日本の地理

日本の地理(にほんのちり)では、日本地理についての概略を記す。

日本は、極東そして東アジアの沿岸沖に位置し、14,125ので構成される島国である。[注 1]
島国すなわち領土がすべて島から成る国である日本で[4]、最大の島である本州[5]、世界の島の中では面積が第7位である[注 2](*) 写真は日本列島
【参考】 極東・沿海部の島々。衛星画像 左から(北から)順に主なもの
コマンドルスキー諸島千島列島樺太島日本列島南西諸島台湾フィリピン諸島ボルネオ島スラウェシ島[注 3]Photo by NASA's Blue Marble project (*) 左端はカムチャツカ半島

概略

日本は、島国すなわち領土がすべてから成る国である[4][5][6]

日本の領土は、日本列島本州北海道九州四国などが主たる)を中心に、南に延びる伊豆小笠原諸島、南西に延びる南西諸島沖縄本島が最大の)、そして北東に位置する北方領土と、14,125から成っている[注 1][注 4]。その中で、日本列島は広いところで300km程度の幅があり、長さは3500km程ある[7]

地理学上の分類ではないが、国土交通省は、日本を構成する14,125に「本土」と「離島」の2つの区分けを設けている。すなわち、北海道本州四国九州沖縄本島5島を「本土」、これら5島を除く14,120島を「離島」としている[注 1][注 2]

上記の日本の島の数は、令和5年2月28日国土地理院が発表したものである[8][9]。「島」として数えたのは「法令等に基づく島のほか、地図に描画された陸地のうち自然に形成されたと判断した周囲長0.1km以上の陸地」とした。海上保安庁昭和62年に発表した「6,852島」を大きく上回るが、国土地理院は「測量技術の進歩による地図表現の詳細化が大きく影響している」と述べている。

島国である日本は、ユーラシア大陸東端の極東東アジアの沿岸沖、また太平洋北西の沿海部に位置し、全体として弧状列島を形成している。

この弓状の日本の国土は、総面積が約37.8万km2世界第62位である。[10] その約70%が山岳地帯で、その約67%が森林である(国土面積は日本政府が領有権を主張する領域)。

日本は島国であるとともに、国土の約73%を山地が占める山国でもある。そのため日本の河川は流路延長に比し川床勾配が急で、大陸を流れる川と違い一気に流れ下る川が多い。しかも多雨地帯にある。したがって侵食力が強く山地では深いV字谷を、盆地平野など山地からの出口には扇状地を発達させていることが多い。また河口付近には厚い堆積層からなる平野を形成している。中部地方から東北地方にかけては河岸段丘を発達させていることが多い。

世界的な地理学はヨーロッパ大陸アメリカ大陸などを模式地として研究が進められてきた。そのため日本の実情と合わないこともある。たとえば台地もそのひとつである。日本で言う台地は扇状地や浅い海底が隆起したものであって洪積台地と分類されるものが大半を占めている。この詳細は台地を参照のこと。

日本周辺の海はひとつに繋がっているが、東側および南側が太平洋(ただし、日本ではほとんど用いないが、小笠原諸島以西の太平洋はフィリピン海と呼ぶのが世界的には普通である。)、北西側が日本海、西側が東シナ海、北東側がオホーツク海と呼ばれている。本州四国の間の海は特に瀬戸内海と呼ばれており、多数の島々が点在する。海流について見てみると、日本列島の南側を黒潮(日本海流)と呼ばれる暖かい海流が流れている。北からやってくる親潮(千島海流)と三陸沖から常磐沖でぶつかって好漁場をつくっている。一方、黒潮の分流である対馬海流対馬海峡から日本海に流れ込んでいる。

日本の気候は、列島の中央を縦走する山岳地帯を境に太平洋に面している地域と日本海に面している地域とで大きく異なる。北海道と本州の高原地帯が亜寒帯、南西諸島の一部は熱帯、それ以外の地域は温帯に属しているが、南北で気温差が大きい。

