土合駅

土合駅(どあいえき)は、群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)上越線である。

土合駅
駅舎(2022年5月)
どあい
Doai
湯檜曽 (6.6 km)
(10.8 km) 土樽*
地図
群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽218-2
北緯36度49分52.9秒 東経138度58分1.6秒
(上り)
北緯36度49分51.2秒 東経138度57分50.2秒
(下り)
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 上越線
キロ程 69.3 km(高崎起点)
電報略号 トイ
駅構造 地上駅(上り線)、地下駅(下り線)
ホーム 計2面2線(上下別)
乗車人員
-統計年度-
19人/日(降車客含まず)
-2013年-
開業年月日 1936年昭和11年)12月19日**[1]
備考 無人駅 (乗車駅証明書発行機 有)
* この間に高崎支社新潟支社境界あり(当駅から湯檜曽寄りは高崎支社管内)。
** 1931年昭和6年)9月1日に信号場として開設。

概要

群馬県内の普通鉄道の駅としては最北端に位置する。当駅までが高崎支社管轄であり、上り線の清水トンネルの出口付近に新潟支社との境界が設置されている。当駅に停車する普通列車は新潟支社の担当で、高崎支社の担当は、隣の湯檜曽駅とともに施設管理のみとなっている。

下り線ホームは新清水トンネル内にあり、地上の駅舎から階段を10分ほどかけて下りないと到達できないことから、「日本一のモグラ」として親しまれている。「関東の駅百選」認定駅の1つ。

歴史

1935年1月の例では、下りだけでも4本の定期列車が臨時停車していたほか、3本の臨時スキー列車が停車していた[2]

駅構造

土合駅の乗車駅証明書発行機

山間部にあり、上り線が地上駅、下り線が地下駅となっている。平常時は無人駅で常駐する駅員はおらず、自動券売機も設置されていないため、旧改札口のところに乗車駅証明書発行機が設置されている。なお、臨時列車の運転時には、管理駅である水上駅から駅員が派遣されて臨時窓口が設けられることもある。駅舎内には待合室がある。トイレは改札外に1か所ある(下り線ホームのトイレは使用停止)[9]

駅舎は山小屋をイメージしたデザインで、1968年10月に完成した[3]。外壁には新清水トンネル掘削時に出てきた石英閃緑岩が使われている[3]

2020年2月12日から3月22日にかけて、JR東日本とJR東日本スタートアップによるグランピング場施設「DOAI VILLAGE」の実証実験が行われ[報道 1]、同年8月8日にかつての駅務室に喫茶「mogura」がオープンし[報道 2]、同年11月14日の「DOAI VILLAGE」の開業をもってグランドオープンした[報道 3]

当駅待合室内では、寝泊まり(STB)をする登山客らが食事用にガスコンロなどを使用する事例が相次ぎ、2016年4月には待合室が一時閉鎖された[新聞 1]。その後再開放されているが、定期的にJR職員や警察が巡回を行っている。

当駅最大の特徴は、上下のホーム間が大きく離れていることである。これは、上越線の複線化の際に下りホームを地下70 m新清水トンネル内に設置したことによるもので、上りホームや駅舎のある地上と下りホームの間には81 mもの高低差がある。下りホームから駅舎に行くには、ほぼ一直線に伸びる462段の階段(長さ338 m)を上り、次いで湯檜曽川国道291号を跨ぐ143 mの連絡通路に設けられた計24段の階段を上る必要がある。改札口から下りホームまでは徒歩10分程度を要するため、駅員が配置されていた時代には、下り列車については改札が発車10分前に打ちきられ、市販の時刻表にもその旨が記載されていた。階段の中間部付近にはベンチが設置されている。462段の階段横にはエスカレーターの設置スペースが確保されている[新聞 2]が、現在まで設置の予定はない。

下りホームは単式1面1線の構造である。かつては通過線(本線)と副本線が設けられており、副本線にホームが設置されていたが、2008年5月から10月にかけてホーム改良工事が行われ、ホームが副本線から本線へと移され、同時に嵩上げが行われた[注釈 1]。なお、この工事では旧副本線部分は完全に埋められておらず、却ってホーム幅は狭くなったほか、実質的なホーム有効長は6両分に短縮されている。待合室は旧ホーム側に設置されている。かつてはトイレも旧ホーム側に設置されていたが、2022年12月1日に閉鎖された[9]。このほか、年間を通じて気温が15℃程度とほぼ一定であることから、2020年からは元運転事務室だった部屋を利用し、みなかみ町のクラフトビール製造者「OCTONE Brewing」と提携してビールの熟成を行っている[10]

上りホームは単式1面1線で、駅舎に面する地上部にある。かつては上下で1本のホームを共用する島式ホームだったが、複線化の際に旧下りホームは待避線となり、優等列車の通過待ちに使われた[11]。その後、駅舎側の線路が撤去され1面1線となっている。ホームは駅舎に近い4両分のみが嵩上げされており、それ以外の部分は通常使用されていない。

のりば

番線路線方向行先備考
1 上越線 下り 越後湯沢小出長岡新潟方面 地下ホーム
2 上り 水上高崎大宮上野方面 地上ホーム

(出典:JR東日本:駅構内図

利用状況

群馬県統計年鑑公式サイトによると、1日の平均乗車人員は以下の通りである[12]

