太平洋フェリー
太平洋フェリー株式会社(たいへいようフェリー)は、愛知県名古屋市中村区に本社を置く日本の海運会社。名鉄グループ傘下で、名古屋 - 仙台 - 苫小牧間において定期航路(フェリー)を運航している。この記事では、前身の太平洋沿海フェリー株式会社(たいへいようえんかいフェリー)についても記述する。
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![]() 本社が入居するいちご名古屋ビル(2015年8月) | |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 市場情報 | 非上場 |
| 本社所在地 |
〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅四丁目24番8号 いちご名古屋ビル 北緯35度10分6.1秒 東経136度53分16.7秒 |
| 設立 | 1982年4月8日 |
| 業種 | 海運業 |
| 法人番号 | 8180001037677 |
| 事業内容 | 自動車並びにその他車両及び一般旅客の航送、旅行業、貨物自動車運送取扱事業、倉庫業他。 |
| 代表者 | 代表取締役社長 猪飼康之 |
| 資本金 | 1億円 |
| 売上高 | 146億円(2023年3月現在) |
| 従業員数 | 300名(2017年3月現在) ※太平洋フェリーサービスのサービス部員を含む |
| 主要株主 |
名古屋鉄道 57.9% 名鉄グループ各社 42.1% |
| 主要子会社 | 太平洋フェリーサービス株式会社 |
| 外部リンク | https://www.taiheiyo-ferry.co.jp/ |
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※就航前の寄港時に撮影。

(2代目、仙台港)
概要
1970年、長距離フェリー開設ラッシュのなかで名古屋鉄道社長で名古屋商工会議所会頭の土川元夫の提案により名古屋財界が中心となり「太平洋沿海フェリー株式会社」を設立[1]。その後2度のオイルショックで経営難に陥り、1982年に経営改善の為に新たに「太平洋フェリー」を立ち上げ、営業権を引き継いで現在に至る[2]。
充実した個室や設備等により、船旅を扱う雑誌などでトップクラスの評価を得ている。また、ピアノの演奏やコンサート等のイベントなども運航毎に行われ、船長のトークショーなど珍しい企画も行っている。福島県沖での僚船との対航のさい、極めて接近して行き違うのも乗客へのサービスのひとつである。
ファンネル(煙突)のマークは、「太平洋」と「フェリー」の頭文字、TとFを重ね合わせたものである。また前身の太平洋沿海フェリー時代は「F」部分の横線が3本となっており沿海の「E」を示していた。
歴史
- 1970年
- 1971年5月28日 - 名古屋 - 仙台 - 苫小牧間の一般旅客定期航路事業免許を取得[3]。
- 1972年10月1日 - 名古屋 - 大分航路(九州航路)に第一船「あるかす」就航、資本金16億円に増資[3]。
- 1973年
- 1974年
- 1975年
- 1976年3月31日 - 仙台港発着埠頭を現在のフェリー専用埠頭に移転[8]。
- 1980年4月1日 - 「あるごう」を関西汽船に売却し九州航路を休止、コンピューター貨物システム稼働[9]。
- 1981年
- 1982年
- 1984年3月16日 - 名鉄管財の保有する太平洋フェリー船舶4隻を買い取り[11]、名鉄グループ47社出資で資本金を40億円に増資[12]。
- 1985年
- 1987年
- 1989年
- 1991年
- 3月25日 - 「いしかり (フェリー・2代)」(2代目)が就航[15]。
- 4月2日 - 「いしかり」(初代)をギリシャに売船[15]。
- 1993年5月 - エゾシカをモチーフとしたマスコットマークの名称を一般公募で「フェリカ」に決定[16]。
- 1999年4月 - 船内レストランをカフェテリア式からバイキング式にリニューアル[17]。
- 2005年
- 1月9日 - 「きそ」(2代目)が就航。
- 2月 - 「きたかみ」の船内をリニューアル。
- 2011年
- 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震発生にともない全便の運航を停止する。
- 3月23日 - 仙台港を除き、貨物に限定した暫定運航を再開する[18][19]。
- 3月24日 - 仙台港への、貨物に限定した暫定運航を再開する[20][21]。
- 3月25日 - 「いしかり (フェリー・3代)」(3代目)が就航[19][22]。
- 5月26日 - 臨時ダイヤで旅客運航を再開。なお名古屋行き便は仙台からの乗船はできなかった。