は、冷たい北西季節風が強く、日本海側はが多い。一方の太平洋側は、晴天に恵まれて空気の乾いた状態が続く。 気温の変化は次第に北上していき、冬から春、春から夏へと移り変わる。 長雨の時期である梅雨の後、晴れが多く高温多湿の夏を迎える。8月後半の残暑と入れ替わりに、秋雨台風の季節を迎える。

社会的な日本の区分や、生活に関する地域分類については、日本の地域を参照のこと。

位置

日本列島と周辺の地形図

アジアユーラシア大陸)の東方(欧米から見れば極東)の沿海部にある4つの弧状列島千島列島日本列島琉球列島伊豆小笠原諸島)から成り立っていて、太平洋の西部にある島国である。日本海を挟んでロシア朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、大韓民国(韓国)と隣り合っている。東シナ海を挟んでは中華人民共和国(中国)および中華民国(台湾)と隣り合っている。また、南側で太平洋フィリピン海〉を隔てて米領北マリアナ諸島と隣り合っている。

日本の周辺は全てであり、島国である。そのため他国と陸上において接していない。周辺は海であるが、樺太が日本本土から43キロメートル[11] の位置にあり、ロシアが日本から一番近い他国の領土である[11]

経度と緯度から見た位置
日本の端を緯度経度によって示す。
最東端
東京都 南鳥島北緯24度16分59秒 東経153度59分11秒
最西端
沖縄県 トゥイシ[12]北緯24度27分05秒 東経122度55分57秒[13]
  • 最西端は長らく与那国島西崎(いりざき)とされてきたが、2019年に基本図とされる国土地理院の2万5千分の1地形図が改訂され、与那国島の北北西約260mに位置するトゥイシが日本最西端の地点となった[12][13]
最南端
東京都 沖ノ鳥島北緯20度25分31秒 東経136度4分11秒
最北端
北海道 択捉島カモイワッカ岬北緯45度33分28秒 東経148度45分14秒
周辺の海洋
排他的経済水域については韓国、中国および台湾、ロシアと係争がある。
海外領土・自治領
現在の日本にはいわゆる海外領土自治領は存在しない。

面積

日本列島の地形と海底地形図
  • 領土 :377,973.89 km2 [10][15]
    • 土 :87.93099%
    • 海 :12.06901%
他地域との広さの比較
モンタナ州より僅かに狭い。ヨーロッパの国なら属領を含むノルウェーよりも狭く、ドイツより僅かに広い。アジアの国々と比べるとウズベキスタンイラクよりもやや狭く、マレーシアベトナムよりは広い。アフリカの国々ではジンバブエより狭くコンゴ共和国よりは若干広い。

人口

日本では、人口の5割が国土の14%ほどの平野に集中している。また、特に東京都大阪市名古屋市を中心とする地域(三大都市圏)に日本の人口の5割弱が集中している。このような人口の差により、過疎化過密化といった問題が発生している。

また人口の変動においては、現在増加から減少に転じている大きな転換期にあり、「人口減少社会」が政治的・社会的に問題になりつつある。世代別では、第二次世界大戦後2回のベビーブームに生まれた世代が突出して多いほか、世界的に見ても65歳以上の高齢者の割合が高い(高齢化)。また出生率は低く、世界的に見ても15歳以下の年少人口の割合が低い(少子化)。

  • 総計 : 126,925,843 人
  •  : 62,110,764 人
  •  : 64,815,079 人

地勢

主要地形

山地が73%を占める。山間部に規模の小さな盆地が、沿海部に小規模な平野が広がっており、狭い平野や盆地に人口、耕地、都市機能、経済機能などが集中している。特に太平洋ベルト地帯には前述の都市機能や経済基盤などが集中している。そのため地政学的リスクが高く、1970年代から集中する機能を分散させる計画が持ち上がったが、未だに実行段階には達していない。ただし企業が本社を地方都市に移すなど、一部に分散の動きがある。

最低点と最高点

  • 最低点 :八戸鉱山 標高 約-160 m(地上の最低点)(露天掘り鉱山であり地形が変わる可能性が高いため概数)
  • 最高点 :富士山剣ヶ峰) 標高 3,776 m