年度一日平均
乗車人員
2000年21
2001年21
2002年19
2003年18
2004年22
2005年18
2006年16
2007年16
2008年17
2009年14
2010年24
2011年22
2012年20
2013年19

夏季や秋季には谷川岳などへの登山客を中心として一定数の利用客がある。また、下り地下ホームを目当てに訪れる観光客も増えている[新聞 3]

かつては多くのハイカー達による乗降客で賑わった時期もある。例えば1960年の谷川岳山開きの日には、上野駅発の夜行列車から降りる客でホームが埋め尽くされ[13]、改札口には長い行列ができる混雑ぶりだった[新聞 3]。下り地下ホーム完成当時、工事関係者が「谷川岳に登るのに、これぐらいの階段で疲れるようじゃだめだろう」と語り[新聞 4]、登山客の一部がウォーミングアップとして階段を駆け上がる競争を行なっていたこともある[新聞 3]2001年頃までは、ゴールデンウィーク時期に新宿駅発当駅着の臨時夜行快速が運行されていた。

しかし、1982年上越新幹線開業や1985年関越自動車道開通の影響を受けて乗降客が減少したことにより、1985年3月から無人駅化した[新聞 3]

現在、関越自動車道の水上インターチェンジが車で20分程度の距離にあることや、この区間の定期普通列車の本数が少ないこと、またこの付近で最も主要な観光ポイントである谷川岳ロープウェイの駅まで若干の距離があることなどから、ハイカーや登山客は自家用車か、水上駅上毛高原駅から谷川岳ロープウェイまでの路線バス(旅客列車より本数が多い)を利用することが多く、あえて当駅を利用する人は少なくなっている。

駅周辺

駅前のバス停

駅前を通る国道291号県境清水峠付近が車両通行不能(点線国道)となっているため、ここから車で直接、新潟県方面に行くことはできない。

その他

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
上越線
湯檜曽駅 - 土合駅 - 土樽駅

脚注

注釈

  1. 同様の工事は隣の土樽駅でも行われた。

出典

  1. 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、452頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
  2. 「スキー列車増発」『東京朝日新聞』昭和10年1月11日2面
  3. 「43年度 鉄道建築協会賞受賞作⑤ 土合駅本屋」『交通新聞』交通協力会、1968年11月29日、1面。
  4. 「上越線26日から開通」『交通新聞』交通協力会、1975年5月17日、2面。
  5. 「上越 日豊両線に土砂崩壊」『交通新聞』交通協力会、1975年4月16日、2面。
  6. 「出水つづき 上越線の復旧難航」『交通新聞』交通協力会、1975年4月20日、3面。
  7. 「上越線 待望の運転再開」『交通新聞』交通協力会、1975年5月27日、2面。
  8. 土木学会関東支部 悠悠・土木 / 土木遺産 / JR上越線清水トンネル関連施設群”. www.jsce.or.jp. 2022年6月9日閲覧。
  9. 日本一のモグラ駅「土合駅」で地下トイレ使えない 地上まで462段の階段が...”. J-CASTトレンド (2023年2月7日). 2023年6月19日閲覧。
  10. 日本一のモグラ駅・土合駅のホームでビールを熟成!? 秘境駅での個性的すぎる取り組みについて話を聞いた - ねとらぼ・2022年10月25日
  11. 『国鉄全線各駅停車6 中央・上信越440駅』
  12. 群馬県統計年鑑”. 群馬県企画部統計課企画普及係. 2017年10月15日閲覧。データ提供元の都合により、平成26年度数値より、無人駅の数値の公表を行わなくなったため、2014年以降のデータはない。
  13. 山と渓谷編集部 「昭和東京周辺の山を振り返る」『山と渓谷』2018年11月号 p46
  14. https://twitter.com/sousenkyo6/status/1521082646381891584”. Twitter. 2022年5月4日閲覧。

報道発表資料

  1. JR東日本エリア初!無人駅にグランピング施設が誕生! 上越線土合駅を活用した地域活性化実証実験開始』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道/JR東日本スタートアップ/VILLAGE INC、2020年1月20日。 オリジナルの2020年2月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200215171807/https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200120_ho01.pdf2020年2月15日閲覧
  2. 「日本一のモグラ駅」上越線土合駅を活用した 無人駅グランピング施設「DOAI VILLAGE」いよいよ本格稼働 駅舎内喫茶「mogura」先行 OPEN!』(PDF)(プレスリリース)JR東日本スタートアップ/VILLAGE INC、2020年8月6日。 オリジナルの2020年8月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200808013916/https://jrestartup.co.jp/wp-content/uploads/2020/08/HP%E7%94%A8-2.pdf2020年8月11日閲覧
  3. 「日本一のモグラ駅」に無人駅グランピング施設が誕生 「DOAI VILLAGE」グランドオープン!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道高崎支社/JR東日本スタートアップ/VILLAGE INC、2020年10月23日。 オリジナルの2020年10月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201026065018/https://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20201023-01info.pdf2020年10月26日閲覧

新聞記事

関連項目

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.