後2時30分 試合時間: 2時間42分 観客: 4万1158人 気温: 82°F(27.8°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキースカンザスシティ・ロイヤルズ
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1中M・リバース左1三G・ブレット左
2捕T・マンソン右2DHH・マクレー右
3左L・ピネラ右3中A・オーティス右
4右R・ジャクソン左4捕D・ポーター左
5三G・ネトルズ左5一P・ラコック左
6一C・チャンブリス左6左C・ハードル左
7DHR・ホワイト両7右A・コーウェンズ右
8二F・スタンリー右8遊F・パテック右
9遊B・デント右9二F・ホワイト右
先発投手投球先発投手投球
E・フィゲロア右L・グラ左

ロイヤルズは初回裏、一死二・三塁から4番ダレル・ポーターの犠牲フライで先制する。2回裏には、先頭打者クリント・ハードルからの連打で無死一・二塁とすると、8番フレディ・パテックの内野ゴロを遊撃手バッキー・デントが悪送球する間にハードルが生還、次打者フランク・ホワイトも2点適時打で続いた。ヤンキースは先発投手エド・フィゲロアをここでマウンドから降ろし、ディック・ティドローへ継投したが、ロイヤルズは二死一・三塁から4番ポーターの適時打でさらにもう1点を加えた。ヤンキースは7回表に相手先発投手ラリー・グラを捉え、9番デントの2点適時打で3点差とする。しかしその後、一死一・三塁でロイヤルズはグラからマーティー・パッティンへ継投、パッティンはヤンキースに追加点を許さなかった。その裏、ロイヤルズは6番ハードルの適時三塁打と8番パテックの2点本塁打で点差を6点に広げた。8回は両チームとも2点ずつを追加し、10-4でロイヤルズが勝利した。

第3戦 10月6日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ロイヤルズのジョージ・ブレットが初回表・3回表・5回表の3打席連続でソロ本塁打を放つ(1分29秒)
2回裏、先頭打者レジー・ジャクソンの本塁打でヤンキースが同点に追いつく(58秒)
4回裏一死三塁、グレイグ・ネトルズの左飛で三塁走者ルー・ピネラがタッチアップするも、左翼手クリント・ハードルからの送球でアウトに(1分21秒)
8回裏、サーマン・マンソンの2点本塁打でヤンキースが逆転(2分3秒)
9回表、ハル・マクレーの右飛を右翼手ピネラがスライディングキャッチし試合終了(1分36秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 1 0 1 0 1 0 0 2 0 5 10 1
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 0 2 0 1 0 2 X 6 10 0
  1. 勝:リッチ・ゴセージ(1勝)  敗:ダグ・バード(1敗)  
  2. 本塁打
    KC:ジョージ・ブレット1号ソロ・2号ソロ・3号ソロ
    NYY:レジー・ジャクソン2号ソロ、サーマン・マンソン1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ロン・ルチアーノ
    [塁審]一塁: ビル・カンケル、二塁: デーブ・フィリップス、三塁: テリー・クーニー
    [外審]左翼: ルー・ディミュロ、右翼: リッチ・ガルシア
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後3時35分 試合時間: 2時間13分 観客: 5万5445人 気温: 71°F(21.7°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズニューヨーク・ヤンキース
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1三G・ブレット左1中M・リバース左
2DHH・マクレー右2左R・ホワイト両
3中A・オーティス右3捕T・マンソン右
4捕D・ポーター左4DHR・ジャクソン左
5一P・ラコック左5右L・ピネラ右
6左C・ハードル左6三G・ネトルズ左
7右A・コーウェンズ右7一C・チャンブリス左
8遊F・パテック右8二F・スタンリー右
9二F・ホワイト右9遊B・デント右
先発投手投球先発投手投球
P・スプリットオフ左C・ハンター右

ヤンキースの先発投手キャットフィッシュ・ハンターに対し、ロイヤルズはジョージ・ブレットの初回先頭打者本塁打で先制する。ヤンキースも2回裏、4番レジー・ジャクソンのソロ本塁打で同点に追いつく。3回表、1番ブレットがハンターからこの日2本目のソロ本塁打を放ち、ロイヤルズが勝ち越す。ヤンキースは4回裏、一死から3番サーマン・マンソンが二塁打で出塁すると、4番ジャクソンが適時打でマンソンを還して同点とし、さらに5番ルー・ピネラの左前打に相手の失策が絡んでジャクソンが一塁から勝ち越しのホームを踏んだ。5回表、先頭打者ブレットが三たびハンターに本塁打を浴びせ、ロイヤルズが3-3の同点とした。

