1989年の近鉄バファローズ

1989年の近鉄バファローズ(1989ねんのきんてつバファローズ)では、1989年の近鉄バファローズにおける動向をまとめる。

1989年の近鉄バファローズ
成績
日本シリーズ敗退
日本S 3勝4敗(対巨人)[1]
パシフィック・リーグ優勝
71勝54敗5分 勝率.568[2]
本拠地
都市 大阪府藤井寺市
球場 藤井寺球場
球団組織
オーナー 佐伯勇→上山善紀(代行から昇格)
経営母体 近畿日本鉄道
監督 仰木彬
« 1988
1990 »

この年の近鉄バファローズは、仰木彬監督の2年目のシーズンである。

概要

前年最終戦でロッテと引き分けて優勝を逃した雪辱に燃える仰木監督は「今年こそ優勝する」と宣言。宣言通りチームは開幕からまずまずのスタートを切るが、ブルーサンダー打線を擁するオリックスが独走状態に入ると前年優勝の西武ともどもオリックスを追いかける展開が続いた。6月まで最大8ゲーム差だったオリックスとのゲーム差を7月以降縮めていったチームは、阿波野秀幸やラルフ・ブライアントといった主力の活躍で8月に入りようやく首位を奪取。しかし9月に入ると西武が優勝戦線に参戦し、3球団のどちらかが抜け出せないまま10月を迎える。10月5日に佐伯勇オーナーが死去。10月12日ダブルヘッダー第1試合は西武が勝利すると思われたが、ブライアントが郭泰源をリリーフした渡辺久信から決勝ソロ。これで自信のついた近鉄は第2試合の先発・高山郁夫をはじめ西武投手陣をKOし、14対4で大勝して優勝マジックが点灯。一方オリックスは翌13日に最下位確定のロッテと対戦するもまさかの逆転負けでマジック1となり、最後は藤井寺のダイエー戦に勝って1980年以来9年ぶり3度目のリーグ優勝を達成。本塁打数はブライアントが本塁打王を獲得したもののチームとしては157でリーグ3位、打撃十傑には.302の新井が唯一9位に入りチーム打率は.261、安打数は1134でいずれもリーグ5位、打点・得点はリーグ4位、盗塁は1位西武の3分の1以下の45でリーグ最下位と、「いてまえ打線」と形容された打のチームではなく、19勝で最多勝を挙げ防御率2.71で村田兆治(ロッテ)に次ぐ2位だった阿波野や、防御率4位で12勝の小野らを中心にチーム防御率3.859で1位西武と0.003差の2位、完投は28でリーグ3位ながらセーブが28でリーグ最多という投手力で優勝を勝ち取った形だった。

日本シリーズは巨人と対戦し、3連勝で王手をかけるが第3戦先発の加藤哲郎が「巨人はロッテより弱かった」と暴言を吐き、これが巨人の選手やファンを怒らせ翌日の第4戦を落とすと、第5戦は阿波野をリリーフした吉井理人が原辰徳に満塁本塁打を浴びて撃沈。日本一のかかった第7戦に加藤が登板するものの、駒田徳広に先制本塁打を浴びてKOされ降板。加藤の後を受けた投手陣は巨人打線に滅多打ちされ、終盤追い上げるものの5対8で敗戦。3連勝から4連敗して日本一を逃し、仰木監督の悲願である打倒巨人は夢と消えた。

順位10/1終10/3終10/4終10/5終10/6終10/7終10/8終10/9終10/10終10/12終10/13終10/14終
1位 西武-- 西武-- 西武-- オリM8 西武-- オリ-- 西武-- 西武-- 西武-- 近鉄M2 近鉄M1 近鉄優勝
2位 オリ0.5 オリ1.0 オリ0.5 西武0.5 オリ0.5 西武0.5 オリ0.0 オリ1.0 近鉄1.0 オリ0.0 オリ0.5 オリ1.0
3位 近鉄2.5 近鉄2.0 近鉄2.5 近鉄3.0 近鉄2.5 近鉄2.0 近鉄1.0 近鉄2.0 オリ1.0 西武1.0 西武1.0 西武1.5
試合結果 オ10-8西
ロ8-5近
近3-0オ 西14-4ロ
ロ7-4西
オ11-8近
ダ13-12西
オ5-4近
近5-2オ
西2-1日
ダ2-1西
オ11-9ロ
近4-3日
ロ3-2オ
近4-0日
西11-2オ
ロ7-6近
近3-2西
ロ17-4オ
近6-5西
近14-4西
オ10-2ロ
オ14-2ロ
ロ5-3オ 近5-2ダ