河川と湖

  • 最も長い川 : 信濃川 - 367 km
  • 最も流域面積の広い川 : 利根川 - 16,829 km2
  • 最も広い湖 : 琵琶湖 - 670.33 km2
  • 最も周囲長の長い湖 : 霞ヶ浦 - 249.5 km
  • 最も深い湖 : 田沢湖 - 423.0 m
  • 最も水面標高の高い湖 : 中禅寺湖 - 標高1,269 m(人造湖を含まずかつ4 km2以上のものの中で)

土地利用

土地利用の内訳(2012年)

  森林 (66.3%)
  農用地 (12.0%)
  宅地 (5.0%)
  道路 (3.6%)
  水面・河川・水路 (3.5%)
  原野等 (0.9%)
  その他 (8.6%)

国土に占める森林面積の割合は、先進国かつミニ国家ではない一定以上の面積を持つ国の中ではかなり高く、他に7割前後を占めるのはスウェーデンフィンランドなど数少ない。これは農地や宅地などに利用できない険しい山岳地帯が多いことも示しており、土地利用や都市計画などにおける制限は多い。森林率は確かな統計がある20世紀中盤以降、ほぼ横ばいで推移している。

総面積 約37万8千 km2 の利用内訳 総務省統計局 国土の利用状況 による。
(以上2012年の調査による)
  • 民有地:162,549km2
    • うち宅地 : 15,858km2 (9.76%)
    • うち田 : 27,276km2 (16.72%)
    • うち畑 : 24,962km2 (15.36%)
    • うち山林 : 78,777km2 (48.46%)
  • 自然公園面積 : 53,692.32km2
  • 都市公園面積 : 998.41km2
(以上2003年の調査による)

灌漑面積

27,820 km21993年の調査による)

日本近海海底地形図と日本列島

日本周辺の海はひとつに繋がっているが、東側および南側が太平洋、西北側が日本海、西側が東シナ海、北東側がオホーツク海である。世界的には伊豆諸島および小笠原諸島南西諸島とに挟まれた海域はフィリピン海と呼称されるが、日本ではこの呼称は浸透していない。日本政府の公文書においても太平洋とされている。本州四国に挟まれた海域は瀬戸内海と呼ばれている。

日本列島の南側を黒潮日本海流)と呼ばれる暖かい海流が流れている。北からやってくる親潮千島海流)が三陸沖から常磐沖でぶつかって好漁場をつくっている(潮目)。一方、黒潮の分流が対馬海峡から日本海南部〜東部に流れ込んでいる。これが対馬海流である。対馬海流は津軽海峡および宗谷海峡から太平洋に抜けているのだが、日本海側の気候に大きな影響を与えている。このほかには、間宮海峡から日本海北部にリマン海流が流れ込んでいる。

天然資源・主な産出物

「鉱物の博物館」と形容されるほど大抵の鉱物を産出するが、商業化するには規模が小さく採算性に劣るものがほとんどである。ただしコンクリート鉄鉱石精錬するのに必要なな石灰石は国内の需要以上を現在も産出し続けており、またヨウ素は世界でも有数の産出量を誇る。また日本では石油は採れないという認識が広く伝わっているが、日本海沿岸にはまとまった量の石油が埋蔵されて居り、盛んに採掘が行われた。しかし数十年前に採掘できる石油のほとんどを採り尽くしてしまい現在ではほとんどの地域で採算が取れない為、採掘が中止されているが、一部ではごく小規模な油田から地上に時々湧出する採掘できない原油は農産物などに被害をもたらし厄介者扱いされている。2003年度現在、液化石油ガスは、国内の需要の約33%。天然ガスは国内の需要の約3.5%を産出している。

古くは全国各地でが産出され貨幣や物品、建造物などに使用されていた。これはマルコ・ポーロが、日本を「黄金の国 ジパング」と書き記したゆえんとも言われているが、江戸時代から明治時代にかけて海外に大量に流出し、現在ではそのほとんどがなくなっている。また、なども金の場合と同様現在ではほとんど払底している。しかし鉄を主とする金属精錬・加工の技術は現在も高水準を保ち続けており、輸入される金属資源によってそれらの技術が生かされている[注 5]