- 6月5日 - 仙台港フェリーターミナルが仮復旧し、この日より通常ダイヤ運航を再開。翌6日より仙台港での乗降が可能となった。
- 2015年
- 3月2日 - 東日本大震災以降中止していた仙台港寄港時の一時下船がこの日より再開。
- 2019年
- 1月25日 - 「きたかみ」(2代目)が就航。
- 2020年
- 2023年5月 - シアターラウンジでのステージショーを再開。
船舶
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(3代目、エントランス)
就航中の船舶
「いしかり」「きそ」「きたかみ」の3船体制で運航している。基本的には「いしかり」と「きそ」が名古屋 - 仙台 - 苫小牧間の直通便、「きたかみ」が仙台 - 苫小牧間の折り返し便を担当する。
「いしかり」は3代目にあたる。2008年、三菱重工業に発注され下関造船所で建造[29] された。2010年8月26日進水し、2011年3月13日に苫小牧発の便から就航予定であったが、東北地方太平洋沖地震にともない延期となった[30]。その後、暫定運航開始にともない同月25日に就航した[19][22]。
「きそ」は2代目にあたる。なお、同船は雑誌「クルーズ」(海事プレス社)が選出する「フェリー・オブ・ザ・イヤー」を2005年から2010年まで6年連続で受賞している(なお、2代目「いしかり」も同賞を1992年から2004年まで13年連続で受賞し、3代目「いしかり」が2011年に受賞)。
「きたかみ」は2代目にあたる。2019年1月25日に就航した。19時00分苫小牧発で、翌26日10時00分仙台着、同日19時40分仙台発で翌27日11時00分苫小牧着、27日19時00分苫小牧発で仙台を経由し、29日10時30分名古屋着、同日19時00分名古屋発で仙台を経由し31日11時00分苫小牧着が最初の就航ダイヤとなった[31]。
- 船舶要目
| 船名 | いしかり[32] | きそ | きたかみ[33] |
|---|---|---|---|
| 建造 | 三菱重工業下関造船所 | 三菱重工業下関造船所 | 三菱重工業下関造船所 |
| 竣工 | 2011年3月 | 2004年1月 | 2018年12月 |
| 就航 | 2011年3月 | 2005年 | 2019年1月 |
| 総トン数 | 15,762トン | 15,795トン | 13,694トン |
| 全長 | 199.9m | 199.9m | 192.5m |
| 全幅 | 27.0m | 27.0m | 27.0m |
| 航海速力 | 23.0ノット[34] | 23.2ノット | 約24ノット |
| 最大速力 | 26.5ノット | 26.73ノット | 24.6ノット |
| 最大出力 | 24,000 kW(32,640馬力) | 32,200馬力 | 16,000KW |
| 旅客定員 | 777名 | 768名 | 535名 |
| トラック積載数 | 184台 | 174台 | 166台 |
| 乗用車積載数 | 100台 | 113台 | 146台 |
| エレベーター | 4基 | 3基 | 2基 |
- 客室等級
以下の一覧には、ドライバー室を含まない。

(3代目、カードキー)
| いしかり | きそ | きたかみ |
|---|---|---|
| ロイヤルスイートルーム | ロイヤルスイートルーム | - |
| スイートルーム | スイートルーム | - |
| セミスイートルーム | セミスイートルーム | - |
| 特等客室(洋室) | 特等客室(洋室) | 特等客室(洋室) |
| 特等客室(和室) | 特等客室(和室) | 特等客室(和室) |
| 1等客室(和室) | 1等客室(和室) | 1等客室(フォース) |
| 1等客室(和洋室) | 1等客室(和洋室) | 1等客室(ウイズペット) |
| 1等客室(洋室) | 1等客室(洋室) | 1等客室(クロスツイン) |
| - | - | 1等客室(バリアフリー) |
| S寝台(1段ベッド) | S寝台(1段ベッド) | エコノミーシングル |
| B寝台(2段ベッド) | B寝台(2段ベッド) | B寝台(2段ベッド) |
| 2等(和室) | 2等(和室) | C寝台(2段ベッド) |
- ギャラリー
※すべて「いしかり(3代目、現在就航中)」の画像。
ロイヤルスイート
(リビング)
ロイヤルスイート
(寝室)
ロイヤルスイート
(パウダールーム)
ロイヤルスイート
(浴室)
セミスイート
(寝室)
セミスイート
(浴室)
特等和室
1等和洋室
S寝台
2等
プロムナード
レストラン
展望大浴場(男湯)
客室通路
ゲームコーナー
マッサージ機コーナー
自販機・喫煙コーナー
入港記念盾
車両甲板(後部)
建造中の様子
バイキングの例