チーム成績

レギュラーシーズン

オーダー変遷
開幕:4/95/26/17/18/19/1
1 遊真喜志康永 二大石第二朗二大石第二朗二大石第二朗二大石第二朗二大石第二朗
2 二大石第二朗 左新井宏昌[注 1]中新井宏昌一新井宏昌中新井宏昌中新井宏昌
3 左新井宏昌 指ブライアント左ブライアント左ブライアント左ブライアント左ブライアント
4 指ブライアント 三リベラ三リベラ三リベラ一リベラ一リベラ
5 右鈴木貴久 一羽田耕一[注 2]一羽田耕一指栗橋茂指淡口憲治指中谷忠己
6 一ドッドソン 右鈴木貴久右鈴木貴久中鈴木貴久右鈴木貴久右鈴木貴久
7 中村上隆行 中村上隆行[注 3]捕古久保健二右淡口憲治[注 4]三金村義明三金村義明
8 捕山下和彦 捕山下和彦指中谷忠己捕古久保健二捕古久保健二捕山下和彦
9 三安達俊也 遊安達俊也遊真喜志康永遊安達俊也遊真喜志康永遊米崎薫臣
投阿波野秀幸投小野和義投石本貴昭投阿波野秀幸投小野和義投山崎慎太郎

[3]

1989年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 オリックス-- オリックス-- オリックス-- オリックス-- 近鉄-- 西武-- 近鉄--
2位 近鉄3.0近鉄4.5近鉄8.5近鉄4.0オリックス2.0オリックス1.5オリックス0.0
3位 ダイエー5.5日本ハム5.5日本ハム9.5西武8.0西武2.5近鉄2.5西武0.5
4位 日本ハムダイエー7.5西武10.0日本ハム10.0日本ハム11.5ダイエー13.5ダイエー11.0
5位 西武6.5西武8.5ロッテ11.5ロッテ13.5ダイエー12.5日本ハム17.5日本ハム18.0
6位 ロッテ6.5ロッテ10.0ダイエー14.5ダイエー15.5ロッテ16.5ロッテ22.0ロッテ21.5
期間
成績
10勝7敗1分
勝率.588
9勝9敗2分
勝率.500
8勝10敗1分
勝率.444
14勝6敗1分
勝率.700
14勝8敗
勝率.636
8勝9敗
勝率.471
8勝5敗
勝率.615

[4][5][6][7][8][9]

1989年パシフィック・リーグ最終成績
順位球団勝敗分勝率差
1位近鉄バファローズ71545 .568優勝
2位オリックス・ブレーブス72553 .5670.0
3位西武ライオンズ69538 .5660.5
4位福岡ダイエーホークス59647 .48011.0
5位日本ハムファイターズ54733 .42518.0
6位ロッテオリオンズ48748 .39321.5

[2]

日本シリーズ

1989年 日本シリーズ
日付試合ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
10月21日(土)第1戦読売ジャイアンツ3 - 4近鉄バファローズ藤井寺球場
10月22日(日)第2戦読売ジャイアンツ3 - 6近鉄バファローズ
10月23日(月)移動日
10月24日(火)第3戦近鉄バファローズ3 - 0読売ジャイアンツ東京ドーム
10月25日(水)第4戦近鉄バファローズ0 - 5読売ジャイアンツ
10月26日(木)第5戦近鉄バファローズ1 - 6読売ジャイアンツ
10月27日(金)移動日
10月28日(土)第6戦読売ジャイアンツ3 - 1近鉄バファローズ藤井寺球場
10月29日(日)第7戦読売ジャイアンツ8 - 5近鉄バファローズ
優勝:読売ジャイアンツ(8年ぶり17回目)

[1]

オールスターゲーム1989

  • 選出選手及びスタッフ
ポジション名前選出回数
コーチ仰木彬
投手阿波野秀幸3
小野和義4
二塁手大石第二朗7
外野手新井宏昌3
  • 太字はファン投票による選出。

個人成績

投手成績

  • 色付きは規定投球回数(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手登

板
先

発
完

投
完

封
無
四
球
勝

利
敗

戦
セ
丨
ブ
打

者
投
球
回
被
安
打
被
本
塁
打
与
四
球
与
死
球
奪
三
振
暴

投
ボ
丨
ク
失

点
自
責
点
防
御
率
W
H
I
P
 
/阿波野秀幸292821501981955235.2187258041834075712.711.13
/小野和義252413101291744180.1167235911492082683.391.25
/山崎慎太郎26255109101710165.017417695900085693.761.47
/加藤哲郎241321072141694.09811493615041403.831.56
/吉井理人470000552035884.1778373442028282.991.35
/佐藤秀明47000073433981.2894202340038333.641.34
/高柳出己161511035029867.18213243391044425.611.57
/村田辰美141300046030067.18112274250043415.481.60
/佐々木修20100012019243.15810142180030275.611.66
/池上誠一20400030017639.2424201330018163.631.56
/石本貴昭14600013014730.2387210121025236.751.92
/木下文信21000000013129.2223212320013123.641.45
/山田真実1000000006716.018241600763.381.38
/山村達也600000005311.013380120012129.821.91
/谷崎浩二400000005410.21321007001386.752.16
/赤堀元之91000010357.09060210433.862.14