海底資源に関しては金属鉱物はもとよりメタンハイドレート天然ガスなどが大量に埋蔵されていることが確認されている。また、レアメタルに含まれる希少金属の埋蔵も確認されている。

農産物では、(主食用自給率100%、その他95%。2007年)を別としてほとんどの品目の自給率が100%を割っており、輸入なくして日本の食糧需要を賄うことは困難な状況である。

気候

日本の気候は、

  1. 島嶼であるため、全般に気温変化が穏やかで降水量が多い海洋性気候を呈する。
  2. 国土が長大であるため、南北で気温に大きな違いがある。
  3. 列島の中央を縦走する山岳地帯を境にして、太平洋に面している地域(太平洋側)と日本海に面している地域(日本海側)とで天候が大きく異なる。
  4. 中緯度の大陸東岸に位置するため、季節風(モンスーン)の影響を強く受ける。

という4つの大きな性質がある。

大陸であれば乾燥帯に入る中緯度に位置するが、島嶼であるため湿潤な海洋性気団の影響を受けやすく、降水量は概ね年間1,000mm以上であり、北陸東海紀伊半島四国南九州の外海沿岸部では2,000mmを超え、紀伊半島南東部では4,000mm近いところがある。また、暖流である黒潮対馬海流、寒流である親潮が天候に影響を与える地域がある。

北海道本州の山岳地帯の一部は亜寒帯、本州の大部分・九州四国南西諸島の北部は温帯火山列島南鳥島沖ノ鳥島八重山列島多良間島沖大東島熱帯に属する。なお、温帯の中でも小笠原諸島伊豆諸島・南西諸島北部・南九州などは亜熱帯と称される場合もある。年平均気温は札幌9℃、東京16℃、那覇22℃である。

典型的に用いられる大まかな気候区分では、北海道と本州の日本海側は日本海側気候とされ、冬季の雪と夏季に時折フェーン現象による高温が起こるのが特徴。北海道から九州にかけての太平洋側は太平洋岸気候とされ、夏期に降水量が多く冬季に晴天となるのが特徴。西日本の瀬戸内海沿岸は瀬戸内海式気候、本州の内陸部は中央高地気候で、それぞれ降水量が年間を通して少なく、中央高地式気候では更に気温変化が大きいのが特徴である。

は、シベリア高気圧からの冷たく乾いた北西季節風が強く吹く。この季節風は、日本海を流れる温暖な対馬海流により湿った風に変質して雪雲を生じ、それが山岳地帯にぶつかる日本海側の地域は曇りの日が多い。新潟県北陸地方の山間部は毎年2 - 3mの積雪があり、世界的な豪雪地帯として知られている。一方で雨蔭となる太平洋側は、晴天に恵まれるが「からっ風」と呼ばれる強風が吹き、空気の乾いた状態が続く。また時々、強い低気圧により荒天に見舞われることがある。

およびは、季節風の影響が弱く、移動性の高気圧や低気圧によって、周期的に天気が移り変わる。春一番木枯らしなどに特徴づけられるように、低気圧や前線の通過に伴って季節の波が何度となく訪れ、寒暖晴雨を繰り返しながら徐々に季節が変わってゆく。

初夏から盛夏への過渡期には、梅雨前線と呼ばれる停滞前線の影響で南から順に「梅雨」と呼ばれる雨季が始まる(梅雨入り)。梅雨の時期は概ねしとしととした長雨が続き、時折まとまった大雨も起こりつつ、5月下旬から7月下旬にかけて1ヶ月半程度続く。なお、伊豆・小笠原と北海道では曇天が続く場合があるが長続きせず、梅雨はない。