(1日目・夕食)
(2日目・朝食)
(2日目・昼食)
(2日目・夕食)
(3日目・朝食)
引退した船舶


- きたかみ (初代)
- 1989年10月竣工・就航。13,818総トン、全長192.5m、幅27.0m、出力28,800馬力、航海速力22.6ノット(最大24.9ノット)。
- 旅客定員842名。車両積載数:トラック165台・乗用車147台。三菱重工業神戸造船所建造。
- 2019年1月19日をもって引退
- 「きたかみ」は2011年3月11日の東日本大震災発生時、通常運航のため仙台港に停泊中だったが、大津波警報発令を受け緊急離岸し速やかに湾外退避を行い津波による被害を免れた[35]。
運賃・料金
この項目では、特に記載がない限り定期航路の運賃・料金について記述する。
特徴
- 期間別運賃
- 船室貸切料金
- 個室の相部屋利用は行っていない。なお、定員に満たない人数で利用するさい、他社では不足する人数分について大人正規運賃の50%前後に相当する船室貸切料金を徴収するのが一般的だが、当社はA期間に限りこの扱いを行っていない(B・C運賃期間は船室貸切料金(不足する人数につき大人基本運賃の半額)が必要)。
- 個室を定員の半数に満たない人数で予約することはできない。これはB・C運賃期間において船室貸切料金を支払う場合も同様である。(定員に幅がある部屋種別の場合、定員の最低人数の半数で計算する。また、半数の計算は端数切り上げ。)
割引制度
- インターネット割引
- 往復割引
- 往路を正規運賃で乗船し、往路乗船日までに復路乗船券を購入した場合、往路乗船日を含め15日以内の同一区間の復路が割引となる。
- 旅客・乗用車・オートバイ・自転車に適用
- 復路運賃が 10% 割引
- 学生割引
- 学生証の提示により割引が受けられる。
- S寝台以下の旅客に適用
- 10% 割引
- JAF会員割引
- 日本自動車連盟 (JAF) 会員証の提示により割引が受けられる。
- 旅客・乗用車・オートバイ・自転車に適用
- 10% 割引(ただし、B・C期間は適用除外)
- JAF会員証1枚に付き乗用車(二輪車)1台とその定員内の同乗者、徒歩乗船の場合は会員本人を含めて最大5名まで。
- 身体障害者割引・知的障害者割引・精神障害者割引・被救護者割引
- 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を提示した場合、または所定の保護施設・救護施設などが交付する旅客運賃割引証を提出した場合に割引が受けられる。
- S寝台・エコノミーシングル以下の旅客に適用(ただし、介護者(被救護者は付添人)付きの場合は全等級、本人と介護者(同)1名に適用)
- 50% 割引
- メディアカード会員割引
- メディアカードの提示により割引が受けられる。
- 割引内容はJAF会員割引と同一。
- イオンクレジットカード会員割引
- イオンクレジットカードの提示により割引が受けられる。
- 旅客・乗用車・オートバイ・自転車に適用
- 10% 割引(ただし、B・C期間は適用除外)
- カード1枚に付き乗用車(二輪車)2台と会員本人を含めて最大8名まで。
セットプラン等
以下のプランは、いずれも事前決済が必要となる。電話予約の場合の決済方法は、クレジットカード、コンビニ・ATM収納、郵便振替のいずれかとなる。
- 早割
- 期間限定、客室数限定で、28日前までの予約 50% 割引となる。設定期間内でも便によっては設定がない場合もある。
- 旅客・乗用車・オートバイ・自転車に適用。ただし、早割運賃で車両のみの航送はできない。
- インターネット予約のみ
- クルーズパック
- モーニングバイキングつきプラン
- インターネット予約または電話予約
- マイカープラン
- 仙台 - 名古屋間限定。旅客と乗用車航送をセットにした割引プラン。
- インターネット予約または電話予約
- 往復フェリーフルパック
- 往復利用全食事つきプラン
- 仙台 - 名古屋間、苫小牧 - 名古屋間で設定。
- 電話予約のみ
補足事項
- 任意ISM取得
- 2007年10月までに会社及び保有3船すべての任意ISM(国際安全管理)を取得した。この取得は外航船においては強制だが、内航船については任意のものである。
- 営業倉庫
- 苫小牧港近くの北海道苫小牧市あけぼの町に、営業倉庫として定温倉庫2棟と常温倉庫1棟を有している。
- 業績推移
| 年度 | 売上高 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 2009年(平成21年)3月期 | 120億円 | 335名 |
| 2008年(平成20年)3月期 | 147億円 | 346名 |
| 2007年(平成19年)3月期 | 140億円 | 334名 |
その他
- 太平洋フェリーイメージソング
- 「太平洋フェリーのうた 海上のシネマ」[40] - 歌 : 盛かおる
脚注
- 太平洋フェリー、48-49頁。
- 太平洋フェリー、64-67頁。
- 太平洋フェリー、96頁。
- 太平洋フェリー、49頁。
- 太平洋フェリー、50頁。
- 太平洋フェリー、97頁。
- 太平洋フェリー、49頁。
- 太平洋フェリー、98頁。
- 太平洋フェリー、99頁。
- 太平洋フェリー、70頁。
- 太平洋フェリー、100頁。
- 太平洋フェリー、71頁。
- 太平洋フェリー、74頁。
- 太平洋フェリー、101頁。
- 太平洋フェリー、102頁。
- フェリー愛称決定 - 中日新聞1993年5月13日朝刊愛知県内版
- 太平洋フェリー/3隻のフェリーをリニューアル。改装に1億5000万円 - 日本海事新聞(1999年4月20日)
- 貨物限定での苫小牧⇔名古屋航路 運航再開について - 太平洋フェリー(2011年3月22日付、同月29日閲覧)
- 太平洋フェリーが苫小牧-名古屋臨時運航開始します(みなとのニュース) - 苫小牧港管理組合(2011年3月18日付、同月29日閲覧)
- 太平洋フェリーが苫小牧-仙台臨時運航開始します(みなとのニュース) - 苫小牧港管理組合(2011年3月23日付、同月29日閲覧)
- 仙台港にフェリー到着 震災後初、物流回復へ一歩 - 河北新報(2011年3月26日付、同月29日閲覧)
- 新造船フェリー 25日初出港 苫小牧 - 北海道新聞(2011年3月22日付、同月29日閲覧)
- 【定期便・周遊】新型コロナウイルス対策についての重要なお知らせ
- 船内バイキングおよびスタンドコーナーの営業再開について - 太平洋フェリー 2020年7月13日
- taiheiyoferryのツイート(1307150767963348997)
- “仙台一時上陸の再開について【重要】”. 太平洋フェリー. (2015年2月26日) 2015年3月5日閲覧。
- 太平洋フェリー、30-31頁。
- 太平洋フェリー、28頁。
- 太平洋フェリー 新「いしかり」来春就航 147個室装備 - 河北新報(2010年6月10日付、同月12日閲覧)
- 新造フェリー、運航開始延期 太平洋フェリー - 北海道新聞(2011年3月12日付、同月13日閲覧)
- “太平洋フェリー 新造船ニュー「きたかみ」就航”. www.taiheiyo-ferry.co.jp. 太平洋フェリー. 2019年1月25日閲覧。
- 船内見学会にて配布のパンフレットより。
- 太平洋フェリー、新造船「きたかみ」を1月25日就航。大部屋なくし全室プライバシーに配慮。ペット同伴での旅も可能に - トラベルWatch 2019年1月24日
- 林洋一郎、恩塚政憲「国内最大クラス クルーズフェリー新“いしかり”の紹介」『日本マリンエンジニアリング学会誌』第47巻第2号、日本マリンエンジニアリング学会、2012年、219-222頁、doi:10.5988/jime.47.219、2015年7月16日閲覧。
- 塩釜港湾・空港整備事務所 (2011年3月11日). “フェリー『きたかみ』仙台港脱出の記録”. 国土交通省 東北地方整備局. 2012年12月26日閲覧。
- 運航日程表(2011年1月-同年9月) (PDF) - 太平洋フェリー(2011年3月29日閲覧)
- details/ref.no.ss32795 (Ship for Sale) - shiplink.info(2011年3月29日閲覧)
- 竣工時の要目。
- 太平洋フェリー、60頁。
- “太平洋フェリーのうた_海上のシネマ(CD) :tf00010:太平洋フェリー公式ショップ - 通販”. Yahoo!ショッピング. 2022年11月2日閲覧。
参考文献
- 日本船舶明細書I 2008年版 - 社団法人 日本海運集会所(2007年12月30日発行)
- 『Sillage (シヤージュ)太平洋フェリー20年の航跡』太平洋フェリー、1991年6月24日。
関連項目
- 日本のフェリー会社一覧
- 日本長距離フェリー協会
- 落陽 - 吉田拓郎(シンガーソングライター)の楽曲。当航路(当時は「太平洋沿海フェリー」)の船が苫小牧港から出港する情景が描かれている。
- ドキュメント72時間 - 2007年3月13日「旅立ちのフェリー」、2014年4月11日「巨大フェリーの人生航路」がそれぞれ「きそ(2代目)」「いしかり(3代目)」船内で撮影された。
- ゲームセンターCX - 2017年7月20日 #243「ゲームセンターCX on 太平洋 〜フェリーで有野課長が初挑戦!〜」が「いしかり(3代目)」船内で撮影された。
- 名港海運 - 船舶運航時の代理店業を請負
- ロイヤルウイング - 1994年から2000年まで子会社「横浜ベイクルーズ」により運航。