打撃成績

  • 色付きは規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手試

合
打

席
打

数
得

点
安

打
二
塁
打
三
塁
打
本
塁
打
塁

打
打

点
盗

塁
盗
塁
死
犠

打
犠

飛
四

球
敬

遠
死

球
三

振
併
殺
打
打

率
出
塁
率
長
打
率
O
P
S
 
/ブライアント12956849491140230493101215200681761876.283.377.6281.004
/リベラ123523473701231802521679410441156911.260.323.457.780
/新井宏昌12452144464134252718447623134013228.302.361.414.776
/大石第二朗109471401701112218159331442104811464.277.356.397.752
/鈴木貴久11845241250118151201955713133214646.286.341.473.815
/山下和彦1133392823974201611435122122925735.262.340.404.744
/真喜志康永1133372953575143711630231812201375.254.307.393.700
/金村義明8128824432557078330021212902686.225.312.340.652
/淡口憲治8923421416491013702721011900261.229.291.327.618
/羽田耕一771811562040921561711022300313.256.348.359.707
/村上隆行5017516024491135812520021300325.306.354.506.861
/安達俊也881591272026421379221501502220.205.299.291.590
/中根仁5915714425345010692121301000443.236.286.479.765
/古久保健二6512010510183022760041901273.171.241.257.499
/中谷忠己46117106112990141130001911191.274.333.387.720
/栗橋茂539075314402241303011311151.187.311.320.631
/米崎薫臣3279698144022461040600130.203.267.348.614
/後関昌彦4278711153012150030400152.211.253.296.549
/ドッドソン621161510061000040140.313.476.375.851
/谷真一413101100011001020040.100.250.100.350
/光山英和1412120410050000000040.333.333.417.750
/吉田剛49111112200020200000041.182.182.182.364
/中村良二910102321074000000040.300.300.7001.000
/加藤正樹6421000000000020020.000.500.000.500
/尾上旭1220100010000000000.500.500.5001.000
/金沢信彦1220000000000000000.000.000.000.000
/野林大樹2110000000000000010.000.000.000.000

できごと

4月

  • 4月12日 - ハーマン・リベラ内野手の獲得を発表。
  • 4月13日 - 栗橋茂がダイエー戦で通算1500試合出場を達成。

5月

  • 5月16日 - 村上隆行がロッテ戦で本塁突入時に袴田英利捕手と激突して左鎖骨骨折で全治1ヵ月。

6月

  • 6月7日 - 大石第二朗がダイエー戦で通算1000本安打を達成。
  • 6月21日 - ブライアントがロッテ戦で22試合連続三振のリーグタイ記録。

7月

  • 7月16日 - 大石第二朗がオリックス戦で通算1000試合出場を達成。

8月

  • 8月5日 - 羽田耕一が西武戦で通算1500安打を達成。
  • 8月16日 - リベラがオリックス戦で関口朋幸投手からの死球に対しての暴行で退場処分。
  • 8月17日 - ブライアントがオリックス戦でシーズン3回目の1試合3本塁打。

9月

  • 9月27日 - 藤井寺球場での西武戦を地元ラジオ局中継時に「25分後に球場を爆破する」という電波ジャックが発生。

10月

  • 10月5日 - 佐伯勇オーナーが肝不全のため死去。
  • 10月12日 - 首位・西武とのダブルヘッダーで、ブライアントが第1試合に3本、第2試合でも四球を挟んでの4打数連続本塁打を放って連勝するとマジック2が点灯。
  • 10月14日 - ダイエー戦に勝利して9年ぶり3回目の優勝。

選手・スタッフ

[10]

表彰選手

リーグ・リーダー
選手名タイトル成績回数
ブライアント 最優秀選手初受賞
本塁打王49本初受賞
阿波野秀幸 最多勝利19勝初受賞
最多奪三振183個初受賞
ベストナイン
選手名ポジション回数
阿波野秀幸投手初受賞
山下和彦捕手初受賞
ブライアント外野手初受賞
ゴールデングラブ賞
選手名ポジション回数
阿波野秀幸投手初受賞

ドラフト

順位選手名守備所属結果
1位 野茂英雄投手新日本製鐵堺入団
2位 畑山俊二外野手住友金属入団
3位 石井浩郎内野手プリンスホテル入団
4位 藤立次郎外野手天理高入団
5位 平江巌外野手愛知・成章高入団
6位 入来智投手三菱自動車水島入団

脚注

注釈

  1. スタメン発表時は中堅手。
  2. 偵察メンバーの山崎慎太郎(左翼手)と交代。
  3. 偵察メンバーの赤堀元之(一塁手)と交代。
  4. 偵察メンバーの赤堀元之と交代。

出典

  1. “1989年度 日本シリーズ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  2. “年度別成績 1989年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年6月4日閲覧。
  3. 『日本プロ野球記録年鑑 ベースボール・レコード・ブック1990』ベースボール・マガジン社、1989年。ISBN 4-583-02810-5。
  4. 『読売新聞』1989年5月1日付朝刊、14版、19面
  5. 『読売新聞』1989年6月1日付朝刊、14版、19面
  6. 『読売新聞』1989年7月1日付朝刊、14版、19面
  7. 『読売新聞』1989年7月31日付朝刊、14版、19面
  8. 『読売新聞』1989年9月1日付朝刊、14版、19面
  9. 『読売新聞』1989年10月1日付朝刊、14版、19面
  10. LEGEND OF Bs 2012 ~劇的、激動の80's~オリックス・バファローズ公式HP
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