ヤンキースは、6回裏に一死一・三塁から4番ジャクソンの犠牲フライで勝ち越すと、7回表からハンターに代えてリッチ・ゴセージを登板させた。しかしそのゴセージが8回表、先頭打者エイモス・オーティスの二塁打をきっかけに崩れ、4番ダレル・ポーターの適時打と7番アル・コーウェンズの遊ゴロで逆転を許した。その裏、ヤンキースは一死から2番ロイ・ホワイトを塁に出し、相手先発投手ポール・スプリットオフを降板させる。次打者マンソンが2番手投手ダグ・バードから2点本塁打を放ち、ヤンキースは再び試合をひっくり返した。9回表、ゴセージは1番ブレットにまわる打順を三者凡退に封じ、ヤンキースがリーグ3連覇に王手をかけた。

第4戦 10月7日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
2回表、フレディ・パテックが打ち上げた飛球を中堅手ミッキー・リバースが背走しながら捕球してアウトに(54秒)
その裏、グレイグ・ネトルズのソロ本塁打でヤンキースが同点に追いつく(57秒)
5回表、二塁走者ウィリー・ウィルソンが三塁盗塁を試みるものの、捕手サーマン・マンソンの送球が阻止(1分2秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 7 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 1 0 0 0 1 0 0 X 2 4 0
  1. 勝:ロン・ギドリー(1勝)  敗:デニス・レナード(2敗)  S:リッチ・ゴセージ(1勝1S)  
  2. 本塁打
    NYY:グレイグ・ネトルズ1号ソロ、ロイ・ホワイト1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ビル・カンケル
    [塁審]一塁: デーブ・フィリップス、二塁: テリー・クーニー、三塁: ルー・ディミュロ
    [外審]左翼: リッチ・ガルシア、右翼: ロン・ルチアーノ
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時30分 試合時間: 2時間20分 観客: 5万6356人 気温: 58°F(14.4°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズニューヨーク・ヤンキース
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1三G・ブレット左1中M・リバース左
2DHH・マクレー右2左R・ホワイト両
3中A・オーティス右3捕T・マンソン右
4右A・コーウェンズ右4DHR・ジャクソン左
5捕D・ポーター左5右L・ピネラ右
6一J・ワーザン右6三G・ネトルズ左
7二F・ホワイト右7一C・チャンブリス左
8遊F・パテック右8二B・ドイル左
9左W・ウィルソン両9遊B・デント右
先発投手投球先発投手投球
D・レナード右R・ギドリー左

ロイヤルズは初回表、先頭打者ジョージ・ブレットが三塁打で出塁し、次打者ハル・マクレーの中前適時打で先制点を奪う。ヤンキースは2回裏、先頭打者グレイグ・ネトルズの本塁打で同点に追いつく。3回から5回にかけての3イニングは両チームの先発投手、ヤンキースのロン・ギドリーとロイヤルズのデニス・レナードがともに無失点とする。6回裏、ヤンキースが2番ロイ・ホワイトのソロ本塁打で1点を勝ち越した。その後もギドリーとレナードの投げ合いが続いた。9回表、ロイヤルズの先頭打者エイモス・オーティスが二塁打で出塁したところで、ヤンキースはギドリーからリッチ・ゴセージへ継投する。ゴセージはオーティスを進塁させないまま二死を取ると、最後は代打ピート・ラコックを左飛に打ち取って試合を締め、ヤンキースがリーグ3連覇を果たした。

脚注

注釈

  1. 殿堂入りは指導者としてではなく、投手としての功績が評価されてのもの。
  2. 殿堂入りは指導者としてではなく、捕手としての功績が評価されてのもの。

出典

  1. "1978 Kansas City Royals Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年12月30日閲覧。
  2. Mike Axisa, "Dodgers' Enrique Hernandez becomes 10th to hit three homers in MLB playoff game," CBSSports.com, October 19, 2017. 2020年12月30日閲覧。
  3. Larry Keith, "TWO LONG CLOUTS AND A ROUT," Sports Illustrated Vault, October 16, 1978. 2020年12月30日閲覧。

外部リンク

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