梅雨が終わる(梅雨明け)と、本格的なとなる。高温湿潤な太平洋高気圧によって安定した晴れが続く。例年7月中旬から9月上旬の晴天時には、内陸を中心に気温が上昇して広範囲で30℃を超える上、湿度も70%以上と高い。しばしば「高温多湿」と表現されるその暑さは、乾燥しているインドや中近東での摂氏30度よりも体感温度不快指数が高く、体力を消耗させる。また、晴天の日でも夕方以降は、しばしば夕立と呼ばれる夏特有のを伴うにわか雨が降る。北海道や東北は比較的寒冷だが、夏の暑さと適度な雨が水稲作を可能にしており、品種改良の寄与もあって20世紀終盤からいわゆる「米どころ」となっているが、数年に一度のやませや長梅雨による冷夏の年には、冷害により稲が不作となる。

盛夏から初秋にかけての期間には、北日本東日本を中心に「秋雨」と呼ばれる間欠的な雨期となる。また同時期に、本土では台風の襲来が増加する。なお、南西諸島では6月から10月頃まで長期間台風の襲来が多い。

日本家屋と呼ばれるような日本の伝統的な住宅は、夏の高温多湿や台風に適応するため、部屋をで仕切らず風通しを良くして涼を呼ぶようにつくられている。(ふすま)や障子という取り外し可能な建具を用い、床を高くしてを敷いた床にしたのもこのような気候に対処するための工夫と考えられている。しかし、1960-70年代の高度経済成長期を境に伝統的な住宅は急減し、新築の建築物は壁とで構成されるものが圧倒的で、鉄筋コンクリート構造のものも多くなっている。加えて、住宅やオフィスで冷暖房を行った気密性の高い部屋に暮らすようになり、特に都市ではそれが当たり前になっている。こういった住宅環境の変化と都市の高密度化により、大都市や近郊ではヒートアイランド現象が発生していて、冬季の温暖化が顕著であるほか、夏の気温押し上げが問題となっている。

自然

日本付近はプレートテクトニクスの考え方によればユーラシアプレート北アメリカプレート太平洋プレートフィリピン海プレートの4つのプレートがせめぎ合う境界域にあたり、造山活動が活発な新期造山帯環太平洋造山帯)に含まれている。表土は最も古い岐阜県・長野県付近でも約2億4000万年前のもので、地質学的に見ても新しい地層である。

そのため火山の噴火が各地で度々発生するとともに、マグニチュード7から8クラスの地震を周期的に経験している。マグニチュード4クラスの地震に限って見てみるとほぼ毎日と言えるほど頻繁に発生していて、「地震大国」といえる。またプレートの動きに伴い、国土全体を縦横に活断層が走っており、都市を大地震が直撃することも多い。

しかし火山地帯であるがために温泉に恵まれていて、それらは大抵著名な行楽地となっていて国立公園国定公園に指定されている。国土全体が火山の噴火や大陸移動、堆積作用などの活動で形成されたため険しい山地が多く、河川も短いため、各地で土砂災害が起こりやすい。

日本で多い災害

  • 火山の噴火
  • 地震津波
  • 熱帯低気圧台風(6月〜10月)
  • 洪水や土砂災害などの水害(梅雨や秋雨、台風のほか、夏の集中豪雨の際に発生する)
  • 雪害(主に本州の日本海側)
  • 冷害(数年に一度、夏の北日本で発生する)

環境

日本は、四季の変化によって多彩な生物や自然に恵まれている。特に生物相の豊富さは優れており、多くの分類群において日本の種数はヨーロッパ全土や北アメリカより多い。たとえばシダ植物は日本に630種あり、これはヨーロッパ(152)やアメリカ合衆国とカナダ(406)よりはるかに多く、熱帯域にあるタイ、インドシナ三国にほぼ匹敵する。

高度経済成長期以降の食卓の変化や海外の農産品の輸入問題などさまざまな要因により、20世紀後半に農林水産業が急激に変化した。林業衰退による人工林の放置、環境変化や乱獲・密漁などによる漁業資源の減少などが大きな問題となっている。

生態系においても、明治時代以降外来種による生態系の変化が起こり、トキニホンオオカミの絶滅に代表されるような生物多様性の低下が起こっている。また、ニホンザルイノシシが市街地に出没するなど人間の生活への影響も出ている。

環境問題

  • 自動車の排気ガスによる大気汚染
  • 湖や河川の富栄養化
  • 栽培漁業の過密化によって起こされている沿岸海域の富栄養化
  • 外国から入ってくる動物、魚、昆虫、植物の爆発的な増殖によって脅かされる在来種の存続(生態系の破壊)
  • 林業の衰退による人工林の荒廃⇒洪水の増加、生態系の崩壊

国際協定

交通

主要な島と特徴的な地形

4つの主要な [注 2] と、地方区分ごとに見た各地の地理の概要や特徴的な地形を記述する。

北海道

北海道日本列島を構成する主要な4つのの中で2番目に大きい島である[5][注 2]

この北海道本島その付随する島利尻島礼文島奥尻島天売島焼尻島渡島大島渡島小島等)から成る地方公共団体都道府県)も「北海道」であり、47都道府県で唯一の「」である。

この「北海道」1道から成る地方北海道地方と言う。その面積は日本の総面積の約2割 (22.9%) にあたる83,456.75 km2である[16]

本州

本州日本列島を構成する主要な4つのの中で最大の島である[5]

面積は227,942.83 km2で、北海道の面積の約3倍、そしてイギリスグレートブリテン島よりも広く、世界の島の中では面積は第7位である[注 2]

東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方に分類され、その分け方にはいくつかの異論があり統一的なものは存在しない。

東北地方

東北地方本州北部に位置する。この地域の本州は北アメリカプレートに載っており、西からはユーラシアプレート、東からは太平洋プレートに押されて隆起した奥羽山脈が中央を南北に走っている。さらに他の山地盆地も南北方向に広がっている。奥羽山脈やその他の山地から流れ出した河川の中流部に盆地が、下流部に平野が形成されている。それらは日本の農業生産の中心地域である。東北地方の火山は奥羽山脈の西側にある。東北地方の東方沖に日本海溝が南北に走っている。日本海溝の西側には規模の大きな地震の震源域がある。

関東地方

関東地方は東北地方の南、中部地方の東に位置する。北と西は山地に、東と南は海に囲まれた日本で一番広い関東平野を中心とした地域である。関東地方はフォッサマグナの中にある地域で、地質構造が複雑である。東京横浜川崎さいたま千葉といった大都市やそれらのベッドタウンが集中している南部は人口が多い。

中部地方

中部地方本州の中央部を占めている。この地方のほとんどはユーラシアプレートに載っているが、東部では北アメリカプレートと衝突している。その境界をフォッサマグナといい新潟県糸魚川市静岡県静岡市を結んだ線がその西縁とされ糸魚川静岡構造線と呼ばれる。さらにこの地域のユーラシアプレートはフィリピン海プレートの沈み込みも受けており、それらの複雑な動きから著しい造山活動が行われ、日本アルプスとして知られている飛騨(北アルプス)、木曽(中央アルプス)、赤石(南アルプス)の各山脈が形成された。それはまた東海地震東南海地震の原因と指摘されている。その沈み込みは南海トラフとして知られており、駿河湾内では駿河トラフとも呼ばれている。

近畿地方

近畿地方は中部地方の西、中国地方の東。中央構造線紀伊半島をほぼ東西に横切っている。大台ヶ原山は大台ヶ原ともいい、日本では珍しい隆起準平原である。

中国地方

中国地方本州の西部と瀬戸内海の島々の一部、日本海の島々からなる。瀬戸内海を挟んで四国の北側に位置する。

四国

四国日本列島を構成する主要な4つのの中で4番目に大きな島である[5][注 2]

面積は18,297.74 km2で、九州の約半分の面積である。この島と瀬戸内海の一部の島々をまとめて四国地方あるいは単に四国と呼ぶ。四国には4つのが置かれている。

四国はユーラシアプレートに載っており、その南方沖でフィリピン海プレートの沈み込みを受けている。その境界に生じた付加体が陸化しているので地質の分布は東西の帯状に広がり、北部の方が南部よりも古い時代の地層である。四国の気候は中央を東西に走る四国山地により太平洋側と瀬戸内海側とで異なる。太平洋側は温暖で多雨であるが、瀬戸内海側は温暖ではあるが少雨である。

九州

九州日本列島を構成する主要な4つのの中で3番目に大きな島である[5][注 2]九州島とも呼ぶ。

面積は36,731.56 km2で、北海道の半分弱の面積で、本州四国の西に位置する。

この九州島とその付随する薩南諸島鹿児島県の領域)を含めて「九州」と呼ぶ[17]。「九州の最高峰」というとき一般には薩南諸島に含まれる屋久島の宮之浦岳が挙げられる。さらに南西諸島沖縄県の領域)を合わせて「九州地方」と言う。「九州地方」には沖縄県を含めるのが各百科事典では一般的である[18]。なお、次の一覧は便宜上、次項の「南西諸島」に属する項目を除いた。

南西諸島

南西諸島九州の南に位置する島弧であり、ユーラシアプレートフィリピン海プレートが沈み込むことで生じている。太平洋(世界的な地理学ではフィリピン海)と東シナ海を画している。

なお、南西諸島の中で沖縄県に属する島は160である[19]。主要な島を列挙。

伊豆・小笠原諸島

伊豆諸島小笠原諸島本州の南に位置する島弧であり、フィリピン海プレート太平洋プレートが沈み込むことで生じている。沈み込んでいるところを伊豆・小笠原海溝という。伊豆諸島の島々や西之島南本州海嶺の頂上部である。小笠原諸島の聟島諸島父島諸島母島諸島はその西側にある小笠原トラフによって南本州海嶺と隔てられている。行政区分では東京都、地方区分では関東地方に含まれる。

脚注

注釈

  1. 国土交通省』による区分け 14,125島本土 5島離島 14,120島[1][2][3]
    ただし、「」について、地理学上はこのような分類・区分けはない。
    【参考】 日本のの面積順に上位10島本州北海道九州四国択捉島国後島沖縄本島佐渡島奄美大島対馬。( 国立天文台理科年表 平成19年版 P565、ISBN 4621077635 )
  2. 世界のの面積順位より抜粋 出典:List of islands by area
    第1位 グリーンランド

    第5位 バフィン島カナダ) * 人口10,745人(2006年) - 本州の2.23倍、日本の1.34倍の面積
    第6位 スマトラ島インドネシア共和国
    第7位 本州
    第8位 ビクトリア島カナダ) * 人口1,707人(2001年) - 本州の95%、日本の57%の面積
    第9位 グレートブリテン島イギリスイングランドスコットランドウェールズ))

    第20位 アイルランド島アイルランド共和国およびイギリス北アイルランド))
    第21位 北海道
    第23位 樺太
    第25位 セイロン島スリランカ
    第26位 タスマニア島オーストラリア
    第27位 デヴォン島カナダ) * 世界最大の無人島 - 本州の24%、北海道の66%、九州の1.49倍、四国の3.01倍の面積
    第28位 アレクサンダー島イギリスチリアルゼンチンが領有権を主張) * 無人島

    第32位 アクセルハイバーグ島カナダ)、第33位 メルヴィル島カナダ) * 2つとも無人島
    第36位 スピッツベルゲン島ノルウェー) * スヴァールバル条約調印国の国民であれば、国籍問わず誰でも、出入りが自由(出入国管理なし・パスポート不要)で、居住ができ、仕事ができる島
    第37位 九州
    第38位 台湾中華民国) * 中国中華人民共和国)が領有権を主張

    第40位 プリンスオブウェールズ島カナダ) * 無人島
    第42位 海南島中国中華人民共和国))
    第45位 シチリアイタリア
    第46位 サマーセット島カナダ) * 無人島
    第48位 サルデーニャイタリア
    第49位 バナナル島ブラジル) * 川の中の島では世界最大
    第50位 四国
  3. 参考:これらの中で「世界の島の面積順位」第30位までの第3位・ボルネオ島(インドネシアマレーシアブルネイ 3ヶ国の領土である島)、第7位・本州(日本最大の島)、第11位・スラウェシ島(インドネシアで面積第4位の島)、第15位・ルソン島フィリピン最大の島)、第19位・ミンダナオ島(フィリピンで面積第2位の島)、第21位・北海道(日本で面積第2位の島)、第23位・樺太島ロシア最大の島)。出典:世界の島の面積順位・英語版 
  4. 【参考】 日本最古の歴史書古事記』 (712年献上) では、「日本」を、「大八島国」(おおやしまのくに)と呼び、次の「八つの」の総称としている(国産み#島産み
    登場順に、現代の呼称表記で、淡路(あわじ)四国隠岐(おき)九州壱岐(いき)対馬(つしま)佐渡本州、以上 8島。(この後さらに6島が紹介される。これら14島の原文での呼称表記は 国産み#比較表 を参照)
    日本書紀』 (720年完成)では、「日本」を、「大八洲国」(おおやしまのくに)と表記している。
    なお、「大八島国・大八洲国」の意味は、「八つのから成る国」ではなく、「多くのから成る国」とされる。(*)
    すなわち、古代日本そして日本の神話において、「」は聖数、漠然と数が大きいこと多いこと、その例えとして用いられた(8#その他 8 に関すること)。(: 「八重桜(やえざくら)」、「八百万(やおよろず)の神 多くの神 」、「千代(ちよ)に八千代(やちよ)に 永遠に 」、「八雲(やくも) 幾重にも折り重なった雲 」、等々)
    (*) 広辞苑大辞林大辞泉等も、「多くのから成る国」をその意味としている。
  5. 最近では携帯電話電子機器などから回収されるなどの貴金属は天然の鉱山より単位重量あたりの含有率が高く都市鉱山と呼ばれ注目を浴びている。

出典

  1. 日本の島の数”. 国土地理院. 2024年1月5日閲覧。
  2. 日本の島嶼の構成 (PDF). 国土交通省. 2024年1月5日閲覧。
  3. 知る-基本情報-”. しましまネット. 公益財団法人日本離島センター. 2024年1月5日閲覧。
  4. 【参考】 島国一覧領土がすべてで構成される国)
  5. 平成21年10月1日時点の島面積より アーカイブ 2012年6月15日 - ウェイバックマシン 国土地理院 (注:表中の「沖縄島 おきなわじま」は、通称名「沖縄本島」の正式名称)
  6. 【参考】 サンフランシスコ平和条約草案における日本の領土について ⇒
  7. “日本列島”, 世界大百科事典, 平凡社, (2009)
  8. 我が国の島を数えました
  9. 日本の島の数倍増、1万4125に 北方領土は衛星画像で調査
  10. 令和元年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)2020年”. 国土地理院 (2020年12月25日). 2021年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月3日閲覧。
  11. 外務省 総領事館ほっとライン ユジノサハリンスク 日本に一番近い外国は「ロシア」
  12. 日本最西端、北北西へ 沖縄県・与那国島の岩を地形図に 琉球新報、2019年6月11日閲覧。
  13. 日本最西端、260メートル先へ 与那国島の岩を地形図に 八重山日報、2019年6月11日閲覧。
  14. 日本の領海等概念図、海上保安庁海洋情報部
  15. “第Ⅱ章 都道府県別面積” (PDF). 令和4年全国都道府県市区町村別面積調(1月1日時点). 国土交通省 国土地理院. (2022年3月23日). p. 5. オリジナルの2022年3月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220323125218/https://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/backnumber/GSI-menseki20220101.pdf 2022年3月23日閲覧。
  16. 平成21年10月1日 都道府県別面積”. 2010年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月19日閲覧。
  17. 「九州」『コンサイス日本地名事典』三省堂、第4版、1998年、396頁
  18. 『世界大百科事典 7』、188-189頁。
  19. 沖縄県の島しょ別面積一覧 (沖縄県を構成する160のの名称と面積の一覧表) 沖縄県土地対策課。

関連項目

外部リンク